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白月に涙叫を  作者: 弐村 葉月
十章 魔狼と乙女
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―涙叫―

広大な海上を、四人の男女が歩く。彼らの足元には円の蒼い術陣があり、それが一直線に連なり足場となって彼らを乗せていた。先頭は術の施行者メルシア。その横をグリム、背後にアバンそしてアーノイスと続いていた。時刻は真夜中、後数分で明日になろうという時間だ。


「やはり、破られているか。強引だな」


遠く前方を見据えるメルシア。月明かりだけが頼りの海上では、そう遠くまで見えはしない。人の視覚の限界の付近に、それは見えていた。まるで、岩山のような平たい島の岸。一切の命を感じさせない不毛の大地。世界で最も孤独な場所、レツァーン。普段はメルシアの結界に視覚的にも霊覚的にも感知する事ができない筈だが、今は違う。恐らくは先客が結界を破ったのだろう。メルシアと同じく島を視認したグリムが悪態をつく。


「けっ。辛気臭ぇな。もうこりごりだっつーの」


命の空気を感じない、死んだ場所。そんなところに、つい先日も居たとグリムは不機嫌であった。そんな彼の物言いに、メルシアの表情が沈む。


「あそこにある世門は言わば失敗作だったからな……初動の時に、死んだ霊魂だけでなく、周囲の生きた霊魂すら取り込んでしまう程の効力を見せた」


悔やむように、彼女は言い捨てた。確証はないが、メルシアはその当事者だったのだろう。


「じゃーなんで残してんだよ。使われたら危ねぇんじゃねぇか?」


「戒めさ。過ぎた力は誰の手をも放れるただの暴力になる。そう言った意味のな」


「……そうかい」


「過ぎたるは及ばざるが如し、というわけか。お前に相応しいなグリム」


会話を聞いていたアバンがそう苦言を呈したのに、グリムは振り返り後ろ向きに歩きながら小煩い父を睨んだ。


「うっせーな。大体、なんでてめぇが来てんだよ。死に損ないは寝てやがれってんだ」


「死に損ないはお前だろう。それに、私は教会の司祭代表として事を見届ける義務がある。ただの戦闘行為ではないのだからな」


舌打ちして、グリムはまた元の向きに戻った。先日のオルヴスとの戦闘で負った傷は、メルシアの治療を受けたものの完治には程遠い。両腕の骨は完全に砕け散っていたものを無理矢理繋ぎ止めているだけで、もし大剣の一刀でも振るえば、また折れるだろう。その為、彼の出動はメルシアも含めた大半が止めたのだが、それで大人しく聞き入れるグリムではない。


「話はやめだ。行くぞ」


四人はようやく、レツァーンの岸に辿り着いた。見渡す限り平坦で、何もない大地。岸から中央へ向けて多少の登り傾斜はあるが、坂と言える程ではない。潮の満ち引きですっかり沈んでしまいそうだ。その、何もない岩の丘の、中心。島の端からでも、はっきりと見える程度の距離に、それはあった。

原初の門。世門(ルナギオル)。命救う為に造られ、事実はその命を奪った、失敗作。その他の門と違い、それは純白であった。大きさも二、三倍はあるだろう。よく見れば、その白の壁に浮き上がる印の違いにも気づくだろうが、メルシア以外はわからなかった。

四人は無言でそれに近付き、十メートル程手前で足を止めた。最後尾に居たアーノイスだけが、アバン、グリムにメルシアを越えて、彼らからさらに三メートル程進む。

真白き世門。それが故に、その前に立つ黒衣の人物はよく見えやすい。その人物は、三人とアーノイスをそれぞれ見やって、そうしてからニタリと口元を大きく歪めた。


「時間通り、ですか。感心です」


「似合わないわよ。その笑い方」


尊大な物言いと狂気を感じさせる笑みに、ここに至るまで沈黙を守っていたアーノイスが口を開いた。静かで平坦な、その内に何を思っているのかを悟らせない声音で。


「そうですか。まあ別に良いですが。貴方がそう思っているだけの話でしょうし。さて、はじめましょう。口上をだらだらと続けるつもりは有りませんから。鍵乙女、貴方を、殺します」


言って、オルヴスはその黒い霊気を解放する。両手に纏う青い霊光、ディロデクト。護るものを捨てた青年の、護りたまえという意味の、矛盾した拳。

戦えぬアバンが一歩下がり、グリムが大剣の柄に手をかけ、メルシアが金の霊子を周囲に散らす。各々戦う姿勢を整える中、アーノイスは背後のメルシア達に向け、手振りでそれを制した。困惑が、オルヴスとアーノイス以外の一同に走る。


「私がやる」


短くしかして強く告げられた一言に、オルヴスはほう、と感心したような声を上げた。


「戦いますか。貴方が。傷つくことも傷つけることも厭う貴方が」


「いいよ。そういうの。結構、辛いよ?」


嘲りに似た言葉に、噛み合わぬ返答をするアーノイス。だがオルヴスは押し黙り、笑みを消して戦う姿勢をみせた。

数秒、アーノイスは目を閉じる。その見えぬ瞳の奥で何を想うのかは、わからない。右手の中に、光の剣が生まれた。詠唱も何もなく呼び出したるそれは、全てを切り開く鍵乙女の剣。強く、彼女の全身に刻まれた烙印と、世門と同じ純白の頭髪が輝いた。藤色の目が、開く。そして、アーノイスは剣を振りかざした。


衝突する、黒い影の青い光と、白い影の白い光。止められる筈のない烙印術の一撃を、オルヴスは受け止めていた。


「止まるな」


小さく呟き、拳にかかっていた光剣の圧力を通すとともに横に逸らし、アーノイスの足を払う。正面に倒れ込みそうになる身体を霊翔で留め、そのまま後方に飛び、足をつく。勢いに滑りながら上げた顔のすぐ前に、既にオルヴスは来ていた。


「目を逸らすな」


言って、その拳を引く姿を捉え、アーノイスは距離を閉じる術を発動させ、彼の背後を取り斬りかかる。だが、その一撃は振り向きもせぬ青の手に掴まれた。


「術に頼るな」


そのまま、オルヴスはアーノイスを中に投げ払う。体勢を整え、空を蹴り、彼女は再度剣を振るった。


――その、戦いの後方。


「おい」


「……ああ」


グリムが大剣から手を放し、呼びかけに応じたメルシアも霊子を収めた。戦う姿勢は愚か、不足の事態に対応する構えすらない。だが、アバンですらそれを咎めはせず、腕を組んでアーノイスとオルヴスの切り結びを眺めていた。


「どういう事だよ」


じりじりとした様子で、グリムは誰にともなく問い、奥歯を噛み締める。答えたのは、メルシアだった。


「こんな事だろうとは思ったがな……まあ、全部がわかるわけではないが、恐らくアーノイスは知っている。既に生者の声すら聞こえるようだからな」


「そうかい……ちっ。あんの馬鹿野郎が」


事態を把握したグリムだったが、それは余計に彼の神経を苛立たせるだけだった。アーノイスとオルヴスの戦い。それは、一般人から見れば恐らくは殺し合いに見える事だろう。事実、二人が放つ攻撃には十二分の殺傷力がある。だが、それだけだ。全く、本気を出してなどいない。特にオルヴスの方は。彼が本当に殺すつもりであるならば、その姿は銀髪の魔狼にでも、先日の黒衣の魔物にでもなっているだろう。それはなく、また彼からは傷になるような攻撃を一度たりとも繰り出していない。例えば、初撃をいなした後の隙。不意打ちを受け止め時の隙。そのどちらもが、絶対的な好機であり、足を払ったり投げ飛ばしたりせずに、その拳を叩きこむべきなのだ。これが、殺し合いだったならば。


「しかし、こんな事をして何になる。門はない。その復活の術もなければ、鍵乙女だけ居ても儀式は出来んのだろう。それならば、まだ身を隠していた方がいいと言うものだが」


眼前の戦闘が茶番、もしくは模擬戦である事を知ったアバンが、今度は別の疑念を打ち出した。鍵乙女を殺すという彼の口上が嘘だった以上、ならば何故、そんな事を人を集めてまで宣言したのか。まるで、鍵乙女を自分から突き放すような行為を。そのアバンの疑問に、固い声で、メルシアは呟いた。


「……門なら、ある。ここに」


「あ? 世門は使えねぇんだろ?」


ここ、とメルシアが示したのをレツァーンのことだと思ったグリムがそう言うが、メルシアは首を振った。世門が使えないというのは先程彼女が言っていたことだ。なら、それは世門に対する否定ではないということ。混乱し眉間にしわ寄せるグリムに、メルシアは言った。


「グリムは、お前は見ただろ。あの孤島で」


「……! そういう事かよ!」


グリムの顔が一瞬青ざめ、今度は烈火のごとく憤怒を顕する。躊躇いなく彼は大剣の柄を再度握り締めた。だが。


「やめろ! もう、後戻りは出来ない。それをオルヴスは決めたんだ。そして、アーノイスは受け入れた。私達が止めて良いことじゃない……」


メルシアが叫び、グリムが剣を抜くのを押し留めた。しかし彼女もまた、小さな拳を握りしめて震えている。話の見えぬアバンが、口を開いた。


「なんだ? 何を言っている」


「あの馬鹿は! 自分が門になるつもりだ! あいつは、門を持ってる。この前の時に見た」


抑えられぬ激情が言葉の端々に出るが、アバンは気にせず、その視線を戦いを続けるアーノイスとオルヴスの方に向けた。何とも言えぬ、無情を込めて。






『おや、思ったよりも早かったですね。鍵乙女アーノイス』――申し訳ありません。アノ。


声が、頭の中でリフレインする。聞こえるのは、同じ人の、二つの声。


『さて、役者も揃った所で始めましょうかね』――でも、道化を演じる最期も、悪くない。


同時に聞こえるそれは、一つは耳から、もう一つは心に直接、響く。


『そう固くならなくとも大丈夫ですよ。ここで暴れ始めるつもりはありませんからね。僕に襲いかかって来なければ、ですが』――貴方の未来を護る為、僕は世界の敵となろう。正しいとは思わないけれど、これくらいしか僕にはやりようがない。


耳からは、似合わない、無理をした芝居がかった声が。


『……復讐、ですよ』――約束だから。


心には、今にも泣きそうな、情けない青年の声が。


『そこの、鍵乙女様に対する、いや、アーノイス=ロロハルロント=ポーターに対する、ね』――貴方を護る。あの日誓った。交わした約束。その為に、僕は醜くも生き長らえてきた。


どちらが本心かなんで、少しの惑いも要らなかった。


『折角エトアールの方々を焚きつけて、門を全て壊し、その心を追い詰めたのに、まだ折れない。まあその御陰で、その呆けたお顔を拝めるというものですが。どうです? 一番信頼していた筈の人物が黒幕という、物語では在り来りの展開は? そこそこ堪えるとは思いますが』――だというのに、貴方の傍に辿り着いてからも、僕は貴方を傷つけさせてばかりで。ずっと、自分の事も言い出せずにいて。


笑い方は似合わない上に、眼はまるで変わっていなかったから。


『昔の話しですが、僕はそこの鍵乙女の父君に殺された事がありましてね。それだけですよ。彼女を苦しめ、殺した所で今度は当人を殺しに行くつもりです。ああ、これ言わなかった方が楽だったかもしれませんねぇ』――けれどもうそれも終わりにします。


あまりにちぐはぐな表と裏が、どうしようもなく哀しくて。おかしくて。


『ま、僕の話は別にいいでしょう。この期に及んで千の言葉を用いられても、心変わりはしませんから。取り敢えず、今日来た理由は、次の約束を取り付ける為です』――別れを惜しむのは、僕だけでいい。


何も言えず、瞳にその道化の姿を映すのが精一杯だった。


『レツァーンに来い。明日の夜零時に。そこで待つ。ああ、別に来なくともいいですけれど……あそこにある世門ルナギオルは破壊させていただきますね。まあ元々壊すつもりでしたので、早いか遅いかの違いになるでしょうが』――だから今だけは、貴方を傷つける事を赦してください。


深くて優しい色をした、その眼を。


『それでは、また後日ということで』――さようなら、アノ。僕の、ただ一人の人。







鮮血が、夜の空に舞った。それは斜めに斬りつけられた青年の体から、逆袈裟に切り上げられた、光の剣の先端から飛び散り、小さな雨となって、アーノイスとチアキに降り注ぐ。


「……いい、太刀筋でした」


ふらついて後ろにたたらを踏みながら、チアキは満足気に呟いた。上げた顔に、無理に貼り付けられていた狂気を演じた笑顔はない。いつもの、柔らかな微笑みだった。振り上げた剣と、踏み込んだ足を戻し、アーノイスは佇む。血に濡れた白い髪も頬も拭わず、眼は彼から逸らさない。そして、気づく。その彼の背後にそびえる、純白の世門に。その前で、チアキは両腕を広げた。痛々しく、左肩から右腰に刻まれた傷からは、止めどなく血が溢れて足元に赤い水溜を形成している。それでも、青年は強く立っている。


「ですから……終わりにしましょうか」


そして、世門と彼との間に現れる、黒き門。レラの門。何故かはわからない。だが、アーノイスにはそれがわかった。門を背にしたその姿が、今は遠いあの日と被って見えたからかもしれない。あの日、門を消失させたのはチアキでも呪印交霊でもなく、自分自身の、鍵乙女としての力だったのだと、唐突に理解する。そして、彼の真意を掴み、同時に、“聴いた”。制御のままならぬ世門と、御せるが効力の小さなレラの門の、融合。それが、彼の考えた方法。そしてそれができるのは、鍵乙女のみ。


「本当に、良いの」


良くない。嫌という程に自分の声が聞こえるのが、アーノイスにはわかっていた。だが、それでも彼女は聴いた。彼の言葉で聞きたかった。自分が訴えるのと、同じ言葉を。だが。


「ええ」


彼はそれを言ってはくれなかった。アーノイスは唇を噛む。皮膚が裂けて血が出るが、彼女は何の痛みも感じなかった。

そうして、ゆっくりと、鍵乙女は光の剣を構えた。握る右手の下に左の掌を添えて、腰溜めに。ずっと見つめていた黒い瞳から、視線が動く。ゆっくりと。顔を、首を通り過ぎ、見据える、切り裂かれた胸の中心。激しい動悸が、その視界を揺らした。震える両手が、剣先を安定させてくれない。落ち着け、と心の中で何度も念じる。同時に、早まるな、と。何か方法がある筈だ、と。逃げてしまっても良い筈だ。どれだけ世界から後ろ指を刺されようと、この剣を突き立てるよりは、比べ物になるほど良いと。

――そうだ、それがいい。それでいいじゃないか。なんで私だけがこんな想いをしなくちゃならない。どうして、大切な人と添い遂げるどころか、自分で傷つけなきゃならない。一番大切なのは、世界なんかじゃない。全て失っても護ってくれたのは彼だ。なら今度は、私が。

醜い、と自覚しているアーノイスの想いが、構えを揺るがせる。しかし、彼女はその突きつけた剣先を逸らす事は、既に出来なかった。


「……最期の最期まで、本当に申し訳ありません。アノ」


優しく震えた声に上げた視線。それは、泣きそうなチアキの顔と、その背後から幾本も伸びる黒い棒のような何かを捉えていた。視界が動く。いや、動かされる。剣を構える両手に覆い被さる黒い手。背に、肩に回される、黒い手。

ずぶり、と生々しい音が、嫌にはっきりとアーノイスの耳に届いた。


「……え?」


背と肩に感じた手の感覚が無くなると共に、暖かい、何度も触れた彼の腕に抱きしめられる感覚を覚える。両手の戒めは解けず、生暖かい粘りのある液体がどんどん彼女の両手を濡らしていた。彼の顔が近い。下げる目線。光の刃が、根本まで血肉に沈んでいた。


「い、や……いや、いやっ嫌ァ!」


必死に、剣を抜こうと、両手を離そうと身を捩るが、黒い手に、彼の腕にびくともしない。光の刃はチアキの鳩尾を貫き、背後の門を貫き、切っ先を世門に埋めていた。彼女が見上げるチアキの表情は、残酷な程に優しい。


「これで良いんですよ。アノ。これで、鍵乙女と世界を裏切った愚かな従盾騎士は、鍵乙女当人の手で討たれた。門も、蘇る」


痛みは感じていないのだろうか。いやそんな事はない。だが、チアキは決して顔には出さず、目の前の女性を愛おしく見つめる。もはや抵抗する事も出来ないほどに強張ってしまったアーノイスのその頭を、背に回した手でゆっくりと、慈しむように撫でる。

光刃の埋まった世門の表面に、黒く丸い染みが生まれた。そこから生まれる引力に、レラの門がチアキが引きづられる。アーノイスもまた、チアキに抱き止められたまま。そして、門を飲み込む程い広がった世門の孔がまずレラの門を吸い込んでいく。ゆっくりと、その染みに沈み込んでいくように。そして完全にレラの門が消え、今度はチアキの背中が孔に着く。もうここまでくれば大丈夫だろう、とチアキはアーノイスの両手を拘束していた黒い手と、自分の腕を放した。全くの力が入っていなかったアーノイスが一瞬彼から離れるが、すぐに手を伸ばし、チアキの服の両肩の部分を握りしめた。


「ダメ! 行かないで! なんで、なんで貴方が!」


両の目から止めどなく涙を零しながら、彼女は彼にしがみつく。そうしている内にも、徐々にチアキの体は世門に沈み込んでいく。もう既に、膝上の当たりまでが飲まれていた。無言のまま、チアキはアーノイスと自分の体の間に右手を差し込み、胸に穿たれた孔から何を取り出し、アーノイスの左手に握らせた。それは、血に塗れながらも満月のような色の光を放つ、掌に収まる大きさの宝玉。


神狼の隻眼ヴィ・アイトニィ。きっと、貴方を護ってくれます」


「こんなもの要らない! 私は、貴方が――」


叫ぶアーノイスの唇を、チアキは自らのそれで塞いだ。感じるのは、暖かさと柔らかさと、血の味だけ。短い口づけを終え、軽く、チアキはアーノイスの肩を押して離れた。既にその体は、胸の上しかこの世界に残っていない。


「アノ。どうか……」


昏き孔に、チアキが取り込まれていく。最期まで、彼は優しさと慈しみに満ちた眼を、彼女から逸らさなかった。


――いつまでも、笑顔で。


「嫌ああああああああああああああああああああああああ!!」


崩れ落ちるアーノイスから、涙の叫びが木霊する。真白の世門は、冷たい月明かりをただただ照り返していた。

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