第5話 魂
「死神を倒すしかないわね!」
そう言うミシェルをローズは止めた。
「死神を倒す事は難しいでしょう。」
ローズは眉間に皺を寄せる。
「どうして?」
「死神は死者の魂を運ぶ事を天から任された者です。天の加護があり、倒すには強すぎます。でも、契約を破らせる事はできるのです。」
「契約を破るとミューズは解放されるの?」
「はい。そうです。こんな時に賢者がいれば良い作戦を授けてくれたのでしょうが……はぁ。」
「彼女はもう、新しい生をえているわ。」
「そうですね。あれはあの時だけの苦渋の選択。今使うべきではないでしょう。アーロン様は何か考えはありますでしょうか?」
「僕?僕は……うーん。ない、かな。」
ミシェルもローズもそれを聞いてはぁと、ため息を吐いた。
「そんなに意気消沈しないでよー。そうだ!こう言う時は何か甘いものを食べるといい事が思い浮かぶかもしれないよ!ちょうどお菓子を持ってきているからこれで……。」
ローズがお茶の準備を直ぐにするとお茶菓子を皿に移した。
「さ、どうぞ。ゆっくり食べてくださいね。」
「ありがとう、ローズ。アーロン様。」
ん?食事?死神の食事って確か、魂だったわよね?確か、契約者の魂を食べるっていう。
「ローズ!アーロン様!ソレです!!」
「「?!」」
★★★★★
ミシェルはミューズのホテルまで行き。ミューズに会いたいと言った。しかし、ミューズは忙しいから会えないと断られてしまった。
ライブを止める事はできるのだろうか?そう思いミシェルは一旦帰った。
「で、何がソレだったんだい?」
帰りの馬車でアーロンはミシェルに問う。
「ミューズの魂を別のものに移してしまえば、それはミューズの魂であってそうでないことにならないかと思ったんです。」
「確かに、器が変わればその変わったものの魂になるね。なるほど、それなら契約を解除できるかもしれないね。」
「はい。後はどうやってそれを行うかですわ。」
面会拒否では会えない。アーロンからの命令でも入れて貰えなかったのだ。どうするべきか?ミシェルは困った。
「ライブの日になんとかできればいいけどね。」
「それでは手遅れなのでは?」
「確かに。それに、別のものって言っても何に移せばいいかわからないよね。」
「人形に移せばよいのでは?」
「うーん、無機物に魂を入れるなんて難しいだろうな。不可能では無いけれどできる人間が限られてる。」
「では、私に入れましょう。」
「?!」




