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08:立ちはだかる敵

シーラと観衆が呆然としているのを無視し、いつの間にか起きていたフィンの元へと行くと、フィンは興奮した様子で話しかけてきた。


「イナロセくんすごいよ。最上級魔法を魔力だけで防げるなんて。」


キラキラした顔がすごい眩しいくらい笑っている。


俺としても目の前が急に塞がれた時は焦った。


攻撃自体は魔力を少し多めに使えば防げるが、封印系の能力には俺の使える魔力のみでは対処しきれまい。


「俺も自分の弱点を見つけたし、いい魔法の練習になったよ。」


フィンはすごい嬉しそうに俺の言葉を一言一句頷いて聞いてくれている。


(結果について一喜一憂するなど学園生活の友達イベントをリアルで楽しめてる。)


俺はそう思うと途端に嬉しくなってくる。


そしてシーラが俺を睨みながら近くまでやって来ていた。


「もう私自信が無くなってきたわ。イナロセくんに手も足も出なかったわ。こんなに実力差離れて負けたの初めてだわ。いっそ清々しいくらいよ。」


シーラは悪態をつきながらそのようなことを言ってきた。


「シーラさんの魔法も凄かったよ。僕全然魔法得意じゃないから羨ましいな。」


フィンは遠いところを見ているように俺達2人を見た。


「俺も魔法は全く使えないぞ。ファイヤーボールの魔法陣すら発現出来ないからな。」


「それはそれで問題なのだけれど。まあ、それでも最上級魔法を防げる魔力量ていうのが化け物じみてるけどね。魔力の無駄遣いもいいとこよ。」


「いや〜それほどでも。」


「褒めてないわよっ。」


そんなやりとりをしつつ、俺は演習場を見ていると俺たちを観戦していた生徒達はそれぞれの練習に戻っており、魔法を撃ち合ったり話し合って試行錯誤したりなどしていた。


「私はさっきのアデラスプラッシュで魔力すっからかんよ。ちょっと休憩させてもらうわね。あなた達でどうぞ。」


「うん。い、イナロセくんは魔力結構使ってたけど休憩する?」


「いや魔力はまだ全然使えるから、盾役くらいにはなれるぞ。」


俺がそう言ったらシーラとフィンはありえないと言った表情をしていた。


「どんだけ魔力バカなのよ。」


「ははは、じゃあイナロセくん僕の魔法受けてみてもらえるかな?」


バカとは心外である。まあ家にいた時も妹に同じように言われていたが。


「おう。じゃあ早速撃ってきていいぞ。」


「う、うん。ファイヤーランス」


フィンがそう言うと炎が集まっていき槍の形になってことらへ向かってきた。


「!?」


しかし俺にあたる直前に槍の形は崩れ、炎の散弾となって周りに飛び散った。


形が崩れたことにより1発1発の威力は弱い。


その攻撃は魔力で作る壁に全て跳ね返された。


気まずそうにフィンが口を開いた。


「中級魔法は今練習中なんだ。」


その後も魔法を撃っていたが完成とはいえないままフィンの魔力が尽きた。


「はあはあ、やっぱり上手くできなかったかぁ。」


フィンは残念そうにしている。


「じゃあそろそろ終わりにするか?」


俺が提案すると二人とも頷いて出口へと向かう。


異変に気づいたのはシーラだった。


「ちょっと待って。」


そう言って演習場の真ん中の異変に気づく。


そしたらシーラの見ている演習場の真ん中に魔法陣が浮かび上がった。魔法が発動していて魔法陣が青黒く光った。


「おい、なんだあれは。」


「急に光ったぞ。」


他の生徒たちも何が起こってるか分からないと言った感じで見ていた。


しばらくするとそこから1人の女が立っていた。


「ふふふ、ごきげんよう。」


黒装束を纏って不敵な笑いとともに姿を現した。


「さあ、滅びの始まりよ。」


女は指を鳴らすと学園全体が結界に覆われた。


「三大名家の末席を穢すものとして侵入者の貴方を討伐させてもらうわ。手加減は無しよ。ライトニングスピア」


シーラはすぐさま攻撃するも相手の女はその攻撃を右手で防いだ。


「先程最上級魔法を撃っていた子ね。もう魔力が少ないのかしら、威力がこの程度じゃね。」


シーラにはこの状況を打破することが出来ない。


「俺も手伝う。まりょくボール」


「!?へえ、面白い攻撃をする子がいるのね。ウォール」


歪んだ空間から本物の壁が突然現れて俺の攻撃が阻まれる。


「ランス」


謎の女の前に本物の槍が現れこちらに向かってくる。


「魔力障壁」


超高速の槍を咄嗟に出した魔力で防いだ。


槍は弾けて霧散する。


「ふふふ、なるほどなるほど、防御にも使えるのね。本当に面白い子ね。ただそれじゃこれはどうかしら。ロストファイヤー」


ファイヤーボールのような小規模の炎が飛んでくる。


「魔力障壁」


しかし、攻撃は魔力で作った壁を貫通し俺の肩を撃ち抜いた。


「ぐぁっ。」


「イナロセくん?!」


フィンが俺を心配して駆け寄る。


しかし、防げると思っていたため不意打ちに近い状態で当たり俺はその場に崩れた


「ふふふ、魔力だけじゃ私には勝てないわよ。」


「イナロセ下がって、ファイヤーランス」


魔力切れに近いシーラが中級魔法で応戦する。


「あなたの魔力はもう尽きそうね。」


だが、その女はファイヤーランスを避けシーラに向かって攻撃を放った。


「あなたの上級魔法や中級魔法は私のファイヤーボールより弱いわね。これが私との差よ。その身に刻みなさい。ファイヤーボール」


シーラの上級魔法よりも威力のあるそのファイヤーボールは、轟々と燃えながらシーラへと迫っていく。


シーラにはもう防御魔法すら発動する魔力はない。


直撃する。


もう無理だと思いシーラは目を瞑った。



しかし、いつまでも来ない攻撃に目を開けるとその光景に驚いた。


「私の学園で好き勝手はやめなさい。」


「ふふふ、意外と遅い登場ね、アストリア王国最強の魔法使いさん。」


侵入者の女の前に立ちはだかったのは王国最強、そしてこの学園を統べるエルラ=ヴァンハン学園長であった。

どうもユウユウハです。

昨日深夜にリアルで遊んでいたので1本しか更新出来なかったです。

悪友と深夜に公園で厨二をしていました笑

物語も次の展開へと進んでいき、突如としてきた侵入者、この後どうなるのか乞うご期待下さい。

次話では少し戻った別人物の視点からの合流となる予定です。

Twitterもやってるので宜しければ作者名で検索してみてください。

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