表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウォーキンシティへようこそ  作者: 十八谷 瑠南
プロローグ
4/65

エレナのバッグその2

「ちょっと!エレナ!」

学校の玄関口で声を掛けられたエレナは、後ろを振り向いた。

そこには仁王立ちで、むすっとした顔のクインがいた。

エレナは、にこっと微笑む。

「おはよ。クイン」

クインの態度に全く反応しないエレナにクインは呆れたように息を吐いた。

「おはよ・・・じゃなくて、ちょっと来て」

「え?」

きょとんとした顔のエレナはクインに引っ張られて校舎の裏側へと連れて行かれた。

そこは雑草が伸び放題で特に何の整備もされてはいなかったが登校する生徒たちの声も遠くに聞こえるほど静かな所だった。

「何?どうしたの?」

クインは、満面の笑みで、エレナの両手を握った。

「すごいじゃない!何で言ってくれなかったのよ?」

エレナは相変わらず意味がわからない様子できょとんとした顔のままクインを見つめていた。

「すごいって?何が?」

「そのバッグ」

「これ?」

「そう!それ!Darupaの新作バッグ!」

「へえ、そうなんだ」

「そうなんだって」

「これもしかしてめちゃくちゃ高い?」

「そりゃもう!ゼロがめちゃくちゃたくさんあって・・・って、エレナ、もしかして値段も知らなかったの?」

「ウォーキンシティで一番高い?」

「え?ええ、多分それぐらいはすると思うけど。モールで見た限りではたぶん一番高かったと思うし」

「そう。本当だったのね」

エレナは微笑むと少し目を伏せた。

「本当って?」

「ううん。なんでもない。それより、クイン。そのことが本当なら、今日の授業午前中で終わるわよ」

クインは今言ったエレナの言葉の意味がまったく理解できなかった。

「え?それ、一体どういう」

その時、学校のチャイムが響いた。

「いいから、早く教室行きましょう。遅刻しちゃうわ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ