アリスとチェスをして…
「僕のいる世界ではない?」
「ええ。貴方はこの世界にはいなかった。でも、そっちの世界で何かが起きて、ここに来たんだと思うわ。詳しいことは分からないけどね。だから、貴方にとって普通のことが普通でなかったり、ありえないことが起きてたりするかもしれないわ。貴方が驚いた人形みたいにね」
「何かが起きてここに…」
「恐らくね。この子達はシャンハイとホウライよ。優しく接してあげてね?」
「あ、うん」
「さてと、もう寝る?」
「え?あっ、すみません。まだ眠たくないです」
「そう。疲れてないなら少しだけ遊ばない?」
「何して遊ぶんですか?」
「チェスは分かるかしら?」
「うーん。聞いたことは」
アリスはチェスを持ってきた。
そして彼女はそれを並べる
「これがポーンで真っ直ぐ1マス進むことができて…」
…あっ、思い出した
「思い出しました」
「すぐに思い出せたのね。記憶も全てこうやって戻るといいわね。それじゃあ始めましょうか。私は手加減しないわよ」
カツ、カツ、コツ、コツ
無言で互いに置いていく。
「そんなに真剣にならなくてもいいのに」
「え?」
「貴方まるで命を賭けてるみたいな顔してたわよ」
アリスは笑いながら言った。
「そんな、命なんて、ただ真剣にやっているだけですよ」
コツ、コツ、カツ、コツ…
「チェック」
アリスは言った。
コツ、カツ、カツ、コツ…
「チェックメイト」
僕は言った。
「強いわね。もう1回やりましょ?」
もう1回やる
「もう1回やりましょ?」
…
「もう1回やりましょ?」
何度も何度もやって僕は全勝した
「もう1回…」
「次で最後にしましょ」
「え?」
「かなり時間経ってますよ」
「そうね。じゃあ、この子達を使うわ」
そう言ってアリスはシャンハイとホウライを持ってきた。
今回から次回予告を付けようと思います。
ア 可愛い男の子がうちに来てくれましたー!いえーい!!
僕 可愛いとか言わないでください。あとアリスさんってそんなキャラでしたっけ?
ア 次回予告ではキャラは変わるのよ。それが普通よ
僕 普通…
ア 次回 『祈れば人形に願いが届く』
僕 普通ってなんでしたっけ?