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シンデレラと魔法使い  作者: 本羽 香那


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8/77

シンデレラと魔法使いは舞踏会へ向かう

 

 ヴィオルは菜園場にあるカボチャを見つけエラに1つ貰っていいかと尋ねました。

 エラは不思議に思いながらもカボチャを取って来てヴィオルに渡しました。

 ヴィオルはお礼を言いカボチャに魔法をかけます。

 するとカボチャは見たこともない巨体なカボチャとなり、車輪が4つ現れ、そして馬2頭と2人の男が現れました。

 あっという間にカボチャの馬車の出来上がりです。


「綺麗」


 エラは突如現れたカボチャの馬車に興奮し、3周ほどグルグルと馬車の周りを回って様々な角度から眺めました。


「どこから馬と男性の方々は登場したの? ヴィオルの知り合い?」


 またエラは突如現れた馬と人にも興味を持ちました。


「この馬も人も魔法だよ。実在なんてしないさ」

「貴方の魔法って何でも有りなのね。でも、流石に一瞬で移動出来る魔法とかは存在しないのか」


 エラは何故か勝手に想像して勝手にガッカリします。

 そんな姿をヴィオルは思わず笑ってしまいました。


「いや、その魔法もあるよ。最悪レッスンに時間が掛かったらそれで行こうと思ってた」

「じゃあ何でそれで行かないのよ」

「まあ、魔力の消費が大きいし、魔力は回復するまでに時間が掛かるし……大人の事情ってところだね。それにエラだって馬車に乗りたいだろう?」


 正直に言うと瞬間移動の方が興味ありますが、ヴィオルの事情を察して興味あるわと嘘をつきました。

 それを聞いたヴィオルは安心したのでした。


 次はエラの服を最初に着せた素敵なドレスに変えました。

 先ほども凄く感嘆したドレスですが、何度見ても美しく見惚れて嬉しいあまりに一周ぐるりと体を回転させます。

 エラが回ったとこによりドレスの裾が少し上がり足元が見えました。

 その時ヴィオルは大変なことに気づきます。

 エラの靴がヒールでは無かったのです。

 舞踏会ではヒールを履いていくのがマナー。

 そのためヴィオルは慌ててエラの靴に魔法をかけます。

 するとエラの靴はガラスの靴に変わりました。 

 ガラスの靴は見た目は痛そうですが、実際にはそんなことはなく、様々な角度からキラキラと反射し、綺麗な蝶の形が乗っかったとても綺麗デザインで、なおかつ履き心地は抜群でした。


「なんて綺麗なの! これも魔法なのかしら?」

「あぁ。上手でできているだろう」


 ヴィオルは思った以上の出来で興奮してしまいます。

 エラは、ヴィオルに感謝を伝え、ヴィオル以上に興奮して、もう1度ぐるりと1周したのでした。



 

 全て準備がようやく終わりついに出発です。

 しかし、エラは馬車に乗ろうとしません。

 

「やっぱり1人で行くの嫌だ。一緒に行ってよ」


 舞踏会に行くのが急に不安になったのかヴィオルに一緒に行くよう駄々こね始めました。

 


「無事に辿り着くから1人で行っても大丈夫だ。何より関係者以外は、女性しか入れないからそもそも無理だ」


 ヴィオルはあっさりそれを否定します。


 エラはどうしようどうしようと頭の中をグルグル回りながら焦ってしまいす。

 そうこう考えているとエラはハッとなり握った右手を左手の平にポンと叩き首を上下に動かしました。


「女性だったら入れるのよね?」


 ヴィオルはエラの質問に首を縦に振りますが、エラの不敵な笑みを見て嫌な予感がしました。


「だったらヴィオルを女にしたら問題解決だわ」

「いや、言ってること無茶苦茶だ!」


 エラの言ったことはヴィオルの予想したことと斜め上の方向で頭が痛くなります。


「そもそも男である俺が女装したところですぐバレるだろうが」

「大丈夫、大丈夫。だってヴィオルって中性顔で、とっても整っているから、普通の女性より全然綺麗だって」


 エラの言う通りヴィオルは輪郭が綺麗な卵型の小顔、肌は透き通るような白さで目は大きなパッチリとした二重、鼻は高く鼻筋が通っており、髭や眉毛が薄いと中性顔の代表とはまさに彼の顔のことを言うのでしょう。

 また、身長は170cmぐらいと女性だと背が高いものの線は細いため明らかに男と言う感じもありませんでした。


 エラはヴィオルの魔法の杖をサッと取り上げ、魔法をかけて女装させようとしますが、勿論できるわけありません。

 エラはチチンプイプイとか開けゴマとか謎の呪文らしきことを言い続けて、ヴィオルが魔法の杖を取り返そうとしても一向に杖を離そうとしません。

 そうしているとエラがヴィオルの手を重ねた上でビビデバビデブーと呪文を唱えるとヴィオルは美しい令嬢となっておりました。


 ヴィオルもエラと同じく上質な絹でAラインドレス。

 そして化粧は紫よりの青のアイシャドウ、眉は綺麗に整えられ、口紅は濃い赤と麗しい魅惑的な女性となっておりました。


 エラは予想以上に綺麗な女性となっていたので大喜びでヴィオルをマジマジと見つめました。


「何で魔法が使えたんだ? 魔力を持つ者しか使えないのに」


 ヴィオルは女装させられたよりも魔法が発動したことの方が驚きでした。


「ヴィオル、無事に女装が終わったことだし一緒に舞踏会に向かいましょう!」


 エラはポムにお留守番お願いねと頼みポムの頭を撫でました。

 ポムはいってらっしゃいと元気良く一声上げます。 


 そしてエラはヴィオルの手を引きながらヴィオルを馬車に押し入れ自身も乗り込みます。

 ヴィオルは待てよと叫ぶもその叫びは全く届かず、馬車が動き出したのでした。


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― 新着の感想 ―
女しか入れないなら、女にしてしまえというぶっ飛んだ発想がイイ。 何故かそれを可能にしてしまう謎パワーもイイ。 そして、強引に好き放題する強引力もイイ感じ。 この嬢ちゃんにはぶっとびヒロインの可能性を感…
[一言] エラちゃんなんで魔法使えたんや(;'∀') 信じる心があなたの魔法、ってか?(;'∀')
[一言] 女装キターーー!!!!(大歓喜)
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