王子が選んだのは聖女でした。でも私を選んだのは聖者でした
「――というわけだ、クラリス。君ならこの決定の正当性を、理解してくれるだろう?」
目の前に差し出された書類には、私と第一王子ディオン殿下との婚約解消、および聖女アリアとの新たな婚約が記載されていた。
整った顔立ちに浮べているのは、申し訳なさでも、心苦しさでもない。
「自分は国の未来のために、完璧に最善の選択をした」という、絶対の自信に満ちた表情。
「聖女の聖気は、我が国の国益に直結する。君の政務能力や王妃教育の成果は疑いようもない。だが、それらは時間をかければ育成できる。一方、聖女の力は唯一無二だ。」
その声音には、人の人生を左右する決断を下しているという重みが欠片もなかった。
彼は、私を愛したことなど一度もなかったのだろう。
彼が見ていたのは『クラリス』という人間ではなく、『優秀な王妃候補』という肩書きだけ。
「……承知いたしました、殿下」
「おお、分かってくれたか! さすがはクラリスだ。君ならそう言ってくれると思っていた」
心底安堵したように微笑む殿下に、私は胸の中で静かに、そして完全に別れを告げた。
「ええ。殿下が『聖女』をお望みであるなら、私がこれ以上、今の立場に固執する理由はございません。……どうぞ、お幸せに」
完璧な淑女の礼を捧げ、私は一度も振り返ることなくその部屋をあとにした。
***
「アリア、今日の放課後って時間はあるか?前に街へ買い物に行く約束をしていただろう?」
学園の中庭で、ノア・ヴァレンティスが穏やかな笑みを浮かべながら声をかけた。
アリアの幼馴染であり、子爵家のご令息。
学園では文武ともに優秀でありながら、それをひけらかすことのない誠実な青年だ。
聖女に選ばれる以前のアリアとは兄妹のように仲が良く、いつも二人で笑い合っている姿を見かけていた。
けれど、アリアが聖女として覚醒してからというもの、二人の距離は少しずつ変わり始めていた。
「ああ、その話?」
アリア様は面倒くさそうに肩をすくめる。
「ごめんなさい、ノア。その約束はなしにしてちょうだい。今日はディオン殿下が、王族専用の馬車で買い物に連れて行ってくださるの」
「そうだったのか」
ノアは少し寂しそうに笑った。
「……分かった。それなら、楽しんできて」
「ええ」
「ただ――」
ノアは少し迷うように言葉を続ける。
「それならせめて、気を付けて。今の君は立場が違う。周囲は昔以上に君を見ている。言葉遣いや立ち居振る舞い、それに勉強も――自分を守るために必要だから」
「ねえ、ノア。しつこいんだけど!」
アリアが苛立った声を上げる。
「私はもう聖女なのよ?どうして今でも子爵家のあなたに『言葉遣いに気を付けろ』だの、『勉強しろ』だの説教されなきゃいけないの?」
「説教じゃない。君が困らないように――」
「そういうところが嫌なの!」
アリアはノアの言葉を最後まで聞こうとしなかった。
「周りのみんなは『さすが聖女様』って褒めてくれるのに、あなただけ昔のまま。細かいことばっかり
!」
その言葉に、ノアは静かに口を閉ざした。
「……そうか。すまなかった」
短くそれだけ答える。
アリアは一瞬だけ気まずそうな表情を浮かべたが、それ以上気にすることなく、遠くで待つ豪華な王家の馬車へ向かって歩き出した。
取り残されたノアの手が、行き場を失ったようにゆっくりと下ろされる。
怒っているわけではない。
責めているわけでもない。
ただ、長年大切にしてきた幼馴染が、自分から遠く離れてしまったことを受け入れようとしているような、そんな寂しげな横顔だった。
(……その言葉は、間違っていない)
木陰からその様子を見つめながら、私は静かに息を吐いた。
ノアはただ正論を押し付けているのではない。聖女という立場に立った者が、どう扱われ、どう消費されるかを理解した上で、それでもなお「自分を守れ」と言っていた。
それを切り捨てたアリアの選択は、あまりにも軽い。
そして同時に、あまりにも危うい。
だからこそ――。
私は一歩、木陰から踏み出した。
「――ノア様」
「っ、クラリス侯爵令嬢……!」
驚いたように振り返ったノア様は、すぐにいつもの穏やかな笑みを浮かべる。
「お見苦しいところをお見せしてしまい、申し訳ありません」
その笑顔の奥に残る影を見て、胸の奥がわずかに痛んだ。
「いいえ」
私はゆっくりと首を横に振る。
「もしお時間がおありでしたら、私のお買い物に付き添っていただけませんか?」
「……私が、ですか?」
ノアは少し困ったように笑う。
「私は、ただの子爵令息です。侯爵令嬢であるクラリス様のお側に立つには――」
「身分は関係ありませんわ」
私はきっぱりと言った。
「それに、ノア様のお考えは正しいと思います」
「……私の、考え?」
「ええ」
私は小さく頷く。
「聖女という立場だからこそ、自分を守る術を身につけるべきだという考えです。ならばその視点を持つ方に、隣にいていただきたいと思うのはおかしいでしょうか?」
ノアは少し目を見開き、それからふっと力の抜けたように笑った。
「……なるほど。そういう理由ですか」
「ええ」
「では、私で良ければ喜んでお供いたします」
その笑みは、先ほどまでの痛みを含んだものではなく、どこか穏やかなものだった。
***
買い物の日をきっかけに、ノアと話す機会は格段に増えた。
彼はどんな時も礼儀正しく、それでいて気さくに私を気遣ってくれた。
立ち振る舞いは完璧で、街を歩けば私の歩幅にさりげなく合わせ、人混みからさりげなく庇ってくれる。
ある日の午後、学園にある庭園の東屋で休息を取っていたときのことだ。
「ノア様は、いつも剣術の鍛錬を欠かしませんのね」
私がそう声をかけると、ノアは照れたように笑った。
「ええ。好きで続けているだけですよ」
「以前、学園の剣術大会を拝見したことがあります」
そう告げると、ノアは少し意外そうな顔をした。
「ご覧になっていたんですか?」
「ええ。勝敗よりも、別のことが印象に残っていました」
私は当時の光景を思い返す。
「ノア様は、一度も相手に怪我をさせませんでした」
「……」
「勝つことだけを考えるなら、もっと踏み込める場面はいくらでもあったはずです。それでも最後の一線では必ず力を緩め、相手が体勢を崩した瞬間には、誰より早く手を差し伸べていらっしゃった」
ノアは少し困ったように笑う。
「そこまで立派なものではありません」
「そうかもしれません。でも、あれは剣術の腕だけではできません。相手をよく見て、その癖や力量を理解していなければ」
私は微笑んだ。
「剣術だけではありません。学業でも常に結果を出されている。それも、相手や状況をよく見て考える力があるからなのでしょうね」
「……クラリス様」
ノアは驚いたように目を見開いた。
私は続ける。
「きっと、その力は誰かを守るために磨かれてきたのでしょうね」
その一言に、ノアは静かに目を伏せ、小さく笑う。
「……ええ。その通りです」
短い返事だった。
けれど、その声には長年積み重ねてきた想いが滲んでいた。
「……そこまで見てくださったのは、クラリス様が初めてです。ありがとうございます」
少し照れたように笑うその横顔は、どこか肩の荷が下りたようにも見えた。
***
だが、私自身もまた、彼に救われることになるとは思ってもみなかった。
婚約が解消されたとはいえ、ディオン殿下が残した政務のフォローや、王家との引き継ぎ事項は山積みだった。侯爵家では書類の山と格闘する日々を送っており、学園の勉強にかける時間が少なくなっていた。
「クラリス様、少し休まれてはいかがですか」
「ありがとう、ノア様。でも、この課題だけは今日中に仕上げておかないと……」
図書室でペンを走らせる私の手元を、ノアは優しく、けれど断固とした手つきで止めた。
「クラリス様は集中して疲れが限界に来ると、右手の指先を少し丸める癖があります。……今も、そうなっていますよ」
「え……?」
指摘されてハッとする。自分でも気づいていなかった、無意識の癖。
「どうして、それを……?」
「何度かお見かけしていました。クラリス様はご自身の努力を絶対に鼻にかけず、周囲のために尽くされる。……もしかして、政務の方で何か問題でも?」
「っ……」
胸の奥が、熱く脈打った。
ディオン殿下と過ごした数年間、彼が私の苦労や睡眠不足に気づいたことなど一度もなかった。「完璧な王妃候補」としてふるまうのが当たり前で、私の努力は「役割」という言葉の中に飲み込まれていたのだ。
「ご自身のことも、大切になさってください。」
「ノア様……」
見つめ返してくる彼の瞳は、初めて私を「クラリス」として見てくれているように思えた。
***
そんな穏やかな時間が流れていたある日の放課後。
中庭の回廊をノアと並んで歩いていると、向こうから華やかな一団が歩いてきた。
ディオンと、その隣で誇らしげに寄り添うアリアだ。
私たちの姿に気づいた二人は、足を止めた。
ディオンはノアの制服に付いた子爵家の紋章へ一瞬視線を落とし、興味を失ったように目を逸らした。
一方、アリアはクスクスと笑みを漏らす。
「まあ、ノア。今はクラリス様のお側にいるのね」
アリアにとって、今の自分は「聖女であり、王子に選ばれた特別な女性」だ。
幼馴染が自分ではなく私の隣に立っている姿を見ても、寂しさは欠片も感じられない。
それどころか、その表情はどこか晴れやかに見えた。
――ようやく、耳の痛い小言から解放された。
そう思っているかのように。
二人はそれ以上何も言わず、通り過ぎていった。
残された私たちは、去っていく背中を静かに見送る。
「……申し訳ありません、クラリス様。私のせいで嫌な思いをさせてしまいました」
ノアが申し訳なさそうに眉をひそめて詫びる。だが、私はゆっくりと首を横に振った。
「いいえ。……私は、大丈夫ですわ」
私はノアを見上げ、まっすぐな笑みを向けた。
「私は今、とても心強く思っています」
「……っ、クラリス様……」
耳まで真っ赤にして視線を逸らすノアに、思わず小さな笑みがこぼれた。
***
今日は学園祭だ。
講堂では、生徒たちが劇の本番に向けて最後の準備を進めていた。
私は実行委員として舞台袖で進行を確認し、ノアもまた「人手が足りないなら手伝うよ」と舞台装置の搬入や小道具の運搬を手伝ってくれていた。
「背景をもう少し右へ!」
係の生徒の掛け声に合わせ、大きな舞台装置がゆっくりと持ち上げられる。
その時だった。
――ブツン。
何かが切れるような嫌な音が、講堂に響いた。
「ロープが!」
誰かの悲鳴と同時に、巨大な大道具が私のいる場所へ倒れ込んでくる。
「クラリス様!」
ノアが咄嗟に駆け出した。
私はとっさに避けようとしたものの、足元に散らばっていた木材につまずき、盛大に体勢を崩してしまう。
(間に合わない……!)
迫る黒い影と圧倒的な重量感に、私は目を瞑った。
――次の瞬間。
ぐっと強い力で、抱き寄せられていた。
ノアが私を庇うように全身で抱き締め、その背中を大道具へ向けている。
迫る轟音。
誰もが悲鳴を上げた、その刹那――
「――止まれ!」
ノアの切迫した声が、講堂に響き渡る。その瞬間だった。
頭上へ落ちてきていたはずの巨大な大道具が、空中でぴたりと静止した。
「……え?」
誰かが呆然と呟く。
舞台袖に置かれていた重い幕が、風もないのにふわりと揺れた。
次の瞬間、柔らかな風――まるで光の粒子を孕んだような温かな風が講堂を駆け抜け、倒れかけていた大道具を優しく支えるように渦を巻く。
そのまま重い舞台装置を、羽毛でも運ぶかのように、ゆっくりと元の位置へ押し戻していった。
まるで、風が意思を持って、二人を守っているかのようだった。
誰一人として声を発することができない。
ノア自身も、何が起きたのか分からないという表情で、肩越しに上空を見つめていた。
「……俺が、止めたのか?」
「今のは……?」
しんと静まり返る中で、一人の教師が息を呑む。
「今のは……?」
「まさか……精霊……?」
その言葉に、周囲が小さくざわつき始めた。
「精霊?」
「そんな馬鹿な、精霊の力を借りられるのは……」
教師はハッとしたように、すぐに学園長へ向き直った。
「学園長!至急、王宮と神殿へご連絡を!」
「ま、待て……本当にあれが精霊の力だと言うのか?」
「間違いありません」
教師の顔は青ざめていた。
「精霊の力を借りられる者がいるとすれば……王家の血を引く方だけのはずです」
その言葉が持つ意味の重さに、その場にいた誰もが言葉を失っていた。
けれど――今の私には、そんなことは心の底からどうでもよかった。
「ノア様!」
私は震える腕で、彼に必死で声をかける。
「お怪我はありませんか!?」
「……クラリス様?」
「どこか痛むところはありませんか……っ? 私を庇ってくださったのでしょう!?」
ノアは少し呆けたように私を見つめ、それから拍子抜けしたように、困ったように笑った。
「私は大丈夫です。……それより、クラリス様こそ、お怪我はありませんか?」
安堵した途端、張り詰めていた糸が切れたように涙が滲んだ。
***
精霊の力を借りる者は、『聖者』と呼ばれる。
聖者として認められたノアは、正式に王家へ迎え入れられることになった。
彼は、先代王の子――つまり王兄の子であった。
しかし父である王兄の意向で、本人も知ることはなく、権力争いとは無縁の、信頼できる子爵家へ預けられていたという。
かつては子爵令息として学園で過ごしていた彼が、王族の血を引く存在だったという事実は、国中に大きな衝撃を与えた。
けれど――。
「クラリス様。少し休まれてはいかがですか?」
「ノア様……」
以前と変わらぬ穏やかな声。
疲れていれば気づき、無理をしていれば止めてくれる。
その姿は、聖者となる前と何一つ変わっていなかった。
私は思わず微笑む。
「ノア様は……本当に、何も変わらないのですね」
そう告げると、ノアは少し驚いたように目を瞬かせ、それから柔らかく笑った。
「変わらないことは、クラリス様もご存じでしょう?」
「……」
「私は、聖者と呼ばれるようになる前から、ノア・ヴァレンティスです」
その言葉に、胸の奥が温かくなる。
「ですが……ひとつだけ、変わったことがあります」
ノアは、まっすぐに私を見る。
「王族になれてよかったと、今は心から思っています」
「え……?」
「以前の私は、どれだけあなたのお役に立ちたいと思っても、ただの子爵令息でした。あなたが背負っているものを、支えきれない部分もあったかと思います」
ノアは静かに続ける。
「ですが、今は違います。この力も、この立場も……あなたを守るために使うことができます。ようやく、自信を持ってあなたの隣に立てると思っています」
その言葉に、胸が締め付けられた。ノアは何一つ変わっていない。
変わったのは、自信を持って私の隣に立てる立場を得たことだけ。
それを、心から喜んでいるのだ。
「クラリス様」
ノアは少し緊張したように息を吐いた。
「私は、あなたをお慕いしています。あなたが王妃候補だったからでもありません。疲れていても笑って、誰にも頼らず頑張ってしまうあなたが……放っておけなくなりました」
私は微笑んだ。
「ノア様。私は、聖者だからあなたを選ぶのではありません」
ノア様が目を見開く。
「王族だからでもありません。私が隣にいたいと思ったのは、ノア様だったからです……これからも、私の隣にいてください」
その瞬間、ノアは嬉しそうに目を細めた。
そして、確かめるように、そっと私の手を取る。
聖者になっても、王族になっても、彼が私の前で見せる優しさは何一つ変わらない。
私はその温もりを感じながら、静かに微笑んだ。
***
その一方で、王宮では大きな変化が起きていた。
ディオンは、アリアとの婚約後、次第に苛立ちを隠せなくなっていた。
「アリア。王妃となる以上、もう少し政務について理解してもらわなければ困る」
「でも……私は聖女です」
「分かっている。だからこそ頼んでいるのだ」
以前のディオンは、聖女としての力があれば、王妃として十分に国を支えられると思っていた。
奇跡を起こす存在。
国民から敬われる存在。
そんな唯一無二の力を持つアリアならば、クラリス以上の王妃になれると信じていたのだ。
しかし、王妃に求められるものは、それだけではなかった。
外交の場での判断。
国の財政を把握する知識。
貴族たちとの関係を調整する力。
それらは、聖女の力だけでは補えない。
かつてクラリスが、当たり前のようにこなしていたことを、アリアは一つずつ学んでいかなければならなかった。
もちろん、最初から完璧にできる者などいない。
ディオン自身も、それは理解していたはずだった。
だが――。
「どうして、まだできないんだ」
いつしかその言葉は、励ましではなく、責める響きを帯びるようになっていた。
アリアはその時、初めて気づいた。ディオン殿下は自分自身を見ていたのではない。
見ていたのは――聖女という肩書きだったのだ。
「……ノアは」
ぽつりと呟く。
「ノアは、私が聖女じゃなくても心配してくれたのに」
間違えれば叱り、危険なら止め、嬉しい時には共に笑ってくれた。
あの時は鬱陶しいと思った言葉が、今では何よりも恋しかった。
***
やがて、王家では大きな決断が下された。
王位継承順位の変更。
それを告げられたディオンは、父である国王へ問いかけた。
「父上……私は第一王子です」
「ああ」
「これまで王太子として務めを果たしてきました」
「それも理解している」
国王は静かに答える。
「王とは、価値あるものを集める者ではない。その価値を正しく見極め、国のために生かす者だ。聖女という存在が、我が国にとって大きな力となることは事実だ。だが、力だけで国は動かせない。人を支える者の価値を理解すること。それもまた、王に必要な資質だ」
ディオンは息を呑む。
「お前は、聖女という大きな力を得たことで、そこにばかり目を向けた」
「……お前は、クラリス侯爵令嬢との婚約解消を進言しに来た時、こう言ったな。『国の未来のために必要な選択だ』と『聖女の力は唯一無二だ』と」
「……」
「ならば、今回も同じだ。王位継承もまた、国の未来のために判断される」
国王は続ける。
「お前の判断が全て間違いだったとは言わない。聖女を迎えることが、国益につながる可能性もあった。……だがお前は、人を役割で見過ぎた。クラリス侯爵令嬢は優秀な王妃候補だった。しかし、それだけではなかったはずだ。――お前なら……この決定の正当性を、理解できるだろう?」
ディオンは深く目を伏せる。
初めて理解した。
自分が失ったのは、優秀な王妃候補ではない。
自分を支え、共に未来を歩んでくれる一人の存在だったのだ。
そしてその存在を、自らの手で手放したのだということを。
***
その後。
ノア・ヴァレンティスは、王族として、そして聖者として国を支える存在となった。
精霊の力を借りながら民を導く彼の隣には、いつもクラリスの姿があった。
彼女もまた、優れた知性と才能をもって国を支え、二人は互いの力を認め合い、支え合いながら未来へ歩んでいく。
肩書きではなく。
役割でもなく。
ただ一人の人間として。
出会えた幸せを、噛み締めながら。
終
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
最初は「ざまぁ」を目指していたのですが、気づけばノアとクラリスが、のんびりと愛を育んでいました。笑
また別の作品でもお会いできましたら嬉しいです。




