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シンデレラと魔法使い  作者: 本羽 香那


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魔法使いの誤算

 

「エラ、1人で行っておいで。俺はここで待ってるから」


 ヴィオルはエラの手を離して見送ろうとしています。

 しかし、エラは一向に手を離そうとはせず、一緒に行くのと幼い子どものように、ヴィオルを無理矢理引っ張ろうとします。


「良い加減にしてくれ」


 ヴィオルはエラに無理矢理エラの手を離し、元の姿に戻るため魔法の杖を取り出して自分自身に魔法を掛けます。

 しかし、何も変化が起きません。

 ヴィオルは驚き、何度も何度も魔法を掛けますが、元に戻る気配は微塵もありませんでした。

 ヴィオルはふと空を見上げると大変なことに気づきました。


「月が全く見えない!」


 ヴィオルは頭を抱え、どうすりゃ良いんだよと叫びました。

 エラはヴィオルが慌てふためく姿を見てどうしたのか理由を尋ねました。


 実は魔法には多くの属性が存在します。

 詳しく言うと火・水・雷・風・土・木・闇・光・陽・月の10種類が存在します。

 そして、魔法にはそれぞれ得意な能力があります。

 例えば、瞬間移動する時は風、雨を降らしたいなら水などが必要です。

 今回使われている変幻は光か月の魔力が必要です。

 しかし、光が出ておりませんので今は光の魔力は使えませんし、月は全く見えないため月の魔力も使うことが出来ず、変術の魔法を使うことが出来ないのです。

 そう、今回はなんと新月で魔法の効果が消えてしまうと言う魔法を使うのが最悪な時でした。

 では何故今までは魔法を使うことが出来たのでしょうか?

 それはヴィオル自身に月の魔力を貯めていたからです。

 貯めている魔力は魔法を使い慣れている者なら簡単にその場で使うことが出来ます。

 そして、その魔力の源がある限り魔法は持続するのです。

 しかし、自分の貯めた魔力が無くなった時には補充する必要があります。

 また、魔法の源がない場合、魔法の効果はその魔力の種類や持続時間に違いがあります。

 陽や水などは長い効力を持ちますが、雷や風はあまり長時間の効力を持ちません。

 習い立てホヤホヤの魔法使いは1分も持たない時もありますし、魔法を使い熟せているベテラン魔法使いは何年も持ったりします。 


「エラ、多分だけど魔法は1時〜2時ぐらいまでしか持たない」


 月の魔法は比較的に持続効果が長く、ヴィオルが最も得意とする魔力ではありました。

 そのため、魔法の源が無くても何時間と魔法の効力は長く持ちます。

 しかし、それにも限界がありました。


「念のため0時前には退出した方が良いだろう。短くて申し訳ない。本当はめいいっぱい楽しんでもらいたいのだが……」


 本当にヴィオルは申し訳なさそうに、そして悲しそうな顔をしました。

 

「大丈夫よ。王様を見て、料理を食べたらすぐ帰るわ。まあ、あの男の子に会えたらお礼は言うけど、多分見つけられないだろうし。仮に見つけたとしても気軽に声なんてかけられないし、そもそも彼が覚えてないだろうし。そこまで長居はしないから安心してちょうだい」


 エラは笑顔を見せてヴィオルを慰めました。


「ヴィオルも元に戻れないし、何より私が夢中になって魔法が解けたことに気づかなかったら困るから、ヴィオルも一緒に行って」


 エラはヴィオルに手を差し出します。

 ヴィオルは諦めて腹をくくり、共に舞踏会に行くためエラの手を取ったのでした。


 いざ、舞踏会に突撃です!


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― 新着の感想 ―
[一言] エラがどんどん話を引っ張っていって、ヴィオルが押され気味なところも面白いです。 いよいよ舞踏会に突入ですね。 ヴィオルとエラ、どんな舞踏会を楽しむのでしょう。 また読みに参ります。
[一言] おぉう(;'∀') なんとも、場合によっては不便な限定条件よ(;'∀')
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