第3話
「姉さんありがとー」
ファンナは地面に落ちた魔石を回収して、更に拵えを拾い上げ彼女に近づいていく。
すると、ずいっと顔をファンナに近づけて
「おっおまえっー だれねぇ」
片言な言葉を出してきた。ファンナは片方の口角をあげ、サムズアップで自分の胸を指し、
「ハッシュロック」
「ブゥ ウォブシナァ ハァンぐゅ シャウネ 違う 違うしぃ」
実を言うと、この国の言葉がシィーはあまり話せない。混ざってカタコトになってしまう。シィーは両手を振ってファンナが言った名を否定している。
ファンナは腕を組み思案顔で
「ユゥシアルグ ディでアングゥ じゃあ、お姉さん。この後は時間ある? あればついてこれるかな?訳は話すから」
すると横合いから、街の治安を預かっている衛士が近づいてきた。
「誠にすみません。英傑の方と見受けられますが公の通りでの刃傷沙汰ですので、一応の事情聴取に協力お願いいたします」
衛士のまとめ役らしき装いをしたものが胸の前で腕を構えて、礼を持って迎えに来たようだ。
シィーは腑に落ちない表情をしている。言葉が尊敬しすぎて理解できないようだ。 折角だから通訳してみた。
「ゲンウォゥ ライゲン グゥんウォゥ ショーヴァ (一緒に来い。話を聞かせろ)だって」
「ヴぅ マンディアルダン ジェイしよー (不本意だけど了承ね)わかったよ」
うんざりした顔してシィーは返答する。衛士たちは、ほっとした顔をしてシィーを詰所へ案内していった。数人の衛士が残っている。その中の1人がファンナに近づいて、
「俺はクラウス。衛士隊の副長やっている。君が最初に魔族と接触したとも聞いている。君も一緒に来てもらえるかな」
「僕、ファンナっていうの。うん!ではなく、わかりました」
一応、緊張しているように見せかけではあるが上目遣いで返事をする。
「でー。お願いなんですけど荷馬車を借りられないですか?」
クラウスは、どうにも腑に落ちないといった言った感じがしているようで。
「何を運ぶのかな?それによるよ」
「実は」
ファンナは片手で口元を覆い、内緒ポーズで、
「あの英傑と、この後に貴族街に行くことになりましてー。鎧を着たままでは中に入れないから脱いでもらって荷物にして行こうかと」
シィと行くことを告げるとクラウスは、近くの部下に指示を出して荷馬車の手配をしていった。
「かの方のお役に立つならね。大至急で用意するよ」
「やったー」両手を上げて喜んだ。。
「今後もご贔屓に。青鷺の枝束亭に来た時はおもてなしさせていただきますね」
一応に商売っけを出しておく。
ありがとうございます。