表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シャボン玉の少女と妖精の森  作者: よいずみ よもり
1/20

その1 雪解けの頃(Part. H)

冬ももうじき明ける頃。

村に吹き込む風の色にも、ようやく和らぎの兆しが出ていた。


「いらっしゃいませ、ようこそ妖精の森の村へ(*’▽’)♪」

「さむっ―!?こんな所なのか;」「あはは;はい…こんな所です。」

「…あ、いやいや、すまんね;」


転送術士協会、通称“ワープ屋”。

その支部の1つである“妖精の森支部”は、新開拓された新しい支部だ。

ワープ屋は全国の支部間の転送術による安全な輸送管理のために存在している。

足元に常設された転送陣の向こう側は、常夏の島であったり、もっと寒い山の上だったり、はたまた王都の中心地だったりするのだ。


「あのう、よかったら防寒具、買っていきますか?」「是非頼む―!」


事前情報がなければ、半分裸みたいな冒険者が突然やってきても仕方ない。

だからこの村のワープ屋では、村で作った外套や帽子が良く売れる。


この日、何着目になるか分からない商売を終えると、一緒に防寒具のラインナップを考えた不在の先輩のことを思って、机に突っ伏しため息が出た。


「(先輩…いつ帰ってくるんだろう;)」


想い人がいるのは良いことだけど、お昼ご飯を届けるからって、お手伝いの私に仕事を長~く任せきりにするのは頂けない。でもなあ…毎日お弁当を二人分作る健気な姿を見せられちゃうと、あんまり文句を言うのもなあとも思ってしまったり;


ぐるぐるする頭をもたげると、ひらりと新手の受付表がワープされてくる。

さてさて、新しいお客様は…。


「-(女の子と妖精さんが二人っ!?)」


受付表に記載された被輸送者の情報の珍しさに驚きながら、慌てて魔法陣の前に移動した。


その1 終


ひとこと事項


・Part.H

ハーミアを一人称とする場面


・ハーミア

 転送術士を目指す少女。転送術士の国家資格を得るために上京し、魔術学校スコラ・リンデに学生として通っている。放課後は転送術士協会でアルバイトをしている。


・転送術士

転送魔法(ワープ魔法)を専門とする生業の者の総称


・転送術士協会(ワープ屋協会)

 主に転送術士達が運営する組織。ジルオール王国を含むいくつかの国家では、国家資格として認められた転送術士が拠点間の安全な輸送業務に関わっている。


・妖精の森の村

 ジルオール王国第三王女・アリーシャによる友好事業として人間族フロンティアに建設された種族間交流地の1つ。まだ新設されて間もなく、住民の中には移民も多い。


・妖精の森

 様々な種族が生息している未開の森林地帯。


・転送術士協会「妖精の森」支部

 妖精の森の村に設置された転送術士協会の一支部。支部長は元・王都第5支部所属のオリヅルであり、同支部所属のハーミアが出張で彼女の業務補佐を行っている。ワープ魔法を補佐する魔法陣と受付、支部員の居室からなっている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ