1話-4
…燕条 祢巴人-エンジョウナハト-
私の義兄…
13も年の離れた…
兄と言うより
親変わりだった
『……そうか…私が今年で17だから…
兄さん今年で三十路なんだ…』
…しかし、違和感がある
兄の容姿はこの13年間ほとんど変わっていない
強いて言うなら
髪型と髪の色が変わった
それくらいだ
兄の髪は銀髪…と言えるような白髪をしていた
それについて指摘すると
兄は染めた、と言っていた
そして、兄は自分の目が隠れるくらい長い前髪をして、
くせっ毛らしくどんなに整えても
あまり長くない襟足が跳ねていた
…昔の事はあまり覚えていない
ただ、兄と血が繋がっていない事だけ覚えていて…
ましてや、兄の前髪が何で長いかなんて
覚えているはずがなかった
-コトン-
私は温めたスープを机に置いて
焼き上がったトーストにジャムを塗りながら
サラダを食べた
…そういえば、兄の好みのせいか
サラダには滅多にドレッシングやマヨネーズをかけない
兄はそういうのが嫌いらしく
かろうじて家には、醤油やポンズ、ソースがあるくらいだった
…兄の食生活に習った事で
私もサラダはそのまま食べる事が多い
…でも、兄が嫌いなトマトが私のサラダに入ってるのは流石だと思う