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おせち?それおいしいの?はいおいしいです

お題:理想的な正月 必須要素:くさや 制限時間:15分


「おせち?」


 その少女はおせちという言葉を知らなかった。

 おかげで「お世辞」の言い間違いではない事を何度も説明したのだが、理解させるのに10分は要しただろうか。彼女はお世辞にも頭がいいとは言えない。


「ああ、あれがおせちなんだ」


 っていうことは一応食べてはいるみたいだ。

 これなら「おせちの中でどの具が好きか」という、班で行われたインタビューにも軽々に答えてくれるだろう。


 なのに彼女は「たくあん」とか「くさや」とか「ふじっこ」とか言う。

 どれもそう、お世辞にもおせちとは言えない。最後に至っては、それは商品名ではない!


 最終的に私は自分の理解の無さというか、何というか、貧乏であるという事がどういう事か分かっていなかった自分を恥じた。


 彼女が言ったたくあんは、栗きんとんの代わりにたくあんをボール状にカットしたものだったし、ブリの代わりは、どこから手に入れてきたか入手元不明の謎のくさやだったし、黒豆だけはふじっこだったので何とか黒豆という回答で提出する事ができた。


 彼女の正月は普通の人からしたらひどいものなのだろうけど、私は家族の中で正月を精一杯楽しもうとする心に、何かちょっと感激した。

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