フロシアの能力
そして、やはり最後に起きてきたのはシルファ。寝ぼけてベッドから落ちたものの、まだ寝ようとしていた。
ラグ「シルファ、そろそろ起きてください」
落ちた拍子にはだけた服を直しながら、シルファを起こす。
シルファ「ん…もう朝…?」
ラグ「朝ですよ」
和む空気が流れる。何とも平和な始まり方。が、何か忘れてない?
あんたら旅のメンバーを覚えているかい?
そんな事を言っているうちに、歯を磨いたり、着替えたりと、これまた平和な日常が広がっている。
もうこのままでいっか。和むもんね。
ラグ「…何か忘れてませんか?」
おっと、ラグが気がついたようだ。
シルファ「何を? 朝ご飯?」
ラグ「私達、誰と旅をしていましたか?」
シルファ「どうしたのいきなりそんな事。私でしょ、それからラグとエリ・・・」
ラグ「……」
ようやく気がついたようです、このバカ達。
さっきまでの緩やかな時間とは打って変わって、目まぐるしい速さで出発の準備をしていく。
フロシア「どうしたの」
ラグ「話すと長くなるんです。と、とにかく一緒に来てください」
一緒に旅をしていた仲間が誘拐された。…別に長くないじゃん。
そして、半ば強引に連れて行き、宿を出た。
シルファ「でさ、どこにいるの?」
ラグ「それは…。…フロシアさん」
フロシア「何」
ラグ「人を探して欲しいのですが…出来ますか…?」
フロシア「…」
ラグ「ダメでしょうか…?」
フロシア「…何かその人の持ち物は?」
ラグ「下着なら」
フロシアはそれを受け取り、犬に変身してしまった。
シルファ「変身能力?」
フロシア「そう」
そう言って下着の匂いを嗅いだ。さて、これを見た人は一体どう思うのだろうか。
あの漫画にもいたよね。変身能力を持った金髪の少女。
誰とは言わないけどね。