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ハルカの季節  作者: 杞憂
19/23

ハルカの夏;ゲーセンとウサミン

遅くなってすみません


俺と幽霊と恋物語もよろしくお願いします


唐突であるが、みんなはテスト週間というのを知ってるか?


テスト週間はテストを行う為の準備期間、つまり勉強するための時間を作る期間だ。

今僕達、星陵学園のテスト週間に突入しようとしている。


―――午後3;50


「はい!今日からテスト週間に入る。今回は期末だから中間でやった範囲も入るから勉強が大変だろうが、各々頑張るようにな!!」


範囲表と日程表を配り終えるとなっちゃんは一度だけ手をパンと叩いた。解散という意味だと言うことは皆黙認している。



「悠ちゃん〜一緒に帰らない?」


「あぁ、誠。良いよ。」


「ま、誠?」

「い、いや、ま、誠君。兄さんがいつもそう言うから私にも写っちゃたかな〜なんて………」


誠から目をそらしながら答えると納得だと言って笑った。


「それと、悠のヤツ俺に何か言ってなかった?」


「え?」


「いや、友達として幼なじみとして、違うな。親友としてかなり心配なんだ。」


誠は表情を曇らせていた。いつも笑ってるヤツなのに友達が困っている時とか、悩んでる時はそんな表情を見せ一緒に考えてくれる。

僕も何回か相談したことがある。まぁ、主にゲームの話しだけど………

その時は遊びの相談だったからあんまり悩んではいなかったかが今回は人間関係の話し。たぶん、誠自身かなり切り出し難かった部類だと思う。でも、ちゃんと聞いてきてくれたのは七瀬や子夏、マリアの他除いたら誠しかいない。


僕は少し笑って出来るだけいつもより元気に答える。

「兄さんはいつも、誠君はいいヤツで楽しいヤツって言ってて、早く元気になって遊びたいって言ってたよ。」


正直、言ってはないが素直にそう思う。



曇り空は次第に雨雲に変わって行き大粒の涙を落とした。


「チクショオオぉぉぉ〜〜〜〜〜!!いいヤツだろ。いいヤツ過ぎるだろぉが!!悠ぁぁ!」


おぉぅ!?

何があったんだ?


「いいヤツキャラは俺だけで十分なのによぉ〜!」


えぇ!?

そこで泣いてたの!


「主人公だって俺の方が上手くやってイケる自信あるのにぃぃ!!」


はいぃ!?

いきなり何の話し?


「二話目に歌歌いやがって!そのせいで歌詞投稿できなくなっただろうがぁぁぁぁぁぁ!!」



………………

もう、何でもいいや……




「天崎!ゲーセン行こうぜ!!」


子夏が寄ってきて誘ってくる。


「別にいいよ。」


「良し!他にも誘おうぜ。」


そこで集まったメンツは僕と子夏、彼方にマリア、さらに七瀬ときた。

だが―――――




「誠誘っても良いなぁ?」


丁度良い機会だから久しぶりに誠と遊びたくなった。ゲーセンなら良く二人で遊び行ったことあるし、誠と行くと何かと張り合える。



皆の了承を得て誠を誘おうと近づく。


「いいヤツキャラは俺とスパロ〇のクロ〇とだけで十分なのに………(泣)」



「まこくん、違うよ。初恋予〇の幸〇郎君もいいヤツキャラに入るよ!」


「ハッ!た、確かに……すっかり忘れてた。幸太〇は外せないなぁ!ハッハッハ〜www」


い、いかん!

七瀬まで会話に入ってしまっていただと!?

場がカオスになりかねない……



「クロ〇と言えば遊戯〇のクロ〇・ホーガ〇もかなりいい線いってたよな。」


「私はジャッ〇かなぁ。始めは強いライバルだったのにもうボケ役になって雰囲気的には好きだったよ。」


「成る程な、でもボケ役最強は日常の麻〇ちゃんじゃね?」

…………………………………………。

状況が全くわかんね。

話しがいいヤツからボケに入ったり………


てか、七瀬が何故こんな空気を創り出した!?



「あのぉ〜……七瀬さん、ゲーセン行かない?勿論誠君も行かないかなぁ?」


「え?俺も行って良いの?やったぁ!嬉しいなぁ。ところで、ブレイブ〇ーで使いやすく強いキャラって何だと思う?」


「え、いや、ノ〇ルかな?」


「流石はるくんだね!私もそう思うよ〜。」



「チッ……そこは普通はタ〇て言えよな。」


〇オって……普通に使いこなす誠だけだよ………


「おい、早くゲーセン行こうぜ!時間は無限じゃ無いんだから!」


「どうせ、帰って勉強なんかしないだろ?子夏は。」


「そういう誠もしないだろうが!」



「まぁまぁ、二人とも。せっかくだから早く行って多く遊ぼうよ。」



「まぁ、天崎が言うんなら私は……」


「悠ちゃんは優しいねぇ〜どっかの暴力女とは大違いだぜ!」


「あ、アンタね〜!」


「二人とも!!」


「「ごめんなさい……」」



♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀



ゲーセンに着いて各々自分のやりたいゲームに専念している。

僕は店内のUFOキャッチャーの中身を見ながらただ散歩している。


すると七瀬があるUFOキャッチャーの前にいた。

その中身は最近人気のうさぎのキャラクター『ウサミン』のぬいぐるみである。

七瀬は瞳を輝かせてそれを見つめている。



「七瀬、それ欲しいの?」


「う、うん!欲しい、の…………って、悠!?」


「ごめん、驚かせる気だったんだけど……」


「余計にタチが悪いよ!!」


「いや、マジごめん。お礼にぬいぐるみ取ってあげるよ。」


「えっ!?これ取れるの?」


「おいおい、僕を誰だと思ってるんだ?」


「性転換美少女、ゲームオタク、シスコン、……etc」


「酷い!しかも的確すぎて返す言葉がない!!」


何故僕がゲーセンでこんな辱しめ《はずかしめ》を受けないといけないんだ!

カッコイイセリフを吐いたら返しがキツいんだよ!


まぁ、それはさておき、ウサミンを狩る。



………10分後


「悠、君やるね〜。UFOキャッチャーあんなに上手かったっけ?」


「いや、まぐ………そうだよ!これが僕の新しい力、『シェルブリッ〇』だよ!」


一回200円の貯金箱に三回投資してまさかのウサミンを二匹手にいれてしまった。

二つ仲良くそれが並んだ所にアームを入れたら落ちた。


……これ実はたまたまなんだよ。

読者さん達はわかってるとは思います、はい。

でも、七瀬は……何か信じちゃったんだ(泣)


「まぁ、偶然でもなんでもいいよ、『シェ〇ブリットの悠さん』」


「あぁ、自分で言ったことなのにスゲー恥ずかしぃ〜!」


にしても、ウサミンの一つは七瀬が貰うとしてもう一つはどうしようか……


「天崎〜、メルブ〇やろうぜ!」


「あぁ、子夏。やろうか。言っとくが僕は負けないよ!」



$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$



―――午後8;00


あの後、誠ともゲームをやりお互いに腕を磨きやった。〇ルブラでは、誠と子夏に全戦全勝という好成績を叩き出した。

二人ともムキになって何回もやってきたが全て返り討ちにして、僕は気分良く、二人はかなり落ち込んでいる。


今は皆で帰り道を歩いている。

周りは大通りで人で溢れかえり、行き来する車のライトで薄暗い夜を楽しく明るくさせる。


「なぁなぁ、もうちょい皆で遊んで行かない?」


「良いね!マック行こうぜ!」


子夏と誠が声を揃えて言うがマリアがそれに水を差すように語る。


「早めに勉強した方が良いよ。誠君は知らないけど子夏はいつも赤点ギリギリセーフかアウトなんだから………」


「まぁまぁ、まだテスト週間始まったばっかなんだしさぁ〜」


「そうだぜ、百合野言う通りだ!今日はよく意見が合うな!」


「誠も人のこと言えないだろ?いつも僕に頼むくせに………」


「……はい?俺、悠ちゃんにいつも頼んだっけ?」


「え、ぁ、あぁ〜、兄さんがいつも仕方無いヤツだって言ってて僕にも写ったのかなぁ〜……?」


「成る程ね、それなら……仕方無くないわ!悠の野郎、何言ってんだよ!!」


ツッコミをいれた誠はほっといてマリアがこの場を仕切り解散させ、マリアは自分の家に帰っていった。



\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\



夜の道を子夏、彼方、誠、僕で歩く。

誠はよく喋り、場を明るくしていた。

それに連れるように皆も積極的に話をしていたが、誠が別れ道で帰った途端に二人ともあまり喋らなくなった。季節は夏であっても周りは暗く、冷えた風が吹く。


「少し、寒いなぁ。」


「兄さん、大丈夫?」


「あぁ、大丈夫だよ。」


「二人とも夏服にするの早すぎるんだよ。」


「そうでしたね。こんなに夜が冷えるとは思いませんでしたよ……」


そういえばと子夏がなにくわぬ顔で彼方に聞いた。


「なんでいつも彼方は敬語使うの?」


「えっ?別に意味何てないですよ……」


「ふぅ〜ん、そなんだ。家でも使うの?」


「いや、家では敬語何て使わないで普通に話してるよ。」


「に、兄さん!!」


え!?

僕変なこと言ったかな?


すると子夏はニヤニヤと口元を吊り上げる。


「相変わらず仲が良いねぇ〜、んん〜?」


「もう、兄さんのせいですよ!///」


「なにが!?」


「ははは……あ、私こっちだから。じゃね〜また明日!!」


いつの間にか別れ道に着いていて子夏は手を振り別れを告げるが、


「あ、ちょっと子夏!」


「ん?なんだぁ〜」


「これ、ゲーセンでたまたま取れたヤツ。あげるよ。」


紙袋に入れてもらったウサミンを子夏に差し出す。

彼女は両腕で紙袋を抱き僕に確認してきた。


「これ、ホントに私が貰っていいの………?」


「うん、僕が持ってても仕方ないもん。」


紙袋をギュッと抱きしめ顔を赤くした。


「そっか、そうなんだ………ありがとう、ね……///」


「う、うん、どういたしまして……」


不覚にも今凄い子夏がかわいいとおもってしまった……

急にあんなしおらしくされたら………



「じ、じゃあね、また明日…………」


「あ、え、うん………」


走る彼女の姿は闇の彼方に向う、もとい、家に帰っていった。

それに少し見とれていた。


「お兄ちゃん、どうしたの?早く帰ろうよ〜」


「え、あうん。ところで何で学校と家で口調変えるんだ?」


「………だってお兄ちゃん好きだし、ブラコンとかバレたくないし……」


「ん?なんて言った?」


「な、なんでもないよ!///」



彼方は家に帰るまで話しをしてくれなく、家に帰ったら小梅に帰りが遅くなるなら連絡してくださいと怒られてしまった。


結局、彼方の話しをするタイミングを完全に失った。


※※※※※※※※※※※



私は走っている。

腕の中には好きな人から貰ったプレゼント。

あまりにも嬉しくて身体は熱く、心臓の鼓動がかなり早い。


目の前の信号機は全て赤―――

車や人の通行はゼロ―――


躊躇なく交差点を渡る。

止まる余裕はない。

止まってしまえばこの気持ちがそこで爆発してしまう………



ノンストップで家に着き、部屋に籠る《こもる》。


紙袋の中を確認すると人気キャラクターのウサミンが入っていた。

私は嬉し過ぎてそれを抱きしめベッドに身体を預ける。


「ふふっ♪///」


頬が自然に緩み、顔もさらに赤くなっていく。


「私は……天崎、悠さんがやっぱり好きなんだ………」



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