第17話
よろしくお願いします。
カートを引っ張って坂道を登っていく。これぐらいではへこたれない身体能力は充分あることは知っている。実際に負担は少ない。
山の中に入ってしばらく走り、記憶に残る風景の場所で、
「確か、この辺りだね」
ファンナは辺りを見渡し、
「ローザ!聞こえる。アセナ神に話を伝えて、結界を解いてくれって」
しばらくしてファンナの前の風景が2重にぶれ、そして消えていく。ローザリンデは白い獣を抱えて座っていた。それを囲うように、やはり白い獣が覆っている。
「お兄ちゃん、おかえりなさいで良いかな?待ってたよ」
安心したような声色でローザリンデは答える。
「ごめんね。カートはあまり飛ばすように出来てないからね。時間かかっちゃった」
満たされた水樽をふたつ積み込み、運ぶため、車輪も太く大きい。車軸やフレームも頑丈一辺倒になっている。
「アセナ神、早速だけど乗ってくれる。カートの後ろを下げるから胸から滑らせて」
ファンナはカートを白く大きい獣の前に移動させる。持ち手の轅を上に引き上げるとカートの後部が相対的に下がっていく。獣が前足をかけられる程度に下げていった。アセナ神は台座のレールに前足をかけると体を引きづり上げていく。
「グゥ」
どうしても後足が動いてしまうし、力も入ってしまう。かなりの苦痛があるはずだが最初の唸り声以来、声を上げていない。ある程度ずりあがった段階でアセナ神の下側にファンナは入り込み、手伝っている。
ローザリンデとホウランはアセナ神の背に乗ってもらった。
全身を乗せきって、ファンナは轅を引きさげ、ひいていく。丁度バランスが取れているせいか、ファンナ1人で動き始めた。
「じゃあいくね」
森の中の道は平坦に近かったので、そう問題にはならたかったのだろけれど、森を抜けて坂を降り始めた時に構造上の問題が出てきた。
下り坂で勢いがつき始めると速度を緩めることができなかったのだ。平坦路を重量物を運ぶのを前提に作られたおかげで車輪の回転を制御するブレーキが付いていなかった。
下り坂て勢いかがつき始め、スピードを抑えるのもファンナの足だけが頼りとなってしまう。もう、止めることはできなくなっていた。
「こっ、これは、きっ、きつい。ごめん止まらないや」
「「「ちょっと」」」
で、その時がきた。車輪が拳大の石を踏んでしまい、轅を跳ね上げてしまった。ファンナは後ろに投げ出されてしまったのだ。
「うわぁ〜」
ありがとうございました




