表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/21

第5話

よろしくお願いします

  壁には蔦が絡まり苔まで生えている屋敷があった。雨戸が閉じられ(いくつかの戸は腐って崩れている)人が住んでいるようには見えない。

 ファンナは建物を回り込み、裏手にある物置小屋へ向かう。後ろにはきょろと警戒しながらシィーがついて行く。

 壁に積まれている薪には何やら怪しいキノコが。

 その小屋に向けて、ファンナは、

「ナッフ ホッジボッジー (寄せ集め)」

「なにがジャンクだぁー」 

シィーもポツリ

「ユゥンライるーつーぁ ザックォ」(なるほど ガラクタ)」

「ニィ ダァ こいつも」(てめえ しばくぞ)」

 ひと抱えですみそうなものが小屋の入り口から飛び出してきた。

 黒光するウィッチハット、朱色のバルキーヤーンの長い髪。大きく開いた口。パッチワークのケープコート。手作り感いっぱいの人形である。

それが人語を喋りながらファンナの頭の周りをグールグールと飛び回っている。

「ちわー ネイチャー 相変わらずの元気だねー」

「オマエの失礼な喋りもだろー」

「つれないなぁ。折角、来たのに」

「たいした用事でなきゃ帰れ帰れ かーえーレー」

ファンナはバックパックからシアターから預かったランチパックを出し、

「青鷺亭のシアターからのランチパックだけど、中は川エビだよー、塩味の餡を皮で包んで蒸したのだよー、中の汁が旨味いっぱいだよー、それでもっていうなら帰るけど」

 挑発するように片足をパンパンとリズムをとりながら喋っている。

「ウグゥグゥグゥっ」

 ネイチャーは体を震わせて思案している。チン

「オープンゲート」

 食欲が勝ったようだ。ネイチャーの大きな口元からよだれがタラリ。

 建屋の壁の一部が滲み出し、ポッカリと矩形の穴が現れた。地下へと降りる階段が見える。

「着いてきな」

 ふわふわと飛びながらネイチャーは二人を連れて地下へと降りていった。何度が折り返し地下深く降りていく。


ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ