第4話 ミューズの秘密
翌日、ミシェルはミューズのホテルへと赴いた。
「ミューズ。正直に答えてほしいの。」
「はい。何でしょうか?」
「貴方、この間倒れた時、よく分かってなかったわよね?」
「……はい。」
「記憶が無くなる事ってない?例えば、寝てたのに気がつくと別の場所にいた、とか?」
その話を聞いたミューズは驚いていた。
「?!そ、そう!そうなの!!」
「やっぱりか……」
ミシェルはその病名に心当たりがあった。
「貴方二重人格なのよ。」
「二重人格?」
二重人格とは一人の人間の中に二つの全く異なる人格が交代して現れる。そして、 互いに他方の人格にあるときの行動を想起できないのである。ミューズのこの間の事を思い出したミシェルはこれだと思った。
「………どうすればいいでしょう?私、怖くて……」
「封印魔法を使ったらどうかしら?」
封印魔法はあるものを封印する魔法である。その封印する物は物だけに限らない。
「わかりました!使える人を探します!」
「ちょっと待ってね。封印魔法使える人知ってるから紹介するわ。」
そう言うとミシェルは一緒についてきたローズを呼んだ。
「はい。およびしょうか?」
「ミューズのもう1つの人格を封印してあげてほしいの!」
ローズは任せてください。と張り切って魔法を使おうと、した。
「かはっ」
気がつくとローズは吐血していた。背中に剣が刺さっていた。
「!?」
「そりゃー困るんだわぁ。その歌姫の歌がないと俺達の商売が成り立たないんだよなー。」
部屋にはいつの間にか死神がいた。
「オレッチさぁ、ノルマがあるわけぇ!で、この女のさ、両親の魂刈らない条件で他の魂狩ってるんだわー。業務妨害しないでくれっかな?」
死神なんて初めて見た。と、言うか、見てしまった。死神を見ると死期が近いと言われているがどうなのだろ?
「ほら、歌えよ。」
「Ra〜♪」
「ミシェル様!」
「ローズ!」
2人はお互いに耳栓をし合った。
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!無様に消え失せろ!!」
ミューズは人が変わったように死を連呼している。死神はミシェルとローズへと魔法攻撃をしてきた。ローズのバリアでなんとか防ぐが狭い空間での戦闘は至難の業である。
「耳栓されちゃーしかたないなぁー。オレッチが狩るしかないじゃん?」
死神は部屋なんてお構いなしに大暴れする。
「ミシェル様!ここは一旦引きましょう!危険です!」
「でも、ミューズが……」
「今の彼女には我々の声は通じません!撤退します!!」
「にげんだー?へー?まあ、いいけどぉ?もうすぐ何百の魂狩れる予定だしぃ?」
「え?」
その瞬間、ミシェルの屋敷の部屋へと転送された。
「ローズ、大丈夫?」
「ミシェル様こそ!無事ですか?!」
2人は互いの心配をして怪我が無いことを確認しあった。
「!!ローズ、不味いわ。」
「?どうされました?」
「明後日、なんの日か知ってる?」
「ミューズのラストライブなのよ。しかも夜の長時間ライブ。今だってそう。もう夕方だわ。」
「!!夜のみに現れる人格だと?」
「ええ、そう思うわ。」
2人は納得した。そして、ライブを中止させるべきだと考えた。しかし、どうやって?そう考えているとアーロンが訪れた。
「ミシェル、ローズどうかしたのかい?」
「あ、アーロン様。どうして、ここに?」
「実はミューズについて分かった事があって、彼女、二重人格なんじゃないかって……」
「「アーロン様、それもう知ってます!」」
ミシェルとローズは息ぴったりに抗議した。
「それが、ただの二重人格じゃないんだ!」
「「?」」
「魔法で植え付けられたものらしい!」
アーロンの話によると、ミューズは10歳の時に歌手として活動をはじめたらしい。でも、最初は誰からも相手にされてなかった。
だが、ある時を境にして有名になる。それが、呪歌の習得だった。呪歌を身につけるにはかなりの修行が必要な筈で10歳の少女が習得できるものではなかった。
なのに、彼女は皆に希望を与える呪歌を歌えるようになったんだ。そこから彼女は飛躍した。人気に火がつき今に至ると言うわけだ。
「彼女、やりましたわね。」
「ああ。」
「死神と契約したのでしょう。そして得た力が呪歌です。」
ローズがそう説明してくれた。ミシェルは疑問をぶつける。
「……彼女を救う方法はないの?」
「死神との契約は絶対です。彼女が死ぬまで続きます。」
「そんな……」
ミシェルは絶望した。これ以上被害を出したくはない。しかし、ミューズを、彼女を殺める訳にもいかない。ならば、……。
「死神を倒すしかないわね!!」




