第8話「本当の絶望」
死の歌は消え、死神は封印されてこれで終わると思っていた。しかし、ミューズは再び起き上がり、また歌い始めた。
「ミューズ!歌って!」
「あ、あ、……声が」
へ?
気がつくとミューズの声が出ないように魔法をかけられていたのだ。つまり、声を封印されていた。
「オレッチを敵にしたのが間違いだったなぁ!」
封印されていたはずの死神は封印できていなかった。
「オレッチの代わりに、ミューズの声を封印してやった!オレッチ天才だな!死ね!お前ら!」
「Ra〜♪」
死の歌が再び聞こえだした。このままでは皆が死んでしまう。その場にいる全員がそう思った。
絶望せよ。そこにあるのは冷たい死だ。死の音色が響き渡る。死のララバイがマイクや拡張器から国中へと届いてゆく。さあ、眠れ。永遠に。永遠に。その魂は天へと登る。
「Ra〜♪」
人間に被害がないようにローズはミューズの周りにバリアを貼ってなんとか防ぐ。しかし、だんだん音漏れしはじめてきた。ローズは苦しみだす。もはや為す術なしかと思われた。
ローズのバリアが持たなくなって絶望のしらべは国中へと響き渡った。国民は全員倒れはじめる。
そう、これこそが絶望。この先にあるのは真っ暗な死のみ。死神は高笑いした。
「はっはっはっはっ!!オレッチの飯が大量だぜ!!ノルマもクリアできるし最高だなっ!!」
皆為す術なく、本当の絶望が訪れた。




