ダルマサンガコロンダ 5
ふと、何かの物音に目を覚ましたキュリウム。
テントを出てみると、そこには両腕両脚を切られて倒れているフロシアの姿。
少女「だぁるまさんが、こーろんだ」
昨日の夢に出てきた、大鎌を持った少女が歌っている。
『ダルマ』になったフロシアを見下しつつ、「起き上がれるものなら起き上がってみろ」とでも言いたそうな歌い方。
焚き火の火は消えており、辺りはまだ暗い。
キュリウム「キャァァァァァ! ラ、ラグー!」
叫んだが、ラグは起きない。大鎌を持った少女は、キュリウムが見えていないかのように無視し、ラグに近づいた。
キュリウム「ラグーー!!」
少女は大きな鎌を振り、ラグの脚を両方とも根元から切り取った。痛みに目を覚ましたラグだったが、逃げることもできず、左腕までも切り取られてしまった。
あまりの激痛に、喋ることもできない。
そして少女は、さらに鎌を振り、右腕も切り取った。
少女「だぁるまさん、だぁるまさん」
少女の顔がキュリウムの方に向く。
それまで腰が抜けて動けなかったが、今までにないくらいに力が入る。
必死に走って逃げるキュリウムだが、急に倒れる。脚がなくなっていた。
あまりの恐怖で目が覚めた。辺りはまだ暗かったが、焚き火の明かりがあった。
隣ではラグがいつもどおり寝ていた。
テントから顔だけ出すと、座って焚き火の明かりで、手を使い本を読んでいるフロシアの姿があった。
それに気がついたのか、本を閉じてキュリウムの方を見る。
フロシア「起きたの?」
キュリウム「夢が…怖くて…」
フロシア「そうみたいね」
キュリウム「なんで…わかるんですかぁ…?」
フロシア「涙目」
キュリウム「あれ…私…いつの間に」
フロシア「まだ寝てた方がいい。時間あるから」
キュリウム「フロシアさんは寝ないんですかぁ?」
フロシア「私はいい」
キュリウム「そうですか…」
再びテントに戻り、さっきより少しラグに近づいて、キュリウムは眠りについた。