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ハルカの季節  作者: 杞憂
8/23

ハルカのメイド

こんにちは杞憂です。

遅い投稿になってしまい申し訳ないと思っています。多分これからもこんなペースの投稿になってしまうと思うので、できればお願いします。




では、どうぞ→→→↓↓↓

時刻18;30



お客さんを待って僕と彼方はかれこれ一時間位経つ。

「………来ないね。」

「うん。来ないね。」

『…………』



僕達は黙ってしまった。

と言うよりテレビに見入ってる。

言ってもニュース番組なんだけどね。

最近は良い話題より殺人、自殺、窃盗とか悪いニュースしかないのか、どの局の似たり寄ったりだ。

そんな中にも動物などの生活風景を取り上げるコーナーがある。

僕はこれを視るのが実は密かな楽しみになのだ。



時刻19;00



「お兄ちゃん。私、お買い物とかして来て無いけど、今日はどうする?」

「う〜ん。じゃあ、このあと二人で外食しない?せっかくだし。」

「良いね!そうしよ。お兄ちゃん。」

僕達はまた暫くテレビに視界を戻した。



時刻20;00



「………」

「………」

正直腹減った。

てか、今日何だよな?その客人が来るのは?


「なぁ、彼方。もう食べに行かないか?」

「もうちょっと待とうよ。お客さん来たら悪いよ。」「う〜ん」

しぶしぶ彼方の言う事を聞きまた暫く待つことにした


時刻21;00



「遅い!遅すぎる!」

「確かに遅いね。何かあったのかな?」

「どうだろう?」

僕達はもう少し、もう少しだけ待つことにした。



時刻22;00



「彼方!もう耐えられん!外食するぞ!仕度して!」

「待ってよ!お兄ちゃん!」

僕は我慢が出来なくなり上着を乱暴に着て玄関へ向かう。

彼方も上着を手にもって追いかけてくる。


スニーカーを履こうとしゃがむのがいつもなのだが、今は腹が減ってる。

よって靴のかかとを少し踏み、爪先を数回地面に叩き付けて履く。




彼方も履き終えたら僕は玄関の扉の取手に手をかけて止まる。

―――そういえば、何を食べるんだ?

そこのところを話し合ってなかったな。


「………どうしたの、お兄ちゃん?そんな所で止まって。」

「なぁ彼方、何が食べたい?」

不意に聞かれてせいか彼方が「ふぇ?」と首を傾げて「私が決めて良いの?」と訪ねてくる。

何でだろ。凄く可愛く見えた。



「じゃあ、中華にしない?」

「いいよ」

そう返すと僕は玄関の扉を開いて外に出―――………………。

また僕は立ち止まってしまった。


「お兄ちゃん。今度はどうしたの?」

「あ、いや。あの、その、あれは誰だ?」

僕はそれに指を指す。



僕の家の柵に設置されてるインターホンを押そうか押さないか迷ってる?女の子がいる。

その女の子は大きな買い物袋を手に持ち、肩には小さなバッグをぶら下げている。

身長は正直パット見で、小学生、中学生にも見える。


「ねぇ、あの子もしかして道に迷ってるんなんじゃない?」

「うん。僕もそう思うよ。」

話し合ってると、あの子はこちらに気付いたようでジッと見てくる。

「………。」

するとスカートのポケットから二枚の紙切れを取り出し、僕達とその紙切れを交互に見てくる。

そして女の子の口が開かれ、

「あ、あの。貴女方が天崎悠さんと、天崎彼方さんでしょうか?」

どうやらこの子は僕達の事を知ってるらしい。

しかも、僕が女であることもきっと知ってるだろう。

「……うん。そうだけど、君は誰かな?」

「ぁ、申し訳ありません。失礼でしたよね。

私は小梅、

小梅音羽[こうめ おとは]と申します。

今回、この天崎家のメイドとして雇われた者です。

今後とも、よ、よろしくお願いします。」

この子、音羽ちゃんは礼儀正しくお辞儀までして挨拶してくれた。

それに対して僕達は、

『……………………』


思考停止していた。



僕がよく思考停止になるのは分かるが、彼方となると話しは別だ。

彼方はよっぽどの事が無いとこんな事にはならない。

「あ、あの、小梅さんでしたっけ?さっき何て言ったのかもう一度聞かせてくれませんか?」

彼方が確認をし始めた!

これもよっぽどの事が無いとならないパターンの奴だよ!!



「え?あ、ぁ、いいですよ。私、小梅音羽はこの天崎家のメイドとして雇われた者です。これからよろしくお願いします。です。」

「……………………。」


やっ、ヤバい!!!!!!

これもあのパターンの奴なんだよ!!!!!!!!!


「あ、あの。もしかして優作様から何も聞かされていませんでしたか?」

「……………」

彼方はもう駄目なので、僕がそれに応える。


「いや、ただ誰かが来ると言われてただけなので、まさかメイドさんが来るなんて思わなかったよ。」

「そうだったのですか。それは情報が正確に伝わらなくて御免なさい。」

「それは君のせいじゃないよ。」

「いえ!これもメイドとしての仕事です!いきなりシクジルなんて私、メイド失格ですね。」

「大丈夫だから、君のせいじゃないよ。今回は父さんのミスでもあるしね。」

可能な限り優しく諭すように音羽ちゃんに言うと、素直に聞き入れてもらえた。

「わ、解りました。では、今回、今回だけ。」

「ありがとう。てか、腹減ったな〜。」



今まで話していて空腹だと忘れてたよ。

何だかんだで長時間話していたので近くの飲食店は皆閉店してるだろう。


「11時過ぎだよ。仕方無いから今日はインスタントで我慢しよっか。

音羽ちゃんもそれで良いかな?」

「いえ、御夕飯は私がつくりますよ?」

『………はい?』


そう言うと音羽ちゃんは手に持っている大きめの買い物袋を此方に見せつけるように前に出してくる。


あっ。てか、彼方が立ち直ったよ…。


俯いていた彼方は顔を上げ音羽ちゃんを見つめて固まってる。

僕はそんな彼方をほってといて

「どうぞ、お入り下さい!そして、僕達に食べ物を!」

「えぇっ!?どうしたのですか?急に!」

「僕達は腹が減って死にそうなんです!だから、だから、ご飯を〜!」

「実は私もお腹空きました。」


飢えた獣は得物を狙うように僕達、

もとい、僕は一刻も早くご飯にありつきたい。

だから音羽ちゃんを家に早く入れなくてはならない。

「あ、あの。お邪魔します。」

「??」

腹を空かせた僕でもそれは聞き逃さなかった。


「音羽ちゃん。それは違うよ。『お邪魔します』じゃなくて『ただいま』じゃないかな。」

「ぁ、……それは私を受け入れると言う事ですか?」「え?うん、まぁ、そういう事かな。」

「………優しいのですね。」

「え?何か言った?」

「い、いえ!何でもありません。」

音羽ちゃんは表情を隠す様に俯き、顔を上げる気配が無い。


「…そっか。じゃあ、部屋に案内するからついてきて。」

「は、はい。解りました。」



部屋を案内してから音羽ちゃんは何故かメイド服らしき物を来て台所に降りてきた。


あぁ、そうだ。補足としてだけど、

我、天崎家は二階建てであり、僕の部屋は二階に位置して

彼方、音羽ちゃんの部屋を挟んだ場所に僕の部屋がある。



「すみません。お待たせしました。」

「いや、そんなに待って――うゎ。」

何て言うか、似合っているなぁー。メイド服が。


基本は黒色。

膝少し上まで延びたスカート。

服、スカートの袖に緑色のラインが入っているのが特徴的。

白色のニーソックス。


服からしても可愛いのに、彼女―音羽ちゃんの容姿もかなりものだ。

まじまじ観てみると判る。


肩まで掛かったピンク色の髪は左目にもかかってはいるが、右目にはかかってはない。

更に左側の髪にはピンで止めてある。



てか、可愛いい。



「ど、どうなされましたか?悠様?」

「えっ!あっ、いや!何も無いよ!」

「?…そうですか。」

「そうだよ。うん。そうだよ。さっ、早く作ろうよ。」

「そうですね。」

音羽ちゃんはニッコリと微笑んで調理に取りかかった。

彼女が作ってくれた料理はどれも美味しくて、手が止まらなかった。彼女も僕達が作ったのを美味いと食べてくれて嬉しかった。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



食事と風呂を済まして自分の部屋に入室する。

時計で時間を確認するともう0時過ぎになっており、窓を開けるとヒンヤリと少し肌寒い風が体に当たる。外の様子を見ても電気が付いてる家が少なくどこか寂しい物がある。


そんなような事を考えてると部屋の戸をノックする音が聞こえた。


―――コンコン!


「はい。」

「あの、音羽ですけど、失礼してもよろしいでしょうか?」

「うん。良いよ。」

そう言うと音羽ちゃんは「失礼します。」と丁寧に挨拶して入室する。

手には何やら箱を持っている。


「あの、悠様。月曜日から悠様は登校すると優作様が仰っておいでだったので制服を御持ちしました。」

「そっか、ありがとうね。音羽ちゃん。」

「いえ、どういたしま…悠様!」

「は、はい!?」

音羽ちゃんが急に大きな声を出したので結構ビックリした。


「髪が濡れたままではないですか!!どうして拭かないのですか?」

「いや、いつも自然乾燥だから―」

「風邪を引かれますので拭いてください。」

「え〜。」


正直面倒だなぁ〜。

男の頃に比べると女は色々大変なんだと思うよ。


「良いよ。面倒だし。」

「じゃあ、私が拭きますからね!!」

「え?、あ!ちょ、」


何処からかタオルを取り出し僕の髪を拭き始めた。


――何だろう。この心地好さは。


脇まで伸びてる髪を音羽ちゃんは丁寧に拭き取ってくれる。

それに音羽ちゃんの香りまでしてくる。


甘い甘い香り。

その辺の花よりも嗅いでいて飽きたりしない様な、惹かれていく様な香り。

何だか気持ち良くて寝てしまいそうな、そんな、いいかおり。


「はい。終わりましたよ。」

「……………。」

「??悠様?」

「はい!!!!」

「髪を拭き終わりましたよ。」

「え?あぁ、ありがとう。音羽ちゃん。」


そう言うと音羽ちゃんはおどおどと何か言いたそうな感じを漂わせる。


「あ、あの〜。その、わ、私の事は『音羽』と呼んでください。ちゃん付けで呼ばれると、その…恥ずかしいので……。///」


音羽ちゃんは顔を紅く染める。既に赤を通り越して火照って見える。

元から肌が色白なせいだからだろうか。


音羽ちゃんもそれを言ってから黙ってしまって進展しないので、

「解ったよ。じゃあ次からは音羽って呼ぶよ。」

そう言うと顔をあげると、明るい表情を見せて、ありがとうございますと言われた。


僕はそんな不意な攻撃?を受けてびっくりする。


―かわいい!


多分僕は今顔を赤くなってるだろう。

あまりにも不意すぎる。


「あの、どうなされたのですか?」

「あいや、なんでもないよ。僕はもう寝るから話しはここまでにして良いかな?」

「あ、すみません。気付かなくて。では、おやすみなさい。」

「うん。おやすみ。また明日。」



―――ガチャン。



「……はぁ〜。ヤバ。」

まだ顔が熱い。

部屋の鏡で自分を視てみると顔面が赤く染まっている。

「むぅ〜〜〜〜!あァんもう!」


堪らなくなって僕はベッドにダイブする。

「もう寝る!!」


部屋の電気を消して目を瞑る。


そういえば明日から学校だったな………制服の準備とかしないと……とりあえず明日は……………。


いつの間にか僕は眠りと言う楽園に堕ちていった。



杞憂の創作意欲が増し増しすると思うので感想待ってます!!



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