群れへの加入
◆◆◆◆◆◆
俺はゴブリンに連れられ、森の奥を進んでいた。
「なぁ、どこにいくんだ?」
「は? どこって、そりゃ僕の群れに決まっているだろう」
「そ、そうか」
俺が聞くと、いまさら何を言っているんだ? といっているかのように言葉を返してきた。
それからしばらく歩くと、今度は洞窟が見えてきた。
「あの洞窟が僕の群れの住処だよ」
ゴブリンがその洞窟を指さして教えてくれる。
「俺が勝手に行って大丈夫なのか?」
「ん? ああ、そうだな」
俺の質問に少し悩みだしたゴブリンは、少し考えて話し出した。
「なら、絶対に僕のそばを離れないでくれよ」
「それで大丈夫なのか?」
「まぁ何とかなるって」
「何とかって......」
俺はゴブリンの答えに少し不満を感じたが、仕方がないので気にしないことにした。
俺たちが洞窟につくと、門番のようなゴブリンが二人いて、俺たちに武器を向けて、話しかけてきた。
「お前たち止まれ!」
「なんだよ」
俺のそばにいるゴブリンが門番のゴブリンに不満の目線を向けながら答える。
「お前の後ろにいるオーガはなんだ。ならず者を入れることはできんぞ」
「こいつは僕たちの仲間になるんだ、長老と話がしたいから通せ」
「ならん! どうしても通りたければお前一人でいけ、そしてそのオーガはそこで待たせておけ」
「ちっ! わかったよ。僕一人で行くよ」
門番ゴブリンの言葉に俺のそばにいるゴブリンが応え俺に向き直る。
「というわけだ。少し待っててもらえるか?」
「ああ、分かった。待ってるよ」
俺はそう答え、洞窟に近い木にもたれかかった。ゴブリンは俺のその行動を確認すると、洞窟の中に入っていった。
◆◆◆◆◆◆
しばらくたって、洞窟の中から、俺の味方のゴブリンと長老のような老けたゴブリンが出てきて、俺のほうに歩いてきた。そして、俺に向かって仲間のゴブリンが話しかけてきた。
「長老、こちらが仲間にしたいオーガです。オーガ君、こちらは僕のいる群れの長老だよ」
「ああ、どうも初めまして。オーガです」
俺は今まで見てきた魔物で名前を持っている奴がいなかったのであえて名前を明かさずに答えた。
「ふむ。おぬしが仲間にしたいというオーガか」
長老のゴブリンは俺を眺め語りかけてきた。
「おぬしはなぜこの群れにきたのだ?」
「ちょうどそこのゴブリンと出会って、群れに来ないかと誘われたのと、このあたりのことを教えてもらいたかったからです」
「ふむ、そうか。」
長老ゴブリンは俺の答えに答えた後、俺を今度は値踏みするような目で見て、納得したように、ふむふむ とうなずいて話し出した。
「ふむ、よかろう。お前がこの群れに入ることを許可する」
「あ、はい。ありがとうございます」
「よかったな。オーガ君」
さっきまで黙っていたゴブリンが言ってきた。
「お前の世話はそこの奴にしてもらうとよい。このあたりのこともそいつに聞け」
「はい。わかりました」
長老ゴブリンは俺の答えに納得したのかうなずいて、今度はもう一人のゴブリンに話しかけた。
「お前が連れてきたんだ、責任とってしっかり世話をしろよ」
「はい。もちろんです」
長老ゴブリンはそのゴブリンの答えにもうなずいて、もう何も言わずに洞窟の奥へと入っていった。それを二人で見送った後にゴブリンが話しかけてきた。
「よろしくな」
「あ、ああ。よろしく」
「じゃぁ僕の寝床に行こうか」
ゴブリンはそういうと、洞窟の中に入っていった。俺はその後を急いでついて行った。入るときに今度は、門番ゴブリンにはなにも言われず普通に入れた。
◆◆◆◆◆◆
「ここだ」
ゴブリンは洞窟の広くなっているところの一角を指さして言った。
「ここか」
「ああ。お前のにはここで僕だけじゃなく他のゴブリンとも一緒に暮らしてもらう」
「分かった」
俺がそう答えると嬉しそうに頷き俺にいろいろと説明を始めた。
俺はこれからのゴブリンとの生活を考え好奇心と不安でいっぱいだった。
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