04:入学
体がゆらされる。
「……ちゃん、お兄ちゃん、起きてー。」
意識が覚醒していき、目の前に妹のサーシャが可愛い寝巻姿で起こしに来ていて、今が朝であると認識した。
(そうか、今日は入学式だったな。)
俺はこの間行われた聖アストリア魔法学園の入学試験に合格を果たし、本日から魔法学園の生徒として過ごすことになる。
これからの学園生活を考えれば楽しみになってくる。
そんな思いを抱えて俺はベットから出た。
「おはよう。サーシャ。」
「うん、おはよ、お兄ちゃん。」
いつも起こしてくれる妹に挨拶すると一緒に自室からリビングへと向かった。
「そーいや、お兄ちゃん。今日から魔法学園に通うんだね。」
「ああ、そうだぞ。楽しい学園生活にするよ。」
「私も来年頑張って行くから!」
「サーシャは俺と違って魔法凄いからな。楽しみに待ってるよ。」
「うん、お兄ちゃんと一緒のとこにいくよ。」
そういうと、腕を絡ませて体を寄せてきた。
ブラコンの妹は一緒にいるといつもくっついてくる。
全く、早く兄離れしてほしいと思う。
そのまま朝食を食べ、聖アストリア魔法学園へと向かった。
「行ってくる。」
「お兄ちゃんもう行くのー?洗濯干してるお母さんの分まで行ってらっしゃーい」
そう言って胸をはる妹、全然胸はないのだが…
「帰ったら話聞かせてね。」
「分かったよ。行ってくる。」
妹の頭を撫でたのち、学園へと向かった。
学園に近くなるにつれ、同じ入学生と思われる生徒達が増えてきた。
学園の正門は俺たち正装の黒のマントを羽織った生徒達によって混雑していた。
どうやらまだ受付開始していないみたいだ。
ふとそんなことを考えていると後ろから声をかけられた。
「イナロセくんじゃない?」
急に名前を呼ばれて振り返った。
おそらくここで俺の名前を知っていてそう呼ぶ人物は1人しか思いつかないが…
「やあ、シーラ。おはよう。」
「こちらこそ、おはよう。試験で出会ったお友達が入学出来ていて嬉しいわ。」
「なんとか合格出来たみたいだからね。」
シーラとそんな会話を続けていると受付が始まったみたいだ。
「新入生のクラスは2つあるみたいよ。」
「へぇー。じゃあシーラとも一緒だといいね。」
そう言って2人とも受付を済ませた。
受付は入学証明書を提出してクラスの紙を貰って学園内に入った。
「イナロセくんはクラスの紙になんて書いてあったの?」
「俺は1-1って書いてあったよ。」
「あら、私と一緒ね。なら一緒にクラスまで行きましょ。」
シーラはニッコリとそう答え、俺の前を歩いていった。
クラスに入るとみんなこちらを見てそしてそれぞれ視線が元に戻る。
この後に入ってきた人たちも同じように視線を送り戻していった。
クラスの席が埋まった頃、1人の女の人が入ってきた。
「はーい、みんないるかしら?うん。みんな揃っているみたいね。私はラーナ=スラング。貴方達の担任よ、ヨロシクね。」
そう答えた茶髪でショートの美人という言葉が似合う女の人、ラーナが笑顔で俺たちクラスを見渡していた。
「今年は優秀な子が多いって聞いたから、先生期待してますよー。」
嬉しそうに言うその姿は可愛いと思った。周りの男子達諸君の息を呑む姿が見える。
「ではではー。まずは自己紹介がてら、先生と模擬魔法戦をしましょう。」
・・・え?いきなり?
俺はいや、俺たちクラスメイト達はびっくりしながら先生に連れられて演習場へと向かっていった。
どうもユウユウハです。
とうとう入学しました。いきなり模擬戦とかぶっ飛んだ先生ですよねw
次話ではクラスメイト達とかも出てきます(予定)
シーラちゃんがなんかやらかしてくれると私は嬉しいです。
Twitterもやってるのでユウユウハまたは@yuuyuuhaで出てきますので良ければフォローよろしくお願いします。