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ハルカの季節  作者: 杞憂
5/23

ハルカの気持ち

こんにちは、

テスト週間なのに集中出来ないでいる、杞憂です。



皆さん!

読んでゆっくりしていってください

泣いている僕の視界は全て曇り、モザイクが掛かったみたいだ。

そして、ドアノブが回る音がして………




ガチャ―――。

扉が開放され外気の空気が部屋の空気を侵食するように、入れ替わっていく。

そして、その扉を開いた彼女……………だが、




扉を開いたのは七瀬でも、彼方でもない、誰かだった。



「???」

(この人は誰だ?)

肩幅は広く、身長も高い。モザイクが掛かっていてもこの人は男だと解る。


目を擦り、

涙を拭って[ぬぐって]

その男を視る。[みる]

モザイクは無くなり、晴れて見える僕の視界に映るのは………



「よう、悠。元気にしてたか?」

この聞き覚えのある声は…

「と、父さん!?」そう、扉を開けたのは

我が父、

天崎優作[あまざき ゆうさく]

であった。


見た感じ、顎や口元の少し生えたヒゲが何処かの研究員に見えるが、

ぶっちゃけ、研究員である。

何を研究してるかは、聞いたことが無い。

てか、余り進んで聞きたくない。


だから、父も何も言わないし、話してくれ無いでいる。

この人は基本優しい人だ……。

すると、父の横から若く、凜とした女性が出てきた。

「ただいま。悠、体の調子はどう?元気なの?」

「うん。お帰り。母さん。僕は元気だったよ。」

(昨日までは……)


そんなことを思いながら、我が母

天崎星佳[あまざき せいか]は心配してくれた。

しかし……

母の今の表情は凄いにやけていてる。てか、笑ってる。

「母さん、心配してくれるのは嬉しいけど、なんで、そんなにウレシソウなの?」



そう聞くと母はギョッとして驚き、

「そ、そんなこと無いわよ!」と少し苦笑いしながら答えた。



絶対嘘だ!!!

この人の事だ、何かある。いや、何か無ければ逆におかしい!




そう思い僕は考え込む

(………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………あっ!もしかして!)

あることに気付いた僕は、自分の部屋にある鏡を見た。そこに写るのは、自分だが、今写っているのは、自分ではなく、


他人[じぶん]だ。


しかも、前の顔と全く違うため僕だと見分けつかない筈なのに………



それに、このタイミングの良い帰宅と来た。



さらに、母は父と同じ会社の研究員………



さらに、さらに、母は何か体調の事を何回もしつこく聞いてくる。………



なんか、繋がっちゃった?


そう思うと僕は、

「何で僕を女にしたの?」とストレートに聞くと二人は、

『研究の成果を試したかったし、女の子が後一人欲しかったから〜』と言いやがった。


すると二人は本音を言ってしまった事に気付き、

『…………な〜んてね!

ビックリした!?』

と二人は汗をダラダラかきながら

苦し紛れの言い訳をした。


「はぁ〜、そこまでやるアンタ達にビックリだよ…」力なく返答する僕



すると父は誤魔化すようにゴホンと咳払いして、今までと、うって変わって真剣な顔立ちとなり、

「悠。いいか、よく聞けよ。お前は今、女だ。紛れもなくな。だがな、

もしかしたら、元に戻るかも知れんし、二度と戻らんかも知れん。」

どうゆう事?と質問すれば父は、

「俺と母さん達が作ってる薬はまだ試作段階なんだよ。だから、どうなるかという『結果』が欲しかった。だから、俺はお前にこれを飲ませたんだ。」


そう言われ僕は…

「……んで……」

「え?悠?なんだ?」


僕は………怒った。

「なんで僕なんだよ!!

父さんが被験者になれば良かったじゃん!どうして僕なんだよ!だいたい、…」と言いかけてたとき、既に父は僕の足元で土下座をしていて、

「すまない!!

本当にすまないと思っている。」

父は頭を下げたまま語る。

「言い訳にしかならないが聞いてくれ。

俺達の作った薬は本当なら栄養剤となり薬局で販売される筈だったんだ。しかし、作って俺達大人が試しに飲んだんだが、余り効果が無かったんだ。

何が駄目だったのか調査したんだが、結局原因は解らなかった。それで一度家に帰りこの事について考え込む予定だったんだ。

でも、昨日俺と母さんが家に帰ってきたとき閃いたんだ。

『俺達大人だけしか飲んで無い』という事に気付いたんだよ。

だから

『子どもに投与したらどうなるか』と思い、

お前に飲んで貰おうとしたんだが、この部屋に入ったときお前は既に寝ていたんだ。

早く『結果』が欲しかった俺は、寝ているお前にこの薬を飲ませたんだ。」

そう言うと父は頭を上げ、上着の内ポケットから錠剤の入れ物を僕に手渡した。ラベルの効き目効果の欄を読むと

[肩こり、筋肉痛、日頃のストレス]等書いてあり、 [寝る前に1〜2錠ほど投与][起きてすっきり軽い体]

等々書いてあった。

「起きた時にお前をビックリさせようとしたんだが、こんなことになるなんて

予想出来なかった!

本当にすまない!!!」

父はまた頭を下げて謝った。


僕はそんな父を観て[みて]、ため息をした。

「………はぁ〜。

もう良いよ、父さん。頭上げてよ。」と言うと父は、

「!!悠。俺を許してくれるのか?」

「許すも何も父さんは僕を喜ばせようとしたんでしょ?僕はそれだけで良いよ」


そう言うと父は泣き出し、ありがとう

と連呼しながら、僕に抱き着いてきた。


僕は思わず「ひゃ!?」と悲鳴めいたものを出してしまった。

(どうして僕はこんな声をだしてしまったんだ?)と考えながら、ふと時計を見ると時刻は

「……………8時30分!?やば、遅刻する!」

と大声をあげると母が僕の携帯を持っていて

「七瀬ちゃんに今日悠は休みますと言っといたわよ。休む理由は風邪を引いたってことで。」

そう言うと僕に携帯を返してくれた。

「ありがとう、母さん」

「どういたしまして。それより、着替えてリビングに来てね。話したいことがあるから」

すると母はまだ泣いている父の足を引きずりながら部屋を出ていく。

「ありがとう、ありがとう、ありがアァ――!!!痛い、痛いよ母さん!!放して、歩くから放してェェ〜!!」


ガチャン―――。

扉が閉められた。

…………あんなに五月蝿かったのに、こんなにも静かにいつの間にか静寂が訪れる。

でも、

こんな心が暖まる静寂はいつぶりだろうか?

僕は気付けば微笑んでた。


リビングで母が呼んでいた事を思い出して行く前に着替えようとしたが、

今は女だからサイズが合わなくなっていたが、

ジーパンとカッターシャツを着た。

そして、僕は部屋の扉を開けて、リビングへ行った。


―――――ガチャン。


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