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ハルカの季節  作者: 杞憂
15/23

ハルカの春;御見舞い〜2〜

お久しぶりです。杞憂です。


モンハン3rdが楽しすぎる杞憂です。レウス、レイヤの尻尾の位置高いな〜と思うのは杞憂だけでしょうか?


そんな事より、読者の皆様御待たせしました。

では、どうぞ→→→↓↓↓

御見舞い。

辞書で調べてみると、病人や災難にあった人を訪れ励ます事。また、その為の手紙や品物。とあった。


御見舞いをする方、される方どちらも日頃の感謝等を籠めて行い、別れる時にはどちらも楽しかったという気持ちを感じ、満足感に浸る。と僕は思っていた。



「なぁ、マリア、…あ、天崎には何を買えば、良いと思う?」


「うぅ〜どうだろう?私、男の子の欲しいものがよく解らないから…、そうだ、悠ちゃんに聞けば?一番近くにいるんだから何が欲しいか分かると思うよ。」


「えぇ!」


ここで僕に振るの!?

ここをどう振り切るかを考えないといけないのに他の事なんか考えてられないよ!!


「確かゲームソフトが欲しいって言ってた様な…」


「え〜ゲーム高いし財布がピンチだから却下〜。」


チッ!!!

因みにこの欲しい物は本当に欲しい物だったから手に入らないと聞いて残念すぎる。

って、違うだろ!

今考えないといけない事は二人による天崎悠(♂)の御見舞いを阻止する事だ!



「そう言えば、義兄さんは大した風邪ではないから、御見舞い何て要らないっていつもクラスメートにメールして拒否してるらしいよ。」


「そうなんだ……」



少し落胆した子夏を見て心の底でガッツポーズをとる。悪い事をしたとは思うが仕方ないと割り切る。


だが、相手が子夏だったからなのか元気を取り戻してやっぱり天崎の御見舞いをしようと言い出した。


「たいした風邪じゃないなら行っても問題ないし、悠とマリアっていう美少女が一緒なら喜ばない男子はいないぜ!!」


何かに燃えてる子夏。

表情は満面の笑みを浮かべている。

とても良い笑顔だけど今の僕はそれがとても怖く、気持ちがどんどん焦っていく。

一方、マリアは何故か嬉しそうにニヤニヤしている。

「ふふっ、子夏は本当に天崎君の事好きなんだね。」


「えっ、」


「ば、馬鹿!!なな何言って……」


「照れなくていいんだよ、悠ちゃん知ってた?子夏って天崎君の事一年生のときから好きだったんだよ。知ってた?」


「…いや、知らなかったよ……」


「な、なな、ななんで言っちゃうんだよ!!!秘密にするって言ったじゃん!」


「まぁまぁ、友達なんだから知ってた方がいいのかなって思ったから。」


「と、時が来たら言うつもりだったのに〜。」


「早く知った方が色々やりやすいかと思うよ?」


「そ、それはそうだろうけどさ〜。でも……」


「悠ちゃんは天崎君と同居してるから色々聞き出せたり出来るよ?」


「うぅ〜……」


「天崎君がどんな趣味を持っているか、どんな食べ物が好きかとか色々解るよ?」


「……わかったよぉ。」


真っ赤な顔で反論していた子夏だがマリアの説得で渋々とだが納得した。

納得はしたが、子夏の顔は赤のままだ。


僕は意外な事を知らされて暫く考えていた。

一年生の時……一年前に僕は子夏に想われていた。

僕は子夏の事を友達になるまで知らなかった。



……無理もないかもしれない。何せ一年生の時も今と変わらず放課だろうが、授業中だろうが、移動中だろうが所構わずゲームをしていたから。


「そ、そんな事より早く悠の家行こうぜ!」


「子夏、貴女悠ちゃんの家判るの?」


「あぁ、前に調べたから……って、おい!何言わせるんだよ!!///」


「勝手に言ったのは子夏でしょ?」

勝手に墓穴を掘る真似をして顔が更に赤くなる。いや、紅くなっていく。

それに比例する様にマリアの表情も緩くなっていく。

「まさにゾッコンだねぇ。羨ましいね〜。ね?悠ちゃんはどう思う?……って何で悠ちゃんが顔赤いの?」


「え!?そ、そんなこ、事無いよ!ハハッ…」


「そぉ?じゃあ夕日のせいかな?」


どうやら赤い表情を誤魔化せた。本当は顔が真っ赤だ。


すると子夏は手に持つ通学用のカバンを脇に挟み、両手で僕とマリアの手を取って歩き始めた。



話しもせずただただ歩く。

歩くペースが歩数を増すにつれてあがる。その間僕達は子夏に話しかけるが全て無視される。

暫く様子を見ようとマリアと視線会議(アイコンタクト)をした。



暫くすると子夏はある家の前まで来ると歩くのを止め、足を止めた。


……あぁ〜、この家見た事あるな〜。

中にも入った事もあるよ〜。

僕の部屋とかありそうだよぉ〜〜……



「じゃなくて、これ僕の家だよ!!!」


「え!?本当!?子夏、本当に知ってたんだね。冗談かと思ったのに。」


僕は死守する筈の絶対防衛線までいつの間にか敵と一緒に来てしまった、という凄まじい馬鹿らしさと焦燥感に(さないな)まれている。

一方、マリアは本当に知っていたという事実を知ってしまい少し引いて――いや、かなり引いている。


所謂ドン引きというやつだな。

「って、子夏?どうしたの?」


その一言で僕も異状な事態に気付いた。

子夏を観てみると顔が真っ赤な状態で目を円にして、口を金魚の様にパクパクさせている。

きっと緊張してるんだろうと事情を知ってる僕達には分かるが遠目から視るときっと…


「子夏、その顔間抜けな顔に見えるから止めなさい。」


おぉ、マリアと僕の思っていた事がシンクロしていた。

とか声に出して言っている間にマリアは徐に(おもむろに携帯を取り出しカメラを起動させ、


パシャ!――


フラッシュをたいて顔を撮影。瞬間的に子夏の顔が蒼白になり、亡くなった人みたいになった。



出来上がった写真を見てみると真っ赤なマヌケ面が見れる。

それを見た撮影者は笑た。それにつられた僕も笑ってしまった。



♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀♀



「どうぞ、粗茶です。」


「あっ、どうも。」


「「それ麦茶!!」」


「音羽さん、家には粗茶無いよ。」


「す、すすみません。」


「子夏、貴女もよ。」


「そ、粗茶なんて飲んだ事ないから……」


「「はぁ〜」」


現状報告といこうか。


僕達、

天崎悠(♀)

百合野子夏

楠マリア

自分含め三名は天崎家で天崎悠(♂)の御見舞いを行いに訪れた。だが、男から女になったのは一部の人しか知らない。

と言うのも彼女らは知らないからである。


今、麦茶を淹れてくれたのは僕の父―天崎優作[あまざき ゆうさく]が身の回りの世話係として呼んだらしいメイドさん―

―小梅音羽[こうめ おとは]である。彼女は数少ない僕の正体を知ってる人の内の一人である。


その彼女が先程買い物から帰ってきた所、僕達は玄関のチャイム前にて鉢合わせした。

そして事情を知らないまま彼女があろう事か敵を、『〇徒』をジオフロ〇トに侵入させてしまったのだ!!


――以上、報告でした――




「結局、何も考えてね〜!!!!!」


「ブフゥ!ゴホゴホ!どうした!悠。何か言葉遣いが私とかぶってるぞ!」


急に叫んだ為に、子夏は飲んでいた麦茶でむせたらしい。


「ちょ、子夏。大丈夫?

悠ちゃんはどうしたの?」


「おう、大丈夫大丈夫。むせただけ。」


「おう、大丈夫大丈夫。むせただけ。」


「「アンタはむせて無い!!」」


「大丈夫ですか!悠様。たたた確かこんな時は、……膝小僧を擦る(さする)と良いんですよね!」


「「チゲーヨ!」」



―時間稼ぎだ。


「では、太股を擦れば良いと某ファミ〇公式攻略本に書いてあった筈…」


「『某』付けた意味がねぇ!!てか、何のゲームだよ!?」


――時間稼ぎなんだ。


「違うよ。音羽さん。××を◆◆◆◆で※〇@してやるんだよ。」

「そうだったのですか?私はいつも◎◇※しながらでしたので、そういった類いの××本は読まないのですよ。」


「何モザイクかけてんだよ!しかも言ってること下ネタじゃなくて普通の会話だし。

『《カップ焼そば》を《熱湯》で《三分浸》してやるんだよ。』

『私はいつも《シャンプー》しながらですので、そういった類いの《エロ》本は読まないのですよ。』って言ってただけだろ!!しかも意味が不明だし!!」


「子夏、貴女最後はモザイクしないと……」



――時間稼ぎなのだ、が





「……そう上手く、いかないか……」


そう言うと座っていた僕は立ち上がり着いてきてと彼女らを促すように言う。

すると音羽は慌てた様子で「本当に良いのですか」と聞いてきた。


「良いも何も、……僕が決めたから。」


「私もご一緒に。」


頭を縦に一度だけ振る。

覚悟は出来た。

この先何が起こるか解らない……ただ、結果は解る。


真実を話して今までと同じ様に接してくれるか、くれないか、だけだ。



「マリア、子夏。案内するよ。天崎悠の部屋に…」



♂♂♂♂♂♂♂♂♂♂♂



「え……///」


「あ、うん。わかった。って、またどうしたの?子夏?」


「ナにもナい。」


「………そう。」


(今、一瞬、悠の瞳があの時の天崎に見え………た様な…)



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


僕達は二階に通じるたった一つの手段の階段の前に来ている。上を見ると闇で包まれている。

何も見えない。


だが、見えないから人生なのだ。

見えないから人間は怯え、生き続けるのだ。

見えないから人生は、スパイシーなのだ。

見えないから人生は、苦しいのだ。


だが、今は進むだけ。

酸欠する位苦しくても、

胸が裂けそうな位嫌でも、腕がひき千切れそうな位痛くても


―進むだけだ!


一段一段暗黒の闇に近づいていく。

外はもう薄暗い。

電気一つ付いてない二階。

暗闇は進むたびに暗さを増していく。


階段を全て上り終え、手探りで壁を触る。すると壁には突起物が有るのがわかった。それが何か、どの様な物が、使い道など判っている。


突起物を横に倒す。

闇に支配されていた二階は闇をかき消し天井から光がさす。

さらにこの光はどこか僕を勇気付けているとさえ思える。



部屋のドアの前まで来た。

ドアノブに手をかけ深呼吸。

ノブを握る右手には汗。

拳を握る左手には汗。


その様な状態で右手は下におろされ………



「ここが、天崎悠の部屋だ。」


僕は最後にそう言い放って電気一つ付いてない漆黒の闇の間の扉を解放した。

感想をお待ちしております。気兼ねなくどうぞ!


因みに今回は自分自身展開が早すぎた感があった様なとおもいます。(汗)(汗)



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