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第1話:優等生の誤算と、謎の部室の誘い

 綾瀬凛は、学園の誰もが認める完璧な優等生やった。成績は常にトップ、学級委員もこなして、生活態度も非の打ち所がない。そんな凛ちゃんに、ある日、学園広報誌の担当教師が声をかけてきたんや。「次号の特集、新入生歓迎!の写真を、ぜひ綾瀬さんにお願いしたい」。凛ちゃんは「完璧にこなします!」て、意気揚々と引き受けたんやけど、実はカメラを触ったこともないっていう、まさかのポンコツやったんや。


 家に帰って、カメラマニアのパパが大事そうに防湿庫にしまっとる**SONY α99II**を見つけた凛ちゃんは、「これ、かっこええやん!」て、早速説明書を読み始めたんや。せやけど、専門用語だらけで頭がこんがらがって、全然わからへん。「絞り?シャッタースピード?ISO?なんやこれ、呪文か!?」オートモードで撮ろうとしても、ピントは合えへんし、ブレブレやし、もう意味不明な写真しか撮られへん現実に直面して、凛ちゃんは焦りまくったんや。


「このままやと、完璧な私が、広報誌の写真を失敗するなんて…ありえへん!」


 次の日、凛ちゃんは写真部を探しに学校を駆け回ったんやけど、肝心の写真部がどこにもないことに気づいたんや。「え、うちの学校、写真部ないん!?」途方に暮れとった時、校舎の隅っこに、ひっそりと古びた看板を見つけたんや。「光画部」。なんや、聞いたことない名前やな…。


 部室からは、かすかに変な匂いがするし、中からは「ガシャーン!」ていう金属がぶつかるような音と、「うぉー、光画の魂が!」ていう、ようわからん男の叫び声が聞こえてくるんや。ちょっとどころか、かなり怪しい雰囲気やったけど、もう他に選択肢がない凛ちゃんは、最後の望みをかけて、恐る恐る部室のドアに手をかけた──。


(部室のドアがギィ……って、なんとも言えん音立てて開く)


 綾瀬凛: (心の中)え、ここ…ほんまに部活の部室なん?なんか、お寺(てら)みたいな匂いするし…大丈夫かいな…。


(凛ちゃんの目に飛び込んできたんは、想像を絶する光景やったんや)


 綾瀬凛: (声に出して)ひゃ、ひゃあ!?な、なんやこれ!?


(部室の壁にはな、なんでか金属バットが立てかけられとるんや。部屋の隅には、誰が着るんかクマ(くま)とかウサギ(うさぎ)の着ぐるみが雑に置かれとって、その横には学校の制服着たマネキンが、なんやへんてこに腕広げとるんやで。床にはカップ麺の空き容器やら、読みかけの漫画が散らばってて、奥からは「魂を!もっと光画の魂を!」ていう男の叫び声と、ガシャンガシャンいう金属の音が聞こえてくるんや)


 鳥坂零OB: (奥の暗室から、現像液まみれの手した鳥坂零OBが、改造ライカ片手に現れて)写真?違う。**“光画”**だ。君、フレア(ひかりボケ)は好きか?


 綾瀬凛: (混乱しながら)へ、フレア……?って、おばけみたいで怖いやん!そんなん、撮ったらアカンて!ていうか、ここ、写真部ちゃうやん!?


 鳥坂零OB: 「フン!写真だと?貴様、たかが『写真』という言葉で、この光画こうがの深遠なる世界を矮小化する気か!写真とは、ただ光を記録するだけの行為。だが、光画は、光そのものに魂を刻む芸術なのだ!」


 綾瀬凛: (頭抱えて)えーっ!?魂とか、芸術とか、いきなりレベル高すぎやん!私、ただ広報誌の写真を撮りたいだけなんですけど!てか、魂って、どこにあるん?カメラで撮れるん?もう、わけわからんわぁ…!


(背後から、楓ちゃんが静かに現像液のバケツ運んできて、葵ちゃんがスマホで部室の様子撮影しとるんや)


 佐藤葵: 「あーあ、また部長の熱弁始まったで。ほら、先輩、はよシャッター切らな、魂が逃げちゃいますよ?」


 藤原楓: (静かに現像液のバケツ置きながら)「…光は、逃げない。そこに、魂が宿るなら…」


 綾瀬凛: (さらに混乱して、叫ぶ)「ちょ、ちょっと待って!みんな何言うとんの!?ここ、写真部ちゃうやん!私、入る部活間違えたんちゃうん!?」



 【次回予告】

 鳥坂零OB: 「いいか、光画ってのはな、フレア(ひかりボケ)ゴースト(ひかりタマ)の魔法で被写体の魂を揺さぶるものよ!デジタルじゃ出せない、この光の暴走が…グフフフ…」

 綾瀬凛: 「え、えーっ!?フレアとかゴーストとか、なんか心霊写真みたいで怖いやん!そんなん、撮ったらアカンて!ってか、おばけ、ホンマにおるん? 次回の話、まさかおばけと戦うとかちゃうん?」

 綾瀬凛: 「【次回予告:優等生、暗室の闇に迷い込む!?】」



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