はじまりのハナシ
5xxx年。
少女の憧れであるおとぎ話のお姫様-プリンセス-が地球とは、程遠い星に具現化された。
「地球制圧。それは、私たちの望んでいたことなのでしょうか。」
夢でこんなことを見た。あのおとぎ話の「アリス」が、この星にやってきた という夢だ。
今日も蒸せ返るほど暑い。暑さで頭がやられてしまいそうだ。
「今日から新学期…か…」
「さ、入っておいで」
無駄に期待されるは、悪い気しかしない。
さっさと済ませてしまいたい。
ガラッ
「初めまして。筒井 成と言います。よろしくお願いします」
わっと盛り上がる。対応の仕方がわからない。
「筒井さん、窓側の1番後ろの席に座ってね。」
「はい。」
窓側の1番後ろ。素敵な席だった。隣は最悪だったが。
「私は、波野江 桃っていうの。よろしくね。」
一見、おとなしそうな青い髪の2つくくりの子だったが思ったより軽はずみな子だった。
「よろしくね」
一言だけ返すと、小さく微笑んでくれた。気が狂いそうになった。
その日は、なんともなかった。この時「まで」はだが。
✳︎
「白雪さんっ」
箱庭で木漏れ日を浴びている白雪さんは、なんとも言えない美しさだった。
「あら、ヴィッチェ=アリスじゃない。」
私は、白雪さんのところへ駆け寄った。
「もうすぐ、箱庭とはお別れになるわね」
「いえ!きっとまた来れます…!」
「ふふ、そうね」
優しく微笑んでくれたが、これはまあ、真実だ。
私たち、おとぎ話のお姫様-プリンセス-が具現化し住んでいるこの星、「おとぎの星」は地球制圧を試みている。
何故なら…
おとぎの星はシンデレラ様が統一されているしかし、シンデレラ様は、お姫様-プリンセス-の具現化をストップさせ、暇潰しに地球制圧しましょう。と言うのであった。
「アリスウ!こんなトコにいたのねえ!シンデレラ様がお呼びだよー!」
彼女は「夏のお姫様」ローラ=レイメイだ。「真夏のお姫様」ローラ=レイセイの妹だ。
シンデレラ様をおおいに慕っている。そして、地球制圧も大賛成だ。私はもちろん反対だが、今更どうにもならない。
「ヴィッチェ=アリス。レイメイがお呼びよ。どうしたの?」
「あ…ごめんなさい。レイメイ今行くわ。」
白雪さんに声を掛けられ我に帰る。
「早くいこー!」
「うんっ」
「ヴィッチェ=アリス この妖精を地球に撒いてきて頂戴」
シンデレラ様の命令だ。頷くまでもなく、答えはイエスだ。気乗りはしないけど。
「期待してるわ」
背中に重い荷が乗っかった。
「アリス期待してるよ!頑張れ!」
「レイメイ…ありがとう」
おとぎの星から出て来てどのぐらいたったのだろうか。
「妖精さん。少女革命起こして来てね」
少女革命とは、俗に言う魔法少女だ。おとぎの星の妖精は、人間を魔法少女にするちからがある。そのちからで、私の代わりに地球制圧を止めて欲しいのだ。
「あら、これが地球みたいね」
青い青い地球についた。妖精を静かに放つ。
「白雪とアリス。どちらがどちらをにさせたのかしらねえ」
「うーん…白雪の方から具現化したけどお…どっちかなあ?」
「少女革命した魔法少女とやらも見たかったし、いいかもしれないわね」