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シンデレラは再び本領を発揮する


 エラが公爵令嬢に誓いを終えると、とても多くの素敵なドレスが目に入ってきました。

 2人が挨拶をしている中、侍女はクローゼットを開けて服を選び始めていたのでした。

 どうやらドレスを着替えるようです。

 エラの家では元々裕福ではなかったため関わりのないことでしたが、令嬢は普通1日に3回ほどドレスを着替えるのです。 

 勿論、公爵家は裕福なため、公爵令嬢もドレスを着替えるのでした。


 エラは沢山ある綺麗なドレスを眺めていると少し変わったドレスが見え不思議に思いました。

 他のドレスはとても凝ったデザインで華やかなのに、そのドレスは何のデザインもないとてもシンプルなドレスだったからです。

 エラは思わず心の声が実際に出てしまいました。


「何故そのドレスだけシンプルなのかしら?」


 公爵令嬢は何のことかしらとドレスを見渡すとエラの言っていたドレスを見つけ手に取りました。

 エラはそのドレスを間近で見ると、息をのんでしまいました。

 雲のない綺麗な空をそのまま投影したかのようなスカイブルーに染めた綺麗で上質の絹のドレスであり、こんな綺麗な色は見たことがなかったからです。

 しかし、よく見ると裾の真ん中がかなり破れていました。


「これはね、3年前にお祖母様に頂いたドレスなの。このドレスを気に入っていてよく着ていたわ」


 どうやら思い出のあるドレスのようです。


「でも、誤ってドレスを薔薇のトゲで思いっきり引っ掛けてしまって……そのドレスが擦り切れて修繕してもらおうと思い頼みに行ったのだけれど、その布は自分達でも手が入らないものだから無理だと何処にも断られて……結局そのまま置いていたのね」


 公爵令嬢はドレスを物寂しそうな見つめます。


「残念ながら今やウエストも合わないし、もう着れないわね。レナ、これを捨てておいて」


 そう言って公爵令嬢は侍女にドレスを渡しました。

 侍女は分かりましたと自身の腕にドレスをかけ、受けとります。


「捨てるなんて勿体ないです!」


 2人はエラの発言に驚いてしまいました。

 また、大きな声で言われたので少し耳が痛くなりました。


「でも、もう着れないものを置いておいても仕方がないわ」

「いえ、リフォームすればまたお召になれます」


 エラの発言にまたまた驚いてしまった2人。

 2人は顔を見合わせて首をかしげています。


「お任せください! 私が立派に仕上げてみせます」


 エラは自信を持って思いっ切り自分の胸に手を当て任せるよう頼みました。

 公爵令嬢はエラの提案を面白く思いましたし、どっちみち捨てるなら、してもらえるだけしてもらおうとエラにドレスを渡すよう指示し、侍女は彼女の命令に従いエラにドレスを渡したのでした。

 エラはもう一着の他のドレスと裁縫室にある道具や布を使って良いかと尋ねたところ、公爵令嬢は心良く許可したのでした。

 エラは公爵令嬢に一礼しそのまま裁縫室へと向かいました。

 

 裁縫室に向かっている間、エラはドレスを再び眺めました。

 本当に綺麗なドレスで魅入ってしまいます。

 それにしても、汚れてはいないようで安心します。

 何故なら絹はとても水に弱いため、洗うのは厳禁ですし、万が一洗うとしても大抵は縮んで失敗するからです。

 これなら洗濯の必要もないと分かったため、すぐに取り掛かることができるなと嬉しく思いました。


 裁縫室に着くと誰1人そこにはいませんでした。

 エラは道具や布を一様に見渡します。

 道具は知らないものもあり、何に使うのだろうと思いましたし、布は様々な色や模様があり些細な違いだとよく分かりません。

 確実に1つ分かったことはどれも立派なものだと言うことです。

 使えそうな布はないかなとゆっくりと見渡すと、上の棚に素敵な布を見つけました。

 エラは椅子を持ってきて、椅子の上に立ってその布を慎重に取りました。

 この布の色は綺麗な濃いオーシャンブルー。

 あのスカイブルーと合いそうな色です。

 その隣にはとても可愛いレース。 

 そのレースには美しい薔薇の花の刺繍がされていました。

 どうやら華やかになりそうです。

 エラはゆっくりと椅子から下りて布とレースを机の上にそっと置きました。

 これから早速作業に入ります。


 まず、小さい方のドレスに裁ちばさみで思いっ切りドレスの真ん中を端から端まで切り込みました。

 このことによりドレスは袖のある一枚の布となります。

 そのドレスを普段着ているドレスの上に置き袖の位置に合わせました。

 すると真ん中の部分が空くのでその幅をメジャーで図るとそれぞれ2.53cmの幅がありました。

 総丈も1.87cm、袖も0.51cmとどちらも少しずつ合わないと言う感じでした。

 でもこれぐらいなら全然着れる範囲ですが、公爵令嬢ともなると少しでも合わなくなると着なくなるのが普通なのでしょう。

 やっぱり公爵令嬢は違うなと思いながらも、次の作業に取り掛かります。


 エラは布を取り出して縦に真っ直ぐ裁ちばさみを入れます。

 そして切った布を端から丁寧に並縫いをして縫い付けていきました。

 最後はレースを取って袖と裾に縫い付ければリフォーム完成。

 でもそれだけでは物足りないと感じたエラは先ほどの布で太いリボンを作って腰の周りに巻いて左前で蝶々結びをしてリフォームを完了しました。


 真ん中にオーシャンブルーが通り、綺麗なレースが付いたスカイブルーのドレス。

 とてもエレガントなドレスです。

 しかし、リボンのおかげで可愛らしいドレスでもありました。

 エラはリフォームしたドレスを見て大変満足しました。


 終わった頃にはもう太陽がかなり西に傾いていました。

 思った以上にに時間が経っていたようです。

 エラはすぐさま道具と布、レースを丁寧に片付けて2つのドレスを持って裁縫室を出たのでした。


 公爵令嬢の部屋に戻ると公爵令嬢と侍女と鉢合わせをしました。

 エラは公爵令嬢に先ほどリフォームしたばかりのドレスを渡しました。

 すると公爵令嬢は大きく目を見開いて目をキラキラと輝かせています。


「なんて素敵なドレスなの! 前のデザインもシンプルで素敵だったけど、少しリフォームするだけでこんなにも違う感じになるのね。これはこれで素敵だわ。嬉しい。エラ、本当にありがとう」


 公爵令嬢は早速そのドレスを着せてもらい、夕食に向かいました。

 夕食に向かう姿は先ほどよりも何倍も嬉しそうでした。


 こうしてメイド長や公爵令嬢にも認められ、そして公爵家全体で実力が認められたエラ。

 勿論、継母も優秀な家庭教師として実力が知れ渡っており2人は正式に公爵の家庭教師・メイドとして雇われることとなったのでした。

 こうしてエラと継母は公爵家で立派に役目を務めました。

 

 その一方王城では王子の妃の選別会が行われていたのでした。


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― 新着の感想 ―
[一言] エラSUGEEEE!!!!
[一言] ウェスト……どれだけ差があるのか知ってたんですかいのぅ(ォィ でもって最後不穏ですなぁ(;゜Д゜)
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