はかないメイド
時のぜんまいを巻き戻し、アルノン達。
エリーの首に突き付けられたナイフをそのままに、転送装置を使ってある場所へ。
アルノン「これでいいんでしょ」
転送先は、大企業ソリュートの城。数メートル先には城の主、サイモン=ソリュート。
偉そうな格好でイスに深く腰掛けている。厳格な、いかにもガンコ親父と言った様子。
城主「女を拷問部屋へ連れて行け」
アルノン「なっ! 条件と違うじゃない! 傷つけない約束でしょ!」
城主「姉がどうなってもいいのか?」
アルノン「ッ!!」
城主の命令に、周りに兵士達は一斉にエリーの前を囲む。
渋々、エリーからナイフを離すと、兵士達にエリーを渡す。
アルノン「姉は…お姉ちゃんは無事なの?」
城主「フロシアが来たらな」
アルノン「……お前の好きになんかさせない…」
城主「…。アルノンを女と同じ部屋に連れて行け」
アルノン「な、なんで私まで!」
近づいてきた兵士達にナイフで応戦するも、力量の差で負けてしまう。
そのまま首に剣を当てられ、拷問部屋へと運ばれていった。
メイド「ご主人さまー。ワインをお持ちし・・・きゃっ!」
ワインを持ってきた黒髪、オッドアイのメイドは、自分の足につまずきワイングラスが放物線を描く。
転んだ拍子にスカートが捲れ、きれいなお尻が丸見えに。
床にグラスが落ちると、軽やかな音と共に粉々に砕け散った。すっかり濡れてしまった。床が。
城主「…お前、下着はどうした」
メイド「私ってぇ、穿かない主義なんですよ~。だから、ブラも着けてないんですよ~。見ます?」
城主「…」
メイド「そ~いえば、いいんですかぁ? 自分の娘を拷問部屋になんてぇ」
城主「フロシアが来ればよい」
メイド「フロシアって誰なんです? あ、もしかして、ご主人さまの愛人とかですかぁ~?」
城主「…。今回はお前の能力が役に立った」
メイド「あれれ~? 図星ですかぁ? まぁいいです。私の能力が役に立って光栄ですぅ」
城主「一時間後の運命を見る能力。期待しているぞ。何か褒美を与えよう」
メイド「お金で」
城主「…」