第一話新しい街で
ここは、とある街の駅前。そこに、二人の少年少女がいた。
「へー、けっこう都会なんだ」
少年はそう言って辺りを見渡した。少年の名前は『神崎 真哉』(かんざき まさや)彼は今日この街に引っ越してきたばかりだった。
「それはしかたないよ、私達が居た所が田舎すぎたんだよ」
そう言っているのはもう一人の少女
「神崎 光」
(かんざき ひかり)だった、彼らは一応兄妹だった、一応と言うのは彼らが血の繋がらない義の兄妹だからである。
「まぁ、たしかに田舎だったな、あそこは」
彼らが前に住んでいた所は、ほとんど村と言ってもいいくらい人口が少なかった。
「けど、あそこも良いところだったよね♪」
と、周りを珍しそうに見渡しながら光が言う。
「ほら、そろそろ行くよ」
「あっ、待ってよ〜」
そう言いながら、二人は歩きだした。
僕達が向かったのは、これから住む予定のアパートだった。駅の近くにあって、学校にも徒歩で通える距離にある、なかなか好条件のアパートだった。まぁ、その分少し古い建物だと言うことは気にしないでおこう。
「あっ、あれじゃないかな?」
そう言って指をさす光の視線の先を見ると、木造のアパートが見えた。
「うん、多分あれだね」
「じゃあ、あそこまで競争♪」
「えっ、ちょ、ちょっと待ってよ」
僕はいきなり走りだした光を慌てておいかけた。
「ハァ、ハァ、に、兄さん、早いよ」
息をきらしながら、上目使いに僕を見上げる光。くぅ、か、可愛いっ、少し長めの髪に整った顔、美人とゆーより美少女なかんじだ、それもかなりの。
「光が遅いのが悪いんだよ」
なんとか平常心をたもってそう言い切った僕は、慌てて階段をのぼり、僕達の部屋である203号室に急いだ。
「あっ、兄さん待ってよ〜」
光も僕の後をおいかけてくる。
これからの生活僕はどうなることやら。