Twitterで「#RTした人の小説を読みにいく」を利用した、下劣な宣伝をする作者への苦言
前略、Twitterで小説書きやその読者に広く知られている、「#RTした人の小説を読みにいく」。いつからかは分からないが、それに自分の小説の宣伝を載せる作者が目立つようになってきた。
私がTwitterのアカウントを作ったのが今から二年くらい前なので、それ以前から既にそういうことがされていたのかどうかはちょっと分からない……申し訳ない。ただ、私の感覚ではここ半年で一気に増えた気がする。
私は、RTした人の小説を読みにいくタグ(以下、読みにいくタグ)に宣伝を載せている作者を見かけると、即ブロックしている。理由はただただ気分が悪くなるからだ。なぜ気分が悪くなるかは後述するとして、まず、読みにいくタグがどういうものなのかを客観的(主観はないつもり)に説明する。
読みにいくタグは読んで字のとおり、ツイート主が「読みにいく」ものだ。読みにいくと言っているから、ツイート主は読み専、もしくは作者兼読者でなければならない。当たり前だが、小説を読むつもりなく使うものではない。
私は読みにいくタグを、小説を読むという目的(読者として)でしか使ったことがない。なので、応募する作者の気持ちは想像でしかないのだが、自分の小説を読んでほしいと思わなければ使わない、ということは分かる。
宣伝を載せているということは、ツイート主は自分の小説が宣伝されることを見越してツイートしていることになる。たとえ、ツイート主がRTした作者の小説を読むつもりでも、宣伝を載せていないツイートと比べれば、読む意思が薄れて見えるのは言うまでもない。
それだけならまだいい。私が何に一番気分を悪くしているかというと、RTをする人がこの作者の小説を宣伝しようという意思に関わらず、宣伝が拡散されてしまうことだ。
そして、そのツイートを見た小説投稿サイト利用者が、私と同じように不快感を感じ、私を含めた全ての小説書きのイメージまでもが悪くなったら、堪ったものじゃない。
Twitterではよく、読みにいくタグとは関係がない、純粋に宣伝をするためだけのツイートを目にする(というか、それが普通だが)。
例えば、小説投稿サイト内であまり知られていない作者が宣伝ツイートをしたとすると、それが拡散されることは、余程良い小説でなければ稀だ。
しかし、読みにいくタグに宣伝を載せると、小説の良し悪しに関係なくそれが拡散されてしまう。極端なことを言えば、RTした作者の小説を読まなくても、宣伝を載せたツイートに読みにいくタグをつけるだけで、普通に宣伝ツイートをするより、遥かに多くの人の目に小説の宣伝を届けることが出来る。
こういうスパム行為スレスレの、明確な悪意を持った作者に言うことはない。私が何かを言ったところで変わらないだろう。ただ、せめて「みんながやってるから、なんとなく自分も」と、特に何も考えずにやっている作者は、少し考えてみてほしい(無知も罪だと思うが)。
あなたが「なんとなく」でした宣伝によって、あなたの印象が悪くなり、苦労して産み出した小説までもが、内容の良し悪しに関わらず読むことを避けられることになるかもしれない。あなたはそれを受け入れられるだろうか――
今のところ、なろうの利用規約ではこの行為を裁けない。しかし、私のようにただただ不快に感じる人間もいる。
最終的にはモラルに訴えることしか出来ないのが悲しい。ただ、このエッセイによって、一人でも多くの小説投稿サイト利用者が考える機会をつくってもらえれば、私がこれを書いた目的の三割くらいは達成したことになるだろう。
最後に、なろう内外に関わらず、作者と読者の両方が気持ちよく交流出来ることを願って。意外と作者は見られているよ。