いざ舞踏会へ
2人は招待状を持って門番の所まで歩いていきますが、ヴィオルは慣れないドレスとヒールで動きがとても遅くエラも彼の速度に合わせました。
「女性ってこんな大変なものを身に着けて毎回パーティーに行ってるのか。大変だな」
「本当に凄いわよね。ヴィオルの魔法が無かったらドレスも凄く重いだろうし、ヒールを履いてまともになんか歩けないわ」
2人は貴族女性に感心しました。
エラは、2枚の招待状を取り出し、門番に渡します。
そもそも、招待状はエラ宛ての招待状しかなかったのですが、ヴィオルを魔法で女装させた時に招待状も現れたのです。
その招待状にはヴィオラ・A・アンバーと可愛らしい偽名が載っているので、エラは笑いを堪えるのに必死でした。
門番は一通り目を通すと、すぐさま舞踏会に続く階段へと2人を案内しました。
2人は番人にありがとうと淑女らしくお礼を言うと、番人は元の所へ戻って行きました。
2人は長い階段を登り始めました。
階段には現在2人しかいないようで、ヒールのコツコツと言う音がよく響き渡ります。
2人は手摺りを使いながらようやく舞踏会の会場に到着したのでした。
エラは着いた途端、息を飲みました。
キラキラと輝く大きなシャングリラが多く上に存在し、壁の端には大量のそして多種類の美味しそうな料理がズラリと並んでおります。
また、様々なドレスを着た美しい令嬢達。
裾が自分よりも見た目が倍以上のベルラインドレス。
肩を露出し胸の所が大きく開いたAラインドレス。
自分のウエストの細さをこれでもかと締め上げたスレンダードレス。
同じく上はウエストを細く締め上げているものの下は綺麗に広がるマーメイドドレス。
自分の美脚を引け散らすミニ丈ドレス。
ドレスの引き裾がとても長いロングトレーンドレス。
上と下が分かれていて少しお腹が見えるセパレートドレス。
ぱっと見ただけでも多くの種類のドレスが見られました。
また、色々な所にキラキラと輝く宝石などを身に着けている令嬢も多く見受けられました。
宝石はシャンデリアの光を受けて眩しいほど輝きます。
エラは端ないと分かっていても、ついつい首をあっちこっちに動かしてしまいます。
ヴィオルは端ないとドレスの裾を掴み忠告すると、エラは不満ながらもその行為をやめました。
参加している令嬢はそれぞれグループがあるらしく形が出来ていました。
そして、それぞれのグループで微笑み合って話し合っています。
それらの1つのグループに年上の義姉であるアナスタシアが混じっており、とても優雅に佇んでおりました。
また、付き添った夫人達も夫人達でグループを作り微笑み合って話し合っています。
勿論、その中には継母もおり、こちらも優雅に佇んでおりました。
エラとヴィオルには彼女達の間に入る隙はありません。
まだ王様や王子が現れていなかったので、エラはヴィオルを引き連れて料理のある方へ足を進めました。
それにしても料理がどれも美味しそうで目移りしてしまいます。
エラはヴィオルの言った通り肉やサラダ、デザートなど食べたいものを少しずつ取っていったものの、その量はかなりのものでした。
ヴィオルは最低限のものだけを取り、優雅に食事をします。
エラもヴィオルの学んだことを意識して丁寧に食べるようにしました。
本当は思いっきり食べた方が美味しいだろうと思うものの、これまで食べた料理で最も美味しく感動しました。
一方、ヴィオルは何の変化も無く食べ終えていたのでした。
2人が料理を堪能していると急に周りがざわめき始めました。
そしてみんなが端に避けていきます。
いよいよ今回主役の王子が現れるようです。
2人も端に避けその時を待つことにしたのでした。




