第6話
一定間隔に魔法灯が付いているから、足元に不安なく降りて行ける。
多少暗くてもファンナは夜目が効くから、心配なく降りて行けたりする。何度かの折り返しで、かなりの深さに降りていくと、階段が終わり、横開きのドアが現れた。ネイチャーが持っていたスタッフで叩くと、扉が開いていった。中から誰か開けたような気配はしない。
「ほう!」
後ろに付いているシィーは感心している。
部屋の中には大きくて透明なシリンダーがいくつか置かれている。人も入れそうな大きさがある。その台座には怪しい光が明滅している石が複数ついていてシリンダーを照らしていた。手前の二つは空だったが、三つ目のシリンダーの前に人が立っている。明かりを後ろから受けているシルエットからして女性のようだ。
パチン ジィジィと音がして部屋が明るくなり女性の姿がわかるようになった。
「…よっ…こそ、いっいらっ…しゃい」
ボソボソと、途切れ途切れにしゃべってきた。目を隠すように流れ腰辺りまで流れる髪は黒。体の線がわかるようなワンピースはプルプラパープル。デコルテが見える胸元からお見事な胸の谷間を作る透けるような白さの乳房。黒髪が隠してもわかる張り出している腰のライン。妖艶ともいえる姿の君は、
「根暗の引きこもり魔女スターシス ヤァー あんたかぁー」
呆れたように落胆したようにシィーは、こぼしている。
「シ シィー もひさっ ひさしぶ り」
スターシスはボソボソと、そして引っかかりながら呟いている。ちょっとしたコミュ障だったりする。
するとネイチャーがスターシスの方へフヨフヨと飛んでいき、頭の上に座った。
「ちょっと代わるわね」
まず、スターシスが頭の上にいるネイチャーを右肩に下ろし、口に拳をつけて咳払い。
そしてネイチャーは大口をあけて
「アッ アッー 」
発声練習をしてから、喋り出す。
「ようこそ、いらっしゃい。ファンナ。いつもありがとうね。ランチパックはシアターにお礼を伝えてもらえるかしら」
ボソッと呟くスターシスと同じ音色でネイチャーが喋っている。綺麗な声で流暢に話している。
「シィもひさしぶりね。でもねぇ根暗はないんじゃないの?」
さっきとは全く違い流暢にしゃべっていく。
「こんな風に私の言葉を話してくれるのがネイチャーなのね」
よっと手を上げて自慢するネイチャー。
「アストラルリンクを使って言語野に伝達する前の意識をネイチャーに送ってしゃべっているの。規 管的な障害がないから綺麗に話できるのね」
「チェンヴァン(すげぇ) 15文字以上話してる!」
驚いているようで細めなシィーの目が丸く開かれた。
「すげぇだろー」これはネイチャーの素のこえ。
「次は僕の番」