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1話-2
『……ッ!!』
私は目を覚ますと同時にさっきまでの出来事が夢だと理解した
…私の頬は濡れていた
あの夢をみた日はいつもそうだ
そして、決まってその日は雨が降ってる
まぁ、でもそれは関係無いと思う
此処…
私達の住むこの島…
雨御島-アマミシマ-は降水量がとても多い
一年の内の約300日は雨が降っている
この島は
ただその点を除けば快適な島だと言う
適度に田舎
適度に都会
街が五つ程あって
一応、小中高に大学…全部の学校が島の中にある
離島だけど
船で15分で本島に行ける
この島で暮らす上で傘が必要不可欠だと言う事を除けば暮らし易いのは確かだ
けど、何故か
私…燕条月葉-エンジョウツクハ-はこの島が好きになれなかった
明確な理由はわからない
そもそも存在したのかさえわからない
けど、
私の心の何処かで
この島が嫌いだと言う感情が芽生えていたのは確かだった…
私はパジャマの裾で涙を拭うと洗面所に向かった