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シンデレラと魔法使い  作者: 本羽 香那


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シンデレラの義姉の正体


 館の前に到着すると、前公爵夫人はすぐにバリアを外して、3人を中に入れました。

 

「ヴィオル、エラちゃん、無事だったのね」


 前公爵夫人は2人に怪我なく帰ってきたことに安堵し、その場で2人のことを抱きしめました。

 エラはそこまで心配してくれたことに対して、前公爵夫人に申し訳なく思いつつも、嬉しく思いました。 

 一方でヴィオルは痛いと前公爵夫人の力強い懐抱に少し抵抗します。

 その言葉を聞いた前公爵夫人は、ごめんと謝りながら腕を解きました。

 そして、ふと魔法の絨毯の上に乗っているメイソンを見てこう呟きます。

 

「やはり彼だったのね。火の魔力を使っているからそうかなと思ってはいたけれど……」


 前公爵夫人は元々黒幕が誰かは目星は付いていましたが、メイソンが真面目な性格であることは知っていたため、やはり少し驚いてしまいます。

 また、体がボロボロになってしまったメイソンの姿を見て、哀れに思ったのでした。

 すると、3人の声が聞こえたのか、1人の医師が駆けつけて、メイソンに近づきました。


「彼はこのままでは暫くしてそのまま亡くなることでしょう。しかし私達医師や薬師の力では治しようがありません」

「それでも彼を治すことに出来るだけ力を注いで欲しい。彼には様々なことを聞かなければならないから」


 医師はメイソンの様態を見て、即座に首を横に振りました。

 ヴィオルはやはり無理かと思いながらも、メイソンが亡くなるまでは尽力して欲しいと嘆願しました。

 すると、ヴィオルが予想もしない返事が返ってきました。


「彼は彼女に治してもらいましょう。彼女で治せないなら、彼の命はそこまでです」


 医師でもなく、薬師でも治せないのに、彼女なら治せるかもしれないとはどういうことかヴィオルには全く理解出来ませんでした。

 それはエラは勿論のこと、前公爵夫人も理解出来ておらず、3人共に"彼女"とは一体何者なのか気になってしまいます。

 しかし、3人はそのことを聞く間もないまま、医師に誘導され、治療室に案内されたのでした。

 そこで待っていたのは、薬師であり、エラの義姉であるロゼリア。

 3人は薬師でも治せないと言っていたのに、何故薬師であるロゼリアの元へと案内されたのか、ますます混乱してしまいます。

 医師はロゼリアの元に行き、事情を説明しました。

 ロゼリアはエラ達が戻ってきた姿を見て安堵しながらも、医師から話を聞かされ、急いでメイソンの元へと駆けつけました。

 

「これはレオ様よりも酷い状態ね。私に彼を治すことが出来るのかしら」

「レオ隊長より酷い状態である彼を私達では治すことなんて不可能です。もし直せるなら貴女様しかおりません」

「分かりました。取り敢えずやってみます」


 ロゼリアはメイソンのあまりにも酷い様態に怖気付き、不安を抱えておりましたが、医師の説得でロゼリアは渋々と引き入れることにしました。

 3人はその場の会話はよく理解が出来ず、ただ見守ることしか出来ませんでした。

 ロゼリアは目をつぶり、一呼吸息を整えます。

 ロゼリアの右手はメイソンの手を握り、左手はメイソンの体から少し離して優しく撫でるようにゆっくりと上から下へと動かしていきました。

 すると、ロゼリアがかざした所から光が出てきて、順に体が綺麗に治っていきます。

 そして、先程のボロボロの体は嘘のように元に戻ったのでした。

 その光景に医師を含めて4人は圧倒されておりました。

 

「どうやら治せたみたいね」


 ロゼリアは疲れにより、体が少しふらついて倒れそうになりましたが、後ろから現れた男によって受け止められ、倒れることはありませんでした。


「レオ様、ありがとうございます」

「どういたしまして」


 ロゼリアは頬を少し赤く染めて彼にお礼を言いました。

 それに対して彼は爽やかにお礼を返します。


「レオ! 治ったのか?」

「ああ。彼女のお陰で嘘のように」


 ヴィオルはレオの姿を見て驚愕しました。

 先程瀕死状態だったのが、嘘であるかのようにピンピンと動いているため、驚くのも無理はありませんでした。


「彼女はどうやら聖女だったみたいだ。それもとても力がある聖女さ。今回ので力が開花したらしい」

「「「聖女???」」」


 3人共、聖女という思いがけない言葉に大声を出して、驚いてしまいました。

 ヴィオルと前公爵夫人は、聖女という存在がいるのは知っておりますし、何なら会ったこともありますが、この国で聖女がいたとは夢にも思いませんでした。

 また、エラはいつもロゼリアが手当や看病をしてくれるとすぐに怪我や病気が治ったり、料理を作ったりお茶などを入れたりすると、自分や継母、アナスタシアが出した時よりも自然と力が湧き、またリラックスも出来るためまるで物語に出てくる聖女みたいだなとは思っておりましたが、まさか自分の義姉が本物の聖女だとは夢にも思いませんでした。


「私も自分自身がまさか聖女だとは思いもよりませんでした。正直今でも信じられなくて……」


 それはロゼリアも同じことで、自分が手当や看病するとすぐに治るのは、薬に関する知識と薬の力だと思っておりましたし、料理やお茶を出す時に、力が出てくると毎回言われるとは単にエラ達が料理やお茶を褒めてくれていると思っていたからでした。

 ロゼリアはレオの治療中に、急に力が開花し、ロゼリアが気づかないうちにレオが治っていたのでした。

 また、レオもロゼリアがここまで元通りに治してくれるとは夢にも思わず、最初は天国でも行ったのかと錯覚したほどです。

 ロゼリアの聖女の力が開花したことで、無事レオが治り、他の重症を負った騎士達やリンネ国の重症を負った騎士達も全員治してしまったのでした。

 勿論このまま軽症である騎士達全員を一斉に治すということも出来ましたが、エラ達が大怪我をして帰ってくることを危惧して、軽症である騎士達は他の医師や薬師に任せて待っていたのでした。

 そんな中運ばれたのが、メイソンであり、ロゼリアは彼を無事治したのです。  

 それでもあまりにも酷い様態であったため、ロゼリアでも体力までは回復させることは出来ず、メイソンをベッドの上に寝かせました。

 しかし、またメイソンに反抗されては困るため、ヴィオルは空き部屋に彼を入れて、魔法でメイソンの魔力では出れないように閉じ込めました。

 この頃には騎士達全員の手当が終わり、全員疲れてしまっているため、ヴィオルと前公爵夫人が念には念をと館にバリアを張って、全員に休むように命じたのでした。


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― 新着の感想 ―
[一言] 聖女キターーー!!!!(大歓喜)
[一言] 一国に一人は必要ですね、聖女って( ゜д゜) それはそれとして、いてよかったですよホント。 このまま死なせて事件を迷宮入りさせてなるものか。
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