019 - かっこいいまじょさま -
019 - かっこいいまじょさま -
とてとて・・・
僕は立っている人間が誰も居ない王城、玉座の間を進み床に倒れているソアラちゃんを抱き起こした。
ぱあっ・・・
僕が手を翳すと魔法陣が輝きソアラちゃんが目を覚ます。
「あれ・・・ファビオラお姉しゃん!、わぁぁん、怖かったの!」
「よしよし、もう大丈夫だよー、ニコイチさんとグローリアさんはどこに居るか分かる?」
僕に抱きついて泣き出したソアラちゃんの頭を撫でながら僕は尋ねた。
「うん・・・このお部屋の隣」
「じゃぁ2人と一緒にお家へ帰ろうか」
ばぁぁん!
僕は国王陛下の指から指輪を抜き取った後、玉座の間の扉を吹き飛ばして廊下に出る、隣の部屋は・・・ここかな?。
がちゃ
「鍵がかかってる・・・」
しゅっ!
この扉を吹き飛ばすと中の2人が危ないから魔法で切断してお部屋に入った。
「お父しゃん!、お母しゃんっ!」
お部屋の中で倒れている2人に駆け寄るソアラちゃん、僕は近寄って手を翳し魔法を解除する。
「あれ・・・俺は・・・急に眠くなって・・・」
「おや、ファビオラちゃん、助けに来てくれたのかい?」
状況を把握できていないニコイチさんといつも通りのグローリアさん、怪我も無いようだし大丈夫そうだ。
「はい、僕絡みの問題で怖い思いをさせてごめんなさい」
「王様達はどうしたんだ?、あいつら俺達を人質にしてファビオラちゃんにいう事を聞かせるって言ってたぞ」
「全員眠ってるよ、永遠に目覚めないと思うけど」
そこまで聞いてようやく2人の表情が青ざめた、グローリアさんはお部屋の中で倒れている2人の騎士を見る。
「殺したのかい?」
「眠って貰っただけで殺してはないかなぁ・・・僕が魔法を解かない限り目覚めないし、解く予定もないけど」
「・・・」
僕と3人はお部屋を出て外に向かう・・・眠って貰ったのは玉座の間の周辺だけなのでお城の出口に近付くと髪のある人・・・平民の騎士が僕達を止めようとする。
「おい!、止まれ!」
ぱあっ!
どさっ・・・
「くぅ・・・すぴー」
「待て!、貴族を眠らせたのはお前か・・・」
ぱあっ!
どさっ・・・
「スヤァ・・・」
「おい、そこの・・・」
ぱぁっ!
どさっ・・・
「・・・」
「ファビオラお姉しゃんすごい!、手をぱあってしただけでみんな眠っちゃった!」
「殺して・・・ないんだよな?」
「うん、眠って貰っただけなので!」
「・・・」
どっ!、ずしゃぁぁ!
「無事に脱出成功っ!、もう夜遅いからソアラちゃん眠いかな?」
お城の入り口にある頑丈そうな城門を吹き飛ばして僕達は外に出た。
「ふぁぁ・・・大丈夫だにょ・・・」
「俺が抱いて行こう」
眠そうなソアラちゃんを抱き上げるニコイチさん、まだ街の中には騎士達がいるだろうから宿まで3人を送って行こう。
そんな事を考えていると僕の前にフードを目深に被った2人が現れた。
「・・・皆殺しか、相変わらずやる事がえげつねぇぜ、城の中には俺の組織の人間も何人か潜り込んでたんだがな」
聞き覚えのある声だ。
「ロドリゲスくん久しぶり!、エンリケスくんはこの前会ったばかりだよね、中の人達は眠って貰ってるだけで誰も殺してないよ」
「そうなのか?」
「うん」
「じゃぁ後で組織の人間を目覚めさせてくれ」
「いいよー」
「城門を派手にぶっ壊したのはまずいな、街の人間が金目のものを狙って入るんじゃねぇか?」
エンリケスくんが砕け散った城門を見て言った。
「まだ平民の騎士が大勢居ると思うから大丈夫じゃないかなぁ」
「大丈夫じゃねぇぜ、城の中で王も寝てるんだろ、恨みを持ってる騎士も居るだろうしそいつらが殺しちまったらどうするんだ?」
「それならお城の奥に入ると眠くなるようにしておこうか?」
僕はお城に魔法を仕掛け、ロドリゲスくん達と別れて3人を宿に帰した。
3人にはもう一度巻き込んだ事を謝った、僕が魔法を使ったり城門を壊しているのを見ているのに3人の態度は前と変わらない、逆に助け出したお礼まで言われてしまった。
「お姉しゃんかっこよかったの!、王様の前に立って動くなって言ったらみんな動けなくなったの!」
どうやらソアラちゃんの中では優しい魔女様からかっこいい魔女様に格上げされたようだ。
僕は3人に見送られながら家に帰り、疲れたからベッドに潜り込んでそのまま翌日の夕方頃まで熟睡した。
あれから2日が過ぎ街は外出禁止が解除された・・・っていうか騎士が居なくなったから街の人達は普通の生活に戻っている。
だんだんっ!、だんっ!
ばきっ!
どかどか・・・
「・・・い・・・」
「おい!、起きろ!」
ばさっ!
ごろごろっ!
ごっ!
「痛ったぁぁぁい!、机の角ぉぉ!」
夜寝ていたら誰かが勝手にお家に入ってきて僕の布団を引き剥がした、勢い余って床に転げ落ちテーブルの角に後頭部を強打する。
「だっ・・・誰?」
「俺だ」
僕の前にはベネットおじさんが立っていた、何でこの人は僕に対していつも暴力的なんだよ?。
「眼帯・・・取って」
僕はベッドの横に置いていた筈の眼帯を手探りで探す。
「ほらよ」
ぱしっ!
おじさんが僕の顔面に向かって眼帯を投げつけた・・・。
「なんで投げるのさ!、手渡してくれてもいいでしょ」
「城に入った俺の部下が一人眠ったまま起きねぇ、エンリケスのとこに行ったらお前が城に眠くなる仕掛けをしてるって聞いた、早く起こせ」
「ちょっと待って・・・着替えるから出て行って」
「今さら恥じらうな、一緒に風呂に入った仲じゃねぇか」
「・・・」
「・・・着替えたよ」
結局僕はおじさんの前で下着姿になって着替えた。
がしっ!
担ぎっ!
「ひっ・・・待って、降ろして!」
おじさんが僕の腰を抱き抱えて肩に担ぎ、そのままデュラハァーンちゃんに乗って街の中を疾走する。
「あぁぁぁ!、落ちる落ちる!、降ろしてぇぇ!」
「うるせぇ!、喋ってると舌を噛むぞ」
「ひぃぃぃ・・・」
読んでいただきありがとうございます。
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