Ⅰ-4
これで完結です。
突然、バンという鈍い破裂音が響きました。
銃声、でしょうか。
目を開けると喉元の黒い爪はなく、人狼は足元に倒れていました。
そして、その後ろには銃を構えたヴィクトヘルム様が立っていました。
「あまり使いたくなかったのですが…。」
確かに、人狼は銃とかの飛び道具は使いたがらないと聞きましたしね。
ていうか…
「ヴィクトヘルム様!こっ殺しちゃったんですか?」
「そんなわけないじゃないですか。貴重な人材を失うつもりはありませんよ。」
「彼は満月の日以外は優秀だって言ってたものね。」
ヴィクトヘルム様の後ろから、大きな鞄を抱えたヴィンセント様が言いました。
それじゃあ、この人狼さんは生きているんですね。
ん?殺していないならなんでこの人狼さんは倒れてるんでしょう?
「ヴィンセント特製の麻酔弾ですから、眠っているだけですよ。」
ヴィクトヘルム様がぼくの思っていることを見透かしたようにいいました。なんでわかったんだろう。
「そういえばヴィクター君。怪我、ありませんでしたか?」
「右足、挫いちゃいました。」
ぼくは首を左右に振ってから答えました。
う~。もう大丈夫だって安心したからか、だんだん痛くなってきた。
「ヴィンセントに治癒魔法をかけてもらうといいでしょう。ヴィンセント、お願いできますか?」
「これやったらでいいでしょ。ちょっと待ってて。」
ヴィンセント様は持ってきた大きな鞄を広げながら言いました。
ちらっと鞄を見ると、中にはたくさんの薬と医療器具が入っていました。
そこから彼女は液体の入った小瓶と注射器を取りだし、液体を注射器に吸わせて、人狼さんの首筋にそれを思いっきり突き立てました。
人狼の乱暴化を抑えるための治療にしてもちょっと乱暴過ぎやしませんか?なんでだろ。
そっか!
ヴィクトヘルム様とのデートを邪魔されたからか!
二人で夕食を食べに行くって言っていましたもんね。
なんか、可愛い。
***
ぼくは治癒魔法をかけてもらった後、屋敷に戻りました。
ヴィンセント様達はデートの仕切り直しをしにまた出かけていきました。
恋人がいて、その人と二人で仲好く出かけるなんて羨ましいですね。
ああ、誰かぼくに可愛いにゃんこ紹介してくれないかなあ。
あの二人ほどラブラブでなくていいから、彼女がほしい…
終わり方としては微妙ですね…
でも、ヴィクターの話は今度また投稿する予定だから問題ないのかな…
読んでくださってありがとうございます。
評価、感想待ってます!
駄文ですみませんでした。