第6話 アーロンとラナ
ミシェルが奔走する中、王子はラナと共に社交界へと出ていた。
「アーロン様!」
「アーロン様だわ。」
王子はダンスパーティーを開いていたのだ。しかし、王子のパートナーがラナに変わった事を皆が知るとどよめきが溢れた。聖女ラナは多くの人を救っては来た、しかし、多額のお金と引き換えだとか気に入らないと見殺しにしたりとか、評判はいいものではなかったのだ。
「王子、何故ミシェル様との婚約破棄をされたのですか!?」
ミシェルの友人のガビーは王子を問い詰めた。
「君か、全く、素養の悪さは友人にも伝染するものなのかなぁ。」
「なんとっ……私の事はよくてもミシェルの素養が悪いことだなんてっ!よくも!」
「落ち着きたまえ。君がここでどう抗議しようとラナとの婚姻届はかわらない。」
その話しを聞いてさらに周囲はどよめく。
「アーロン様、ガビー様だって友人が離れて言ってお寂しいのでしょう。仕方ありませんわ。」
そう言って王子の腕に抱きつく。
「よくもぬけぬけと、その聖女がこれまで働いた悪逆非道をご存知ではないのですね?!王子?!」
「黙りたまえ!出ないと君の首を跳ねる事になる!」
辺りがどよめく中、ガビーは何も言わずにパーティーから帰っていった。
「全く、何故誰もかれもラナを虐めるんだ。身分がそんなに大事なのか……はぁ。」
「アーロン様。仕方ない事ですわ。」
「どれだけ周りが反対しても、僕は君を守るよ。」
「アーロン様。今日のお薬です。」
ラナは王子に何かを渡す。
「ありがとう。ラナ。」
王子はその怪しい液体を飲み干した。
王子はラナにぞっこんだった。無理もない。ラナに惚れ薬を盛られ続けているのだから………。
これで、この国は私のもの。贅沢し放題だわ。
ラナはニタリとほくそ笑んだ。
読了ありがとうございます。
少しでも面白いと思っていただけたら『ブックマーク』と、評価の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると嬉しいです。
今後ともよろしくお願いします。