第2話 希望のしらべ
「RaRa〜♪」
その歌姫は夜風と共に。罪あるものを天へと返す。歌にのせる思いは1つ。
「死だ!」
その瞬間半径5mいないの人の命が、魂が消えた。
「死ね死ね死ね死ね死ね!!ははははっ!!」
彼女の歌声は美しい。だが冷たい、凍えている。そして冷酷だった。人々は急に倒れた。何が起きたのかわからなかった。フードを被った少女が歌って歩いていた。ただそれだけである。なのに道端には死体でいっぱい。
「ははははははっ!Raー♪」
その少女は残忍だった。人の死をなんとも、否、楽しんでいた。その才能が疎ましい。だって、もう片方は………。
少女はその場に倒れこむ。起きた時には逃げるように走って行った。怖い怖い怖い怖い!!いつもそうだ。気がつくと皆が倒れてて、何故かわからない。わからないのだ。それがただただ怖い!!
少女は宿まで走った。幸い追って来るものは居なかった。ほっとしてホテルへと入る。
「ミューズ!探したわよ!どこに行ってたの?」
「ご、ごめんなさい。ちょっと散歩に……。」
「はあ、すこしはスターだってこと忘れないで欲しいわね。外にでるなら誰が付けるのに。」
「ごめんなさい。」
歌う事が大好きだ。これからも歌って行きたい。でも、でも、どうして皆、倒れているんだろう?不思議に思いながらベッドへ寝転ぶ。嘘だ。知ってる。皆、寝てるんじゃない。息ヲ、シテ、ナカッタ。知ってる知ってる。
でも、どうして?わからない。わからないから怖いのだ。私って、何?そんなミューズの加藤など誰も知る由もない。彼女以外は。
★★★★
「ミューズのライブをまじかで聞けるなんて!素敵ですわ!アーロン様ありがとうございます!」
ミシェルが案内されたのは特等席。1番見えやすく高い席だった。
「ミシェルの為だし、国民の為でもあるからね。」
「例の件ですね。私の方では全く……ただ、歌っていた少女がいる。としか……。」
「僕の方も何も……とにかく、聞いてみないことにはわからないからね。」
ミューズが舞台に立つ。
「皆ー!来てくれてありがとう!こんな素敵なお城でコンサートをできるなんて夢見たい!楽しんでいってねーー!」
そして、1曲目が始まった。ミシェルもアーロンも身構える。しかし、そんな必要はなかった。美しい歌声は城中に響き渡る。そして、何故か元気になるのだ。ミューズの歌は聞いた者に希望を与える歌なのだ。歌が終わる。
「ミシェル、どうやら。」
「ええ。ミューズは白では?」
「僕もそう思う。」
何より聞いていても何も不吉な事は起きなかった。それどころか元気が湧いてくる。ミューズが人を殺めるなんてありえなかったのだ。2人はそう思いながらライブを楽しんだ。ライブが終わると国王はミューズを王の間に呼んだ。
「この度はこのような素敵なステージをありがとうござます。国王陛下。」
「いや、よかったよ。素晴らしい歌だった。」
「お褒めにあずかり光栄です。」
国王はそれから国を案内するのにアーロンとミシェルを任命した。この2人ならきっとうまくやってくれると信じていたからだ。2人は快く受け入れた。そして、始まる。希望は絶望となり、奏でるしらべは悪夢へと……。




