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第11話

よろしくお願いします

「ただいまぁ、配達終わりました」


 枝束亭の裏口から入っていく。お日様が天頂へ近づいてきてる時間帯。食堂にお客も大分入ってきていた。厨房で煮物を調理中のシアターから声がかかる。


「おかえりなさい。ひと休みしたらローゼマリアたちの迎え頼めるかな」

「いいよ。2人は何処に?」

「高台の森。ギルドからの薬草収集クエへ行くというから、ついでに肉用の香草を頼んだよ」

「わかった。すぐ行くよ」


 釜からシアターが裏口まで来て、


「何言ってるの、朝だって公爵様のお屋敷まで行ってるのでしょう。少しでも体を休ませなさい。若いからって疲れは溜まってよ」


 僕を気遣ってくれるのがわかる。言葉は厳しいけどシアターは優しい。嬉しくなってくるよ。


「じゃあ、水を飲んで、ひと休みするね。ありがとシアター」

 ニッコリと笑い返してくれた。そして釜に戻り調理を続けていった。


(シアターも休まないよね。人には言うくせに)

(ああっそうだな。でも良い顔見られた)


 僕の中の人とコミュをとった。先日から話をするのが増えてきたかな。


「さあ、2人を迎えに行きますか」

(体の方はダメージの蓄積なし。良好だ)

(言われたことは守らないとね)


  裏の大水瓶から厨房用の瓶へ移した水を器一杯汲んで、ゆっくりと喉に流し込んでいく。なんか体に染み込んでいく感じがする。飲みきり、厨房から出た。裏庭で膝を掘進。休憩に丁度良い太幹に腰掛ける。少しだけ時間潰しにボーッとして空を眺めてみた。抜けるような青の世界。数羽の小鳥が戯れながら飛んでいく。平和かなぁ。そうしてサンダルの網紐を締め直し、出発。


 街を川上方向へ行くと丘になり木々が茂ってくる。山々から平地の境にあって高台の森と言われている。地名もあるようだけど聞いたことないよ。生い茂る木々の葉が適度な光量に調整して下草も豊富に生えている。食べられるもの、香草、薬草が豊富に植生している。豊富な栄養源でもあり、それを食料に小動物から大型の獣も多種多様にいる。

 ギルドから定期的に薬草採取のクエストがあり、低級や若年の冒険者が収入の基としている。そこへローゼマリア、ローザリンデの2人が森に入り薬草集めをしている。


 高台の森へと続く坂道を走って行く。上り坂は歩幅を小さくリズムよく、上へという体重移動で登る。そうしないと疲れるし膝とかの怪我もしやすい。

 ふっふっふっとリズムを取りながら坂道を登って行く。木々が立ち始め茂ってきた。森に

入ったのだろう。人の往来か道を作り歩道ができている。しばらく進むと人が立っているのか見えた。子供だ、何か白いものを抱えている。更に近づくと向こうも気づいたようで、 


「ファンナ! どうしよう」


 ローザリンデだ。小さい獣、いや獣の子を抱えている。


「どうしたの?」

「この子、怪我したの。なんか罠にかかったみたいなの」

「なんですと」


ありがとうございました

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