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第4話:秘密の暗室と、OBの素顔

 光画部での日々は、凛ちゃんにとって毎日が驚きの連続やったんや。この日も、部室の薄暗い空間で写真を撮ろうとした凛ちゃんは、フラッシュを焚きたくないのに、シャッタースピードが稼げへんくて写真がブレブレになってしもたんや。葵ちゃんが「ISO感度を上げれば明るく撮れますよ!」てアドバイスしてくれて、言われるがままにISOを上げたら、写真は明るくなったんやけど、同時にザラザラしたノイズがいっぱい増えてしもたんや。


「え、なんでこんなにザラザラするん!?これ、失敗写真?」


 鳥坂零OBは、それを見るなり「フン!デジタルノイズなど、光画の汚点よ!フィルムの粒状性とは格が違う!」て、いつものように一蹴したんや。


「小娘、貴様も光画の真髄を知りたいか?ならば、光を断ち、魂と向き合う場所へ案内してやろう!」


 鳥坂OBは、そう言うて半ば強引に凛ちゃんを部室の奥にある**暗室**へ連れて行ったんや。暗室の中は、かすかに現像液の匂いが充満しとって、見たことない謎の道具がズラッと並んどる。まさに、異世界やったんやで。


 ---


 鳥坂OBはそこで、フィルムを現像する作業を始めたんや。「フィルムは生きている!光画の魂を紡ぐ儀式よ!」て、なにやら奇妙な舞を舞いながら、真剣な顔で作業に没頭しとる。その姿は、はたから見たらかなり怪しいんやけど、彼の目からは、確かに写真に対する尋常じゃない情熱が感じられたんや。


 作業の合間にな、鳥坂OBはフッと一息ついたんや。その瞬間、彼の顔に、いつもの「もとさか先輩」みたいな表情とは違う、なんや疲れたような顔が垣間見えたんや。


「フゥ…いやはや、最近はな、書類の山に埋もれる夢ばかり見てな…夜中に胃薬が手放せんでな…」


 まさかの公務員としての現実がポロッと出た瞬間、凛ちゃんは「え、OBって、普段お仕事してるんや…」て、ちょっとびっくりしたんやけど、彼の人間的な一面に触れて、少しだけ親近感が湧いたんや。そして、フィルム写真の「魂」と、それを生み出す彼の手間と情熱を、凛ちゃんは改めて感じたんやで。


 【次回予告】

 鳥坂零OB: 「いいか、光画ってのはな、シャッタースピード(しゅんかん)で時間の流れを止めるか、流すかを選ぶ、究極の選択よ!走る被写体には、魂のブレを見せるのだ!」

 綾瀬凛: 「え、えーっ!?シャッタースピードって、そんな大層なもんやったん?私、いつもブレブレやから、魂がブレてるんかなぁ?あー、もう!次の話、私、ちゃんと走れるんかなぁ?」

 綾瀬凛: 「【次回予告:優等生、着ぐるみの中で悶絶!?】」


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