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シャボン玉の少女と妖精の森  作者: よいずみ よもり
14/20

その14 悲しみ(Part. S)

「ゆきうさぎさんたちっ!!」


サピアが嬉しい声を上げると、私達と一緒にいたゆきうさぎも跳ねて仲間達に混じる。

そうなると、もうどれがだれだか分からなくなってしまった。

ま、よかったね♪


ゆきうさぎ達は冷気をまといながら蛇へと近づけば、なにやらチチチと交渉を始める。

一区切りついたあたりでライ君に聞いてみたところ、どうやら一緒に住もうということになったという。


いきなり土足でお邪魔しちゃったのは悪かったけど、今の蛇からは敵意はもう感じられなかった。


「ライ君さん、どうして今のタイミングで出てきたのか、聞いて頂けますか?」


シャムが変な語尾で通訳を頼めば、その理由もわかった。

どうやらあたし達がシャボン玉に包んであの子を持ってきたから、密猟者か何かだと思って隠れて様子をみていたのだという。

彼らにしてみれば先客で洞窟にも帰れず、密猟者にも追われていると思って板挟みだったわけだ。


「さ、それじゃあゆきうさぎも届けたし、帰りましょうか♪」

「はい―!」


一匹のゆきうさぎが前に出てきて頭を下げると、一同も頭を下げる。

一行は手を振ってその洞窟を後にした。


「あの…ハーミア、さん…ライ、君…手伝ってくれてありがとう。」


森の方面に戻り始めると、おずおずとサピアが二人の助っ人にお礼を述べた。

すごい…あの怖がりな子が、自分から声をかけるなんて!!


「全然だよ~!蛇はびっくりしたけど、皆で住めるようになってよかったね♪」

「うん♪」


満面の笑顔のサピア、それにつられてほっこり笑顔なシャム。

きっと今の私も、おもいっきり頬が緩んでいることだろう。

と、安堵したからだろうか、その時思い切りお腹が鳴った。


「あはは( *´艸`)すごい魔法も沢山使ったもんね♪」

「…(*ノωノ)」


うわぁ…やちゃった!!

顔がかあっと熱くなるのを感じつつも、皆の笑顔に癒される。

ハーミアさん、フォローありがとう。


「そろそろどこかでお昼に…あっ―!!」


今度はシャムが真っ赤になった。

おいおい、どういうことだい?


「あの…すごく申し訳ないのですが…あの竜の炎を防ぐために投げた鞄の中に…」


お昼が入っていたか~( ;∀;) ( ;∀;) ( ;∀;)!!!!!

この日一番の悲しみが、私達を襲った瞬間だった。




その14 終

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