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ハルカの季節  作者: 杞憂
17/23

ハルカの夏;初;衣替え

こんにちは、杞憂です。


今回からサブタイトルが変わります!

新シリーズですよ、テンション上がりません?


では、どうぞ→→↓↓↓

満開だった桜の木には紅の色あいも消え深緑の桜が栄える。

季節は移り変わりをする。それは目には見えないが感じる事の出来ること。

自然にとって季節の移り変わりは衣替えと同じだ。


今まで葉を散らし裸だった枝達には芽が出て花を咲かせ、また散らせる。その繰り返し……



そう、僕も去年と同じこの手に持つ夏服を着る予定だった。

しかし、今年から僕の夏服は女物の制服だ。


「お兄ちゃ〜ん!準備できたぁ〜?」


「か、彼方!?ま、まだまだ、まだ済んでない!」


テキパキと慣れた手つきで着替えていく。夏服も冬服と同じ様な作りで助かった。

カバンに各教科に合った必要なものをカバンに入れる。

「一限目は数学B…ブレイ〇ルー!

二限目は現国……アマガ〇だな!あとは……」


適当にその科目の時間にやりたいゲームのUMDをカバンに押し込み彼方と家を出る。



♂♂♂♂♂♂♂♂♂♂♂



衣替え期間の初日の今日、周りを見てもまだ皆冬服のままで少し仲間外れな感じを漂わす。

僕はあまり気にはならないが彼方が執拗に「私達だけ夏服だよぅ。大丈夫かな?兄さん…」と何度も聞いてきた。しかも上目遣いで………

反則だぁ!!


あまりに可愛いすぎてしまい直視できない!


目線を合わせない様に目の前の人の背中を凝視する。対象は女子でウチの制服を着ている。

背は僕より少し小さいが、女子の中ではかなり高い方だ。更に特徴的なのが腰まで伸びた金髪だ。周りを通る学徒達が皆凝視している。皆がみな堂々とガン見である。


「あっ!今目線逸らした!やっぱり変なんだ……」

「い、いや変じゃ無いんだけど何か色々あってな…」


「兄さん!変じゃ無いなら目を合わせて!!」


「ちょ、おい!危な――いから……」


何と妹は兄の両頬に手を合わせて無理矢理顔を正面に来るように強引な作戦に出た。


僕の正面、いや目と鼻の先には彼方の顔が近くで見える。

多少斜め上に伸びた切れ目――

寝癖一つ無い艶やかな髪――

柔らかそうな唇――


そんな妹の瞳は僕以外のモノを写していない。


麻酔を射たれたかの様に痺れる。





妹の髪からはとても甘い匂いがする。頭もぼ〜として来た。


「兄さん……お兄ちゃん………私、…」


「よぉ、二人とも!何朝からイチャイチャしてんだよ!!!」


「「//////!!?」」


「ど、どうしたんだ!?二人とも!!」


「こここ子夏!?」


「子夏ちゃん!?」


「そうだけど…」


何でそんなに慌ててるんだと尋ねられたが正直答えたくないし、答える為の言葉が出てこない。

よって話しを反らす事にした。


「おはよう、子夏。良い天気だね。」


「おはよう、あ、天崎…彼方も…」


互いに挨拶を終えると何事も無かったかの様に通学が再開されたがそれから子夏の表情はホンノリと赤いままだった。

そして目の前を歩いていた金髪少女は跡形も無く消えていた。



♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀



予定より少し遅めに教室に入った僕は皆に挨拶を交わし席に着く。

そこからは手にPS〇を持ちスリープを解除、ゲームスタートだ!


「………」


黙々とプレイする僕を他所に[よそに]、担任である撫子先生『通称なっちゃん』が教室に現れ朝のホームルームを進める。

正直プレイ中だから何言ってるか正直よく分からない。

分からないが所々で耳に入って来る。


「喜べ!このクラス……がやって来たぞ!!」


『うぉお…おぉぉぉぉーーー!!キタコレ―!!!』


え!?何!?


「しかも美…だ!!」


『よっしゃゃゃゃあぁぁ!!」


「乗ってるか〜?」


『イエェェ―イ!!』


「大阪ぁ〜!!!!」


『………??』


「お前らそんなもんか!東京はもっと元気あったぞ!!」


『お、大阪ぁぁ!』


「最近のお客さんは首を振らないんですか!!?」


『………うぉぉ〜!!!!」


え、何!?男子が皆して喚いてる[わめいている]だと!?

しかもJAN〇Eのヤ〇と同じ事言ってるよ、先生!

それに応じて男子も皆首振ってるし……

近くの女子皆ドン引きだし……

か、カオスだ……



「よし、テンションMAXの所で美男子に登場して貰うか!」


『な、な、美男子だとぉぉーー!!!」


興奮していた男子が皆項垂れ(うなだれ)始めたと同時に、悲痛の嘆きを口々に漏らし始めた。


「騙された……いつもみたいになっちゃんに騙された……」


「マジかよ……テンション上げて馬鹿みたいじゃん……」


「あぁ、女神!貴女はこのクラスには舞い降りないのですか?」


「はぁ〜…クラッカー買い占めたのに無駄無駄だな…」


「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄、無駄ぁぁ!!!」


「時間、戻んないかなぁ〜(泣)」


「救世主[メシア]は何処に〜……」


「はぁ〜、死にてぇ〜…」


「裏切ったなぁ!僕の気持ちを裏切ったなぁ!!」


「まぁ、落ち着け。今のは嘘だ。ちゃんとした『美少女』だ。」


『………まじ?』


恐る恐る聞く男子たち。


「マジだ。」


即答するなっちゃん。


『イヤッッッホーーーーーーー〜!!!!!』


……凄い!ここまで男子を盛り上げる能力…凄まじい!!

火に水を注ぎ鎮火させたのに油を垂らしただけでフェニックスの様に再び燃えだした。


「流石なっちゃん!盛り上げ方解ってるぅ〜」


「なっちゃん大好きだぜぇ〜!!」


「あぁだろうな!私も私が大好きだぁ〜!!」


『『……………』』



僕を含む女子達は皆完全に沈黙だ…


はぁ〜、メンドクさ〜…


「それでは登場して頂こうか。よし!入れ、柊!」


男子は全員クラッカーを手に持ち、戸が開くのを待つ。

女子もどんな女の子が来るのか気になって戸を見つめている。


そして戸が開き、クラッカーが轟音とともに爆発する。

そしてそれから出てきたプラスチックのヒラヒラが目の前の男に付着す――――――って、男!?


『えっ!?』


クラスの全員が驚いた。勿論なっちゃんも……


何が起きたかというと、転校生が中々の体格をしたかなり美形な男性が出てきたからだ。

しかも浴衣着てるし…


すると何が起きたかを理解するとクラスメート全員が『あぁ〜!』やら『キャャ〜!』と各自色々な想いが籠ったシャウトを発する。


「なっちゃん!騙したなぁ!!最低だぞ!やり口が汚い!!」


「俺達に嫌がらせしやがって!!」


「チクショォー!!」


「父さん!出して!此処から出して!!」


「こんなんじゃ……カットビング出来ねぇーよ…」



しかも女子も女子で…


「あの人、めっちゃカッコイイ〜」


「あぁ〜かなり満足だよぉ〜」


「………満腹。」


「あんな人に抱き締められたーい!」


「遊〇ぁ!頑張って、諦めないで!!」


「……勝ったな。」


「あぁ。」


……クラスがカオス化してきた……


某デュエリストや某人造人間の碇司〇が……しかも女子に混じって〇令もいたし!!



「センセー!!美少女は!?美少女は何処に隠したぁ!!!」

「はぁ〜……柊のお父さん。先程お帰りになられたのでは無いのですか?」


「ん?あぁ、なんだ?あれだよ、あれ。娘が心配なんだよ。ちゃんと友達出来るか心配で。」


「……はぁ〜。お帰り下さい。」


なっちゃんが相等疲れた顔を見せ転校生の父の帰りを促す。が――


「待て待て!オレはまだ娘の自己紹介を見てないし、ビデオにも撮ってない!これでは帰るに帰れん!!」


彼は転校生の父だそうだ。様子を見るからに転校生の娘を心配する優しい親と言った所かな………?


「いや、お父さんが居られると授業等に支障をきたしますので、お帰り下さい。」


「待ってくれよ、先生!せめて自己紹介をボイスレコーダーで録らせてくれよ!」


「はぁ〜、、……」


なっちゃん…相等イラついてるなぁ〜……


「お父さん、早急にお帰りください…」


いや、優しい親じゃなくてただのバカ親なのかもな……

するとクラッカーが放ったプラスチックがカサカサと何かに踏まれる音がする。踏んでいるのはこの学校では見たことのない女の子だが学校の制服を着ている。


「本当ですよ、まったく……」


『ま、まさかぁ……!』


クラスの男子達が声を揃え見たことの無いそれに釘付けになる。

彼女は教卓まで歩く。

その距離は二、三mと無いが歩く度に腰まで伸びた輝く金髪が波打つ。


黒板に名前を書き此方に振り返る。


「初めまして。柊沙希[ひいらぎ さき]です。」



全体的に整った顔は色白。

長方形のフレームの眼鏡から覗く瞳は何処か冷めた様な感じを漂わす無表情。


見た目は申し分なく良い、美少女と言うよりは美人だ。


「柊さん!ご趣味は?」


テンションを上げて誠が叫ぶ。


「……」


「好きな食べ物は?」


「……」


「おい、沙希!もうちょっとアピールしろ!そんな事じゃ友達出来ないぞ!」


「……!!」


父の言葉に強く反応した転校生。一瞬寂しそうな表情を見せたように思えたが、それを隠す様に彼女の口が開く。

「父さんには関係有りませんし、友達なんて…必要在りません。」


それをさかいに転校生――柊沙希は自らクラスを拒絶した。



※※※※※※※※※※※



――あれは忘れもしない


雪がひらりひらりと悲しげに舞う夜空のした……


世界はボヤけ何が何だか判らない。

解ることは今私は泣いているという事だけだ。

その場に立ち尽くし泣く事しか出来ない。

声を堪え涙だけが流れ少し積った雪に落ちる。


涙を拭うにも今の私には『拭う』という単純な動作すら考えつかないでいた。


そうして拭われもしない涙は少し積った雪に落ちる。落ちた所はじわじわ溶けていく。

涙は止まる事を知らず地面に落ちる。



あの時は私にとって忘れたいが忘れる事の出来ない出来事[トラウマ]となった……

転校生の設定に何日かかったかわからない………


色々迷いました(汗)(汗)



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