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悪党研修1日目

この世には正義の味方がいる。

悪と戦うヒーローがいる。

警察もいる、慈善団体もいる。

善意に溢れたこの社会の均衡を保つ者たちが影には存在する。ありとあらゆる業界に流れる黒い噂は悪党たちによって作り上げられ、そして執行されていく。

まるで罪人を裁く実刑が如くそれは極めて冷静沈着に

表舞台ではなんの反応もない劇場で言うところの裏方役こそが悪党なのだ。類は友を呼ぶと言うが現在の社会においては悪党こそが映画のヒーローたちの勇姿を支えているのが現状であり衰退の一途を辿っていた。

これは裏の社会、なんて言えるほど組織もほとんど残っていないがしかしこれは基盤を揺るがしかねないことなのだ、なに大したことではないのだ、昔からある事なのだがこの裏社会は極度の人手不足なのだ。何かしら事情のある人間たちしか本来立ち入らない裏方役なのだが、善意と正義に満ち満ちたこの時代に悪の道に進む人間などおらず居たとしても成人になる前に聖人になってしまうというのが現状なのである。

そこで表社会は人手不足の衰弱した組織に人材を派遣することにした、それも国の指示である。それは警察よりも上の立場にある無名の人間たちによって成されるのだ、つまりは国の組織に入った新入りを裏社会で

使うというのが国の方針となった。この方針に異を唱える者は居なかった、厳密には国際的な問題だと言う者も居るが何人も既にこの世を去っている。彼らの答弁に付き合う時間すら惜しい、時間とはあまりに残酷である。国際人材派遣センター、今の富んだこのご時世に無職の人間には何かしら職が与えられる、その中に無論この仕事も入っている。無職から国に関わる仕事に就けるなんてラッキーと思っている人間の人生を根こそぎ使わせて遣わせるのが目的だ。

そしてここにも1人、高校を卒業してすぐに国の方針で裏社会に遣わされることになった1人の少女が1人。

「国際人材派遣センターから配属されました、雲ヶ原

黒乃と申します。」

少女は深くお辞儀をして前を見る、見ているのが後ろなのか右なのか左なのかも分からない暗中模索の中で

彼女は言うのだった。

「立派な悪党になれるよう励みますので、どうぞよろしくお願いします。」

恐怖などない、裏も表も関係ない。

だから彼女は眼を逸らさない。

そしてこれが100人ほどいる。

はてさて異常なのは正義か悪か、これはそんなつまみにもならない愚痴話。

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