第3話 絶望のしらべ
翌日、ミシェルとアーロンはミューズをホテルまで迎えにいき、国中を回った。フードを着て変装したミューズを案内した。
たくさんの名所などを回って観光してもらった。ミューズはとても嬉しそうだった。
「こんなに楽しかった事久しぶりだわ!ありがとう!王子!ミシェル様!」
ミューズの明るい笑顔から2人共、死の歌など想像できなかった。いつも希望と勇気に溢れている。そんなキラキラした者に思えてならない。1日中遊び回って夕方になった。
「今日はありがとう!」
2人ともこちらこそありがとう、楽しい日でしたと、言った。そして、ミューズがホテルへと帰って行く。
「ミシェル、送るよ。」
「ありがとうござます。アーロン様。」
だが、振り返るとミューズはホテルへは入って行かなかった。どうしたんだろうと思いミシェルは走って追いかける。そのミシェルをアーロンが追いかける。
「ミシェル!どうしたんだい?」
「しーー!見てください!」
「え?ミューズ?なんで?もう帰らないといけないはずじゃ?」
ミューズは歌い始めた。
「RaRaー♪」
「ミシェル!」
アーロンはミシェルの耳を塞ぐ。こんな事もあろうかと耳栓を用意しております!と、ドヤ顔のミシェル。アーロンへも耳栓を渡した。
「Ra〜♪Ra〜♪」
その歌声は死んでいた。否、歌声が死ぬなんておかしい。でも、本当にそうなのだ。聞いただけで死が訪れる。辺りの人達は崩れ落ちた。
「はっはっはっーー!!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!惨たらしく終われ!!」
物陰から耳栓をして見ている2人にはただミューズが踊っているように見えた。
「あー……あ?」
ミューズがこちらに気づいてしまい。寄ってくる。まずい!そう思った2人は逃げようとするが、そこでミューズは崩れ落ちた。
「………あ、あれ?私……。」
「ミューズ!大丈夫?」
ミシェルがミューズへと駆け寄る。
「あ、はい。なんでこんな所にいるんだろう?」
「ホテルに帰りましょ。」
そして今度こそミューズをホテルへと送った。
「アーロン様、どう思います?」
「あ、ごめん、耳栓したままだった(笑)なんて?」
「はぁ、ミューズのことですよ!」
「そう呆れないでほしいなぁ。ごめんごめん。」
「で!どう思います?」
「…………うーん、わからない。でも、あの歌を聞いた人達が死んだのは確かだね。」
「ええ、どうしてあんな……。」
2人で話しているうちに馬車はミシェルの屋敷へとついた。
「では、また。」
そう言って2人は別れる。ローズが出てきておかえりなさいませ、と出迎えてくれた。
「ローズは呪歌とか詳しい?」
「私はほぼただのヒーラーですからそこまで詳しくはないですね。どうかされたのですか?」
「ええ、部屋に戻ってから話すわね。」
ミシェルは自室へと帰るとミューズについてローズに話した。
「なるほど、人を殺せる歌………。」
「何か知らない?」
「うーん、呪歌の中には回復系のものもありますけど、大体の呪歌は相手を攻撃する物が多いです。……そういえばかつて呪歌を使うモンスターと戦った事がありますね。耳栓で解決でしたが。」
「うーん、そっか。」
「お役に立てなくてすみません。」
「いえ、参考になったわ!ありがとう!」
ローズの言う通り耳栓をしていればなんの問題ないもない。しかし、なぜ、ミューズはこんな事をするのだろう?謎は深まるばかりだった。
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