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第二話転生の設定ミス?

そうして落下から二時間後漸く俺は辺りに視線を向ける。


森林が静かに生い茂っているが時々ガサガサといった音もするのだった。


その音に着いていくと人間よりは小さい醜悪な顔をした魔物がいた。


俺は女神様に話しかける。

「あれがゴブリンですか?」「はい、戦うなら装備を整えてから――」

女神様の話が終わる前に悲鳴が聞こえた。ゴブリンのいる更に奥には中世の街娘のような服をきた女の子がいた。


怯えつつ薬草のような物を入れたバスケットが大切なように抱きしめ後ずさる。


ゴブリンの一体が彼女に触れそうになったその瞬間。

「ウオォォォォォ」

俺は挑発(ウォークライ)を発動した。


ゴブリン五匹が一斉にこちらを見る。

「いまだ!この内に逃げろ!」

俺がそう言うと彼女は少し迷いつつも逃げてくれた。


さあ、始めるか。

「俺を… 」



エマは必死に街に戻ろうとしていた。


彼女を間一髪の所で救ってくれた青年にために助けを呼ぶためだ。


だが、彼女は偶然出会ってしまった。

今狼を倒したようで静かに剣を納める女戦士、髪は自分のような茶色とは違い輝いて見える金色、可憐な顔をしつつもつり目がその少女の心の強さのような物を引き出していた。


「カンナ、助けて!」

「どうしたのよエマそんなに慌てて」


彼女は信頼する幼馴染みに事の次第を話した。


「それなら助けに行くわ。場所を教えて」

そうしてカンナ達はもう一度あの場所に戻ることにした。



そこには訳のわからない光景が広がっていた。


四体のゴブリンは疲れたのか倒れ込んでいて残りの一体はその青年に武器を振るっていた。


「もっとだ!もっと痛みを、正確に急所を狙え!」

何故か彼はゴブリン達に戦闘訓練紛いみたいな事をやっていた。

「何やってんのよアンタ」

カンナはゴブリン五匹の首を断ち切った。


「次はお前が殴ってくれるのか」

「そんなわけないじゃない、バッカじゃないの」

「そうだもっと罵るんだ!」「うわあ」

エマは思わず命と貞操の恩人だと言うのに引く。


とりあえず街まで案内してもらうことになっのだがカンナと名乗った少女が道を案内する途中に思い出したかのように聞く。

「アンタの名前って何?」


俺は思い出せなかった。もしかすると転生の時に色々弄られたのかもしれないと考えてゲームをやる時に使っていた名前をつかうことにした。


「ペインだ、よろしく」

「変な名前ね、着いたわよここが私達の住む街、ドルーチェよ」


俺は街に入ることにした。





ドルーチェとは大陸の迷宮を管理する『迷宮都市』の一つであるらしく冒険者が集まる街。


そのためか宿屋のほとんどが三、四階はあり迷宮の利益というのが感じとれた。



通りを歩いていると怒声が聞こえた。

「貴様この私をルシアン・フリードマンと知っての狼藉か!」

「すみません!どうか…どうか御慈悲を」

一人の少年に対して小さい少女とその母のような女性が地に額を擦り付けて謝っていた。


「あーあ、運が悪いなあの家族も」

「よりによって領主の馬鹿従兄弟の前を通りすぎちまうなんてな」

「その母さんも子供を見捨てられずにあのザマさ」

「しっ、大きな声を出すな、聞こえたら俺達も牢屋行きだぞ」

周りの人達がひそひそと話す。


「全く、私の前に立つのならばそれなりの対価を寄越してもらおうか」

「そんな……私達にはそのような物もなく」

「もう一度言ってみろ牢屋に叩き込むことも可能なんだぞ」

少女が手を開く。

「これ…どうぞ」その子が差し出したのはユウゲショウだった。

ルシアン少年は青筋を浮かべてそれを引ったくると地面に叩きつける。

「ふざけおって!こんな雑草など要らぬわ!」

そうしてその花を踏みつけようとし、その子供は

「やめて!」と叫んだ。




革だな、そんな感想を持ちつつ俺はその少年からの踏みつけを受けていた。

自分の目の前には綺麗なユウゲショウが残っていた。


「何だお前は」

ルシアン少年は驚きつつもさっきの威勢を取り戻していう。


「失礼を承知で話させてもらいます。ルシアン様、彼等は対価になるような物や知識を持たぬ貧しい民なのです、それ故に雑草を薔薇のように勘違いをして渡してしまったのでしょう、貴方様の前に立ったのも知識の貧しさ故。なので今回ばかりはこの者達の罪を許してください。それでも許せぬと言うなら私はいくらでも踏みつけられましょう」


「ふん、屑どもが」そういうとルシアン少年は俺を蹴飛ばして去っていった。


少女が俺の前に来るとユウゲショウを拾い始めた。

「君の名前は」「リ…リリー」

俺が尋ねると彼女はおっかなびっくりしつつ答えた。

「いい名前だね」

俺はリリーに笑いかけた。

「ありがとうございます、ご迷惑をおかけしました」

と彼女の母親が来て謝る。

「いえ、ただ唐突に誰かの足に踏まれたくなっただけですよ」

そう言って俺はカンナ達の所まで戻って来た。


「アンタって名前も変だけど行動はもっと変ね…」

「そうかな?」

「貴族様に目を付けられることって結構危ないんだよ」

スリルか…何だろう凄くゾクゾクしてきた。


そう思いつつ俺は彼女達に着いていった。


「まずは冒険者ギルドに行くわ」

「何か依頼でも受けるのか?」

「私は依頼の完了を伝えるために行くけどアンタは冒険者登録しなさい」

「冒険者登録?」

「詳しくはないけど通行料を取られなくなるみたいですよ」

それはありがたい。

冒険者ギルドは酒場と併設しているようで、喧騒があちらこちらから聞こえる。


幸い受付嬢さんはすぐに見つかり、冒険者登録は名前、年齢等を記入してすぐに終わった。

そしてに貰ったドッグタグのような物を見ていると受付嬢さんが説明を始めた。


「冒険者のランクはSからFまでありDランクから具体的なジョブを設定します、頑張ってくださいね」

その他にも様々な説明を聞いて俺は冒険者ギルドをでた。


「次は教会に行くわ」

「俺は遠慮しときたいんだが……」

治す治療費も持ってないし、痛みを治すという行為が必要ではない。


ドルーチェに入る時通行料をカンナに払って貰っている異常余り迷惑は掛けられない。


「エマが持ってきた薬草を運ぶだけよ」

と無一文の俺に対してカンナは笑いながらいう。


そう話されたので安心して俺は二人と一緒に教会に入った。

引き続きご意見、感想よろしく御願いします。

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