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詩❲情景❳

羊と魚

作者: 日浦海里

空を駆ける羊たちは

きちんと並んでいるようで

一頭一頭自由に動く


列をズレてはみ出していく子

他の子の間に割り込んでいく子

もちろんきちんと前ならえして

一緒に並んで駆ける子たちも


みんながみんな

悠々と泳ぎながら

青い波間に

一面の白い絨毯を敷き詰めていく


風を受けると

羊たちは次々に形を変え

わずかな間で

毛並みはどんどん変わってく


流れゆくままに任せながら

それでも意思があるように

どこかに向かってこの青い草原を

ふわりふわりと歩いてく


空を泳ぐ魚たちは

みんな同じように見えて

一匹一匹形が違う


少し尖ってて早く泳ぐ子

平べったくてゆっくり泳ぐ子

隣の子たちと手を繋ぐように

一緒に並んで泳ぐ子たち


みんながみんな

悠々と泳ぎながら

青い波間に

一筋の白い波を残していく


風を受けると

魚たちは次々に形を変え

わずかな間も

同じ姿のままではいない


流れゆくままに任せながら

それでも意思があるように

どこまでも続く青い海原を

ふわりふわりと泳いでく

雲も星も

空に浮かぶ何かに対して

馴染みのある名前をつけたくなるのは

空への憧れを映し出しているから

なのかもしれない

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― 新着の感想 ―
[一言]  よく読んでみると、羊雲が太陽や月を横切る時に見える光冠のことを西洋で『黄金の羊』『神の使いの羊』と言うそうで。  光冠。もしくは光環。字の通り光の輪。  つまり白くてもふもふの雲に対する…
[一言] 青空に浮かぶ雲が羊のように見えたり、魚のように見えたりすること、確かにありますよね。 それを綺麗な言葉で表現されていて、読んでいてとてもほっこりさせて頂きました。 風が吹いた時の雲の変化の描…
[一言]  叢雲。読めなくて調べました(笑)。むら雲、なんですね。  つい懐かしくて、昔買った『空の名前』という本を引っ張り出してきました。  海外でも羊に例えるそうで。  魚の雲は生活に沿った説も…
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