Ⅰ‐2
紙に書かれていた原料は見慣れない組み合わせでした。
一体何を作るおつもりなのでしょう。ぼくには全く見当が付きません。
ん?ヴィンセント様、魔女連合評議会用の薬まだ作っていないんじゃありませんでしたっけ。
「ヴィンセント様、この組み合わせで何の薬を作るおつもりなのですか?評議会用の薬じゃありませんよね。」
「ええそうよ。」
ええそうよ、じゃありませんよ。お仕事なさってくださいよ。まったく。
評議会長老のライザ様に怒られるのぼくなんですからね。
「それで、誰からの依頼なんですか?」
「ヴィルからよ。この前、二人で出かけたときに頼まれたの。」
ヴィル、っていうのは彼女の恋人のヴィクトヘルム様のことです。人狼の長です。とっても偉いそうです。
ぼくにはよくわかりませんが、良い人なのは確かです。なんであんな人がヴィンセント様の恋人になってくれたのか理解できません。
まあ、それはいいや。
ヴィンセント様に聞いたところによると、ヴィクトヘルム様の配下に当たる人狼が満月の日に凶暴化するみたいなんです。
普通は簡単な訓練で抑えられるものなのだそうです。
ですが、その人狼は違った。軽い訓練なんかじゃ抑えられなかった。
今のところ人狼の精鋭部隊で抑えているそうですが、限界が近い。主に配下の彼の精神が。
そんなわけで、薬で抑えることは出来ないのかとヴィンセント様に頼んだという事です。
ヴィクトヘルム様、シルヴァ様に評議会用の薬作るように言ってくれませんかね。
それなら彼女も仕事をすると思うのですが。
今度頼んでみようかな。
読んでくださってありがとうございます。
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魔女連合とはギルド的なものです。
長老がギルド長ですかね。