Ⅰ‐1
初めまして。ぼくはヴィクターと言います。
魔女の使い魔の黒猫です。ぼくはケットシーだってばれて、ニンゲンに捨てられて良くわかんないうちにこの世界に迷い込んでいたらしいです。
この世界は妖精とかバンパイアとかが共存している不思議な世界です。
ぼくのいた所ではニンゲンが全部支配していて、ぼくらはひっそりとでしか生きることは出来ませんでした。
この世界にもニンゲンはいますが、魔女だったり、なんかよくわかんない職業のひとだったり、普通の人も前の世界みたいに支配して来たりしないのでとっても暮らしやすいです。
そうだ。ぼくのご主人様を紹介しますね。彼女の名前はヴィンセント。
魔の森という深い森の中で狼に襲われていたぼくを助けてくれた縁で彼女の使い魔になったのですが、時々転職しようかなって思います。
ヴィンセント様、金髪の美人で魔力も高いのに仕事をしないんですよ。
「ヴィクター、ちょっとこっち来て!」
あともう一つ。
ヴィンセント様、結構わがままなんです。
なまじ魔力が高いだけ、誰にも治せないんです。使い魔泣かせですよ、もう。
そうそう。ぼく、ヴィンセント様の使い魔になってからちょっと魔力が上がったんです。
まあ、ニンゲンに化けられるようになったぐらいですが。耳でっぱなしだけど。
見た目はだいたい13、4歳かな。
そうそう。人型ってすんごい作業しやすいんですよ。普段は猫だけど、作業とかの時は人型でいるようにしています。
ぼくが呼ばれたほうへ走っていくと、ヴィンセント様はぼくに一枚の紙を渡しました。
渡された紙には薬の原料となるものが書かれていました。
「これを持ってきてほしいの。よろしくね。」
切り方が微妙だ…。あと半分ぐらいあります。
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