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第2話:カオスな部室とα99IIの悲劇

 光画部に入ってしまった(と凛ちゃんはまだ思ってる)綾瀬凛は、翌日も半信半疑のまま部室の扉を開けたんや。そこはやっぱり、昨日と同じカオスな空間が広がっとったんやで。鳥坂零OBは、相変わらず改造ライカ片手に、学生服のマネキンに奇妙なポーズを取らせようと奮闘しとる。マネキンの腕がへんてこに曲がってて、ちょっとホラーやったんや。


「お、来たな、小娘!今日の光画は、このマネキンとの対話から始まるぞ!」


 鳥坂OBは、そんなこと言うて、凛ちゃんを部活に巻き込もうとしとる。凛ちゃんは内心「マネキンと対話って、何言うてはるん!?」てツッコミ入れたいんやけど、完璧な優等生として、何とかこの状況を理解しようと頭フル回転や。


「あの、私、広報誌の写真、早く撮らないとアカンのですが…。」


 そう言う凛ちゃんに、鳥坂OBはニヤリ。「フン!焦るな、小娘!光画の道は一日にしてならず!まずは貴様の相棒を見せてみろ!」


 凛ちゃんは、仕方なくパパから借りてきた**SONY α99II**を差し出したんや。すると、鳥坂OBは目を丸くして、「おお、これは…!まさか、あのα99IIか!渋いチョイスだな、貴様の親御は!」とか言うて、急に真剣な顔になったんや。


「これ、すごいカメラなんですか?」凛ちゃんが尋ねると、奥の暗室から出てきた藤原楓ちゃんが、静かに頷いたんや。「…名機だ。しかし、使いこなすには、それなりの覚悟がいる」て、よう分からんこと言うてるし。


 葵ちゃんは、凛ちゃんのα99IIを見るなり、「うわ、めっちゃハイスペックやん!でも、初心者には絶対無理っすよ、これ!なんでこんなん持ってるんすか!?」て、目を輝かせながらも、早速ツッコミ入れてきたんや。


「あの、これ、オートモードで撮れるって書いてあるんですけど…」


 凛ちゃんはそう言いながらシャッターを切ってみたんやけど、高性能なα99IIが、まさかの凛ちゃんのポンコツぶりを際立たせることになったんやで。シャッターを押した瞬間、ピントは盛大に外れて、謎の変な音が鳴り響くんや。モニターには、ブレブレで真っ黒な写真が映っとる。


「え、なんで!?オートなのに!?私、なんか間違ってますか!?」


 凛ちゃんがパニクる中、鳥坂OBは金属バットを担ぎながら、「フフフ…魂なき機械が、貴様のポンコツに反応しているのか…面白い!よし、今日の光画は、そのポンコツを被写体にするぞ!」とか言うて、凛ちゃんをさらに混乱の渦に突き落とすんや。葵ちゃんはスマホでその様子を撮影しとるし、楓ちゃんは静かにそれを見守るだけやし。


「ちょ、ちょっと待って!私を被写体にしないでくださいってば!私のポンコツがバレたら、完璧な優等生の私が…ああ、もう!」


 凛ちゃんは、この光画部が、想像以上にカオスな場所やということを、身をもって痛感したんや。


 鳥坂零OB: 「いいか、光画ってのはな、ISO感度(ひかりかんじゅせい)とノイズの関係を理解してこそ、光の粒子を操る術を得るのだ!デジタルノイズなど、光画の汚点よ!」

 綾瀬凛: 「え、えーっ!?ISOとかノイズとか、なんか機械が怒ってるみたいやん!私のα99IIも、たまにザラザラした写真になるんやけど、怒ってるん?次は怒ってる機械と戦うん?」

 綾瀬凛: 「【次回予告:優等生、フィルムの罠にはまる!?】」

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