第九話続・いつもの日常
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朝と言うのは一般的に、清々しいとか爽やかみたいなイメージがあるけど、僕の場合はまったく違う。
眠い、とにかく眠い。朝に弱い僕が思う事はこれだけだ。
そして、僕の朝の苦労がもうすぐやってくる。
それは、そっとドアを開けて、
「兄さん!起きろー!」
おもいっきり、寝ている僕の上へダイブ!
「ぐふぉ!?」
痛いです。めっちゃ痛いです。毎回これでは身がもちません。
「い、いい加減この起こし方止めてよ光」
僕は、毎回朝から僕の事を半殺しにする妹の光に懇願する。
「だ〜め!兄さんは普通の起こし方じゃ起きないんだもん。そんな事言ってないで早く朝食作ってよ」
そう言うと、部屋から出ていく光。理不尽に思いながらも、僕は学生服に着替えて台所に向かった。
トーストとハムエッグに、インスタントのコーンスープと言う簡単な朝食を作って、それらをテーブルに置いてから自分の椅子に座る。光も座ったところで、一緒にいただきますと言ってから食べ始める。
「あ、そうそう兄さん知ってる?もうすぐ球技大会があるんだって」
光がいきなり、思い出したように言う。
「へ〜、そうなんだ。なんでそんな事知ってるの?」
「友達に教えてもらったの」
僕は、人見知りの激しい光にたった一日で友達が出来たのに少し驚いた。まぁ、喜ばしいことではあるけど。
その後も、光と少し話しをしながら朝食を食べて、食べ終わった後に片付けをしてから、僕達は一緒に家を出た。
学校に到着すると、昨日覚えたばかりの自分達の教室に向かう。
教室の中に入って、自分の席に座ると、隣に座っていた男子が、
「よっ、おはよう」
と、挨拶してきた。
「おはよう。ええっと…」
僕が相手の名前がわからないでいると、それを察したように、
「俺、西田誠よろしくな!」
そう名乗ってきた。「うん、よろしく」
と、僕も笑顔で答えた。
その後も、西田君と色々と喋っていると、チャイムが鳴って先生がやってきた。
SHRが終わると先生が教室を出てから、違う先生が入って来て、早速一限が始まった。
最初の授業は、昨日僕が遭遇した魔族に関する話しだった。
魔族について簡単に説明すると、下級、中級、上級に分かれていて、下級の魔族は知能も低いしあまり強くもないらしい。
中級になると魔法が使えるようになるらしい、多分昨日の魔族は中級だったのだろう。
そして上級になると、人の言葉も理解できる程の知能と高い戦闘力があるらしい。
後、更にその上のレベルの魔族を魔王と呼ぶらしい。
魔王についてはあまり多くの事は知られてないが、圧倒的な力を持っているらしい。まぁ、仮にも魔王なんて呼ばれてるくらいだからかなり強いのだろう。それと、もう一つ魔族と似たようなもので、神族と言う物も居るらしい。基本的には魔族と同じで下級、中級、上級に分かれていて、その上に神王と呼ばれる存在が居るらしい。
授業の話しを簡単に説明すると、こんな感じだ。
最初の授業の後は、数学とかの授業で、普通の高校とあまり変わりなかった。ただ一つ変わった事は、前に居た高校よりも授業内容が難しい事くらいだけど、勉強があまり得意ではない僕的には、かなり大問題だ。
午前の授業が終わって、今は昼休み。食堂に行く人や、現在戦場になっているであろう購買に行く人も居た。
その中で、僕は持ってきた弁当を食べようとしたところで、
「今から昼食か?」
と、零さんに声を掛けられた。
「はい、そうですよ。零さんもですか?」
「ああ、そうだ」
「じゃあ、よかったら一緒に食べませんか?」
「む、いいのか?」
ちょっと控え目に零さんが聞いてくる。
「はい、一人で食べるより二人の方がいいじゃないですか」
「そうか、ならお言葉に甘えさせてもらおう」
そう言って空いてる椅子に座って、持っていた袋を机に置く零さん。その袋の中にはコンビニ弁当やおにぎり、飲み物にイチゴ牛乳があった。それを見た僕の感想は、
(イチゴ牛乳って…、零さん、可愛い所もあるんだなぁ)
と言う、少し不健全なものだった。
早速食べようと僕達が箸をもった時、
「兄さん!一緒に食べよう!」
いきなり光が隣から大声を出したので、あやうく弁当を落としかけた。
「い、いきなり大声出すなよ光!」
「そんなの知らないもん!」
文句を言った僕に光はそう言うと、自分の弁当を食べ始めた。
どうして光が怒ったか分からない僕と零さんは思わず顔を見合わせた。